Steve Howe - Turbulence

4 Comments
Steve Howe - Turbulence (1991)
タービュランス

 どこかのバンドのギタリストとして名を馳せた人のソロアルバムってのは大抵つまらないものが多い(笑)。バンドの一員としてのプレイではとんでもなくかっこ良かったりするし、バンドで自身の曲をやる分にはかっこ良いんだが何故か同じ人がソロ用で作品を作ってもまるで面白みがないのだな。一つにはボーカリストとしての器量がない人が多いから歌がつまらん、ってのもあるしやっぱりバンドの一体感がなくってセッションな感じになるからつまらんってのもある。曲が悪いってワケでもないのだろうけど曲にフックが足りないとかね…それはボーカルやバンドの力量の差なんだろう。何となくギタリストのソロアルバムで凄い名盤っての思い付かないんだもん…ピーター・フランプトンくらいか(笑)。

 ご存知イエスのギタリストとして名を馳せたスティーブ・ハウのソロアルバム3枚目となる「タービュランス」、実際は1986年から89年頃までの録音らしいがリリースされたのは1991年、イエスの「Union」の頃だな…ってことでその元ネタが結構散りばめられているってことで知られている作品。自分的にはこの後の「Not Necessarily Acoustic」の方が全然好きだけど、この「タービュランス」あたりから聴けるか、って感じです。いや、聴けるか、どころかイエスとはリンクしない音ばかりでさすが音楽に造詣の深いスティーブ・ハウだと実感する。正にソロアルバムならではの好きなコトばかりをやっているアルバムで、フュージョン的な色合いが結構強いのは何でだろ?明らかにロックな人ではないんだが。もっとスパニッシュ的な方向でもおかしくないけど、フュージョン系です。ドラムはビル・ブラッフォードだからクリムゾンっぽいところもあるし、基本キャッチーなメロディーをギターで奏でるのと更に多彩な弦楽器を駆使して色彩豊かなインストを繰り広げている。如何にもギタリストが作りました的なサイズに収まっているところはギタリストらしくて良い。テクニカルにもならず、複雑にもならず、流れてそのままさようなら的な曲ばかりが並んでいて心地良く聴けると言うのもなかなか面白い。

 イエスの時のギタープレイとか凄いな〜と思って聴いてたりしたんだけどソロになってギター的にやられると、ふ〜んそんな感じなのか…とちょっと見る目線が下がったのは何でだろ?もっとテクニカルに行くかクリエイティブに進むのを期待してたからだろうか、こんな軽やかなフュージョンサウンドに接近するとは思わなかったからか。時代の産物とも言えないでもないけど、これはこれで良しとして聴くものかもしれん…。やっぱ「Union」のデモサウンドってのが近いかな(笑)。そういう意味では興味深い音なので楽しめるけど…、何回も聴かないな〜。

Not Necessarily Acoustic
Steve Howe
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フレ
Posted byフレ

Comments 4

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クリタカ  
カラフルなギターサウンドですね

 頭の中にいっぱいアイディアが溢れてるんでしょうね。それをまた実践できるのが彼の凄いところ。ベックが「ギター小僧」なら、ハウはさしづめ「ギター職人」という趣でしょうか。確かに1stや2ndは下手クソな歌声で作品を台無しにしています。
 この盤はなかなかいいですね。ひとつの型にとらわれず色々なプレイや音色で楽しませてくれます。でもバックの安っぽい'80年代特有のシンセ音は少し耳障りです。まさかのジェフリー・ダウンズ君ではないでしょうね?

2013/10/15 (Tue) 21:09 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>クリタカさん

鍵盤はジェフリーくんじゃなくってあまり名前知らない人ですね。なかなか良い、という以上ではないのが勝手なリスナーの意見ですが、聴きやすいですね。初期の歌入りはちょっとご勘弁を…(笑)。

2013/10/19 (Sat) 08:14 | EDIT | REPLY |   
akakad  

南国感に弱いんでタイトル曲の後半にはうっとりします
しかしソロの場合は個性の強いビッグネームは邪魔かもしれませんね
家族や近しい人と収録した作品のほうが出来がいいと思います

2020年元Asiaメンバーはそれなりに元気でハウがボーカルをとった作品では1番聞きやすいしキラーチェーンはないもののトータルではトップクラスと思えるLove Isがリリースされとてもうれしいです
The Grand Scheme of Thingsのようなキラーチューンはありませんが聞きやすさは断トツではないかと思います

後はジョン・ペインがDukes of the Orient名義での2ndアルバムFreakshowをリリースしておりこちらもなかなかの力作でヘヴィなプログレハードにサックスを交えたり好きなことをやってる上に聞きごたえもある内容となってます

ハウとペインは特に思い入れがあるのでとてもうれしいです

2020/09/08 (Tue) 22:56 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>akakadさん

いやはや大御所の今の姿に加えて新鮮な情報に感謝です。
しかしハウもあの見た目になりながらまだ現役?といつ見ても大丈夫?と心配しちゃいますが…。

2020/09/15 (Tue) 21:29 | EDIT | REPLY |   

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