Steve Howe - Turbulence

どこかのバンドのギタリストとして名を馳せた人のソロアルバムってのは大抵つまらないものが多い(笑)。バンドの一員としてのプレイではとんでもなくかっこ良かったりするし、バンドで自身の曲をやる分にはかっこ良いんだが何故か同じ人がソロ用で作品を作ってもまるで面白みがないのだな。一つにはボーカリストとしての器量がない人が多いから歌がつまらん、ってのもあるしやっぱりバンドの一体感がなくってセッションな感じになるからつまらんってのもある。曲が悪いってワケでもないのだろうけど曲にフックが足りないとかね…それはボーカルやバンドの力量の差なんだろう。何となくギタリストのソロアルバムで凄い名盤っての思い付かないんだもん…ピーター・フランプトンくらいか(笑)。
ご存知イエスのギタリストとして名を馳せたスティーブ・ハウのソロアルバム3枚目となる「タービュランス」、実際は1986年から89年頃までの録音らしいがリリースされたのは1991年、イエスの「Union」の頃だな…ってことでその元ネタが結構散りばめられているってことで知られている作品。自分的にはこの後の「Not Necessarily Acoustic」の方が全然好きだけど、この「タービュランス」あたりから聴けるか、って感じです。いや、聴けるか、どころかイエスとはリンクしない音ばかりでさすが音楽に造詣の深いスティーブ・ハウだと実感する。正にソロアルバムならではの好きなコトばかりをやっているアルバムで、フュージョン的な色合いが結構強いのは何でだろ?明らかにロックな人ではないんだが。もっとスパニッシュ的な方向でもおかしくないけど、フュージョン系です。ドラムはビル・ブラッフォードだからクリムゾンっぽいところもあるし、基本キャッチーなメロディーをギターで奏でるのと更に多彩な弦楽器を駆使して色彩豊かなインストを繰り広げている。如何にもギタリストが作りました的なサイズに収まっているところはギタリストらしくて良い。テクニカルにもならず、複雑にもならず、流れてそのままさようなら的な曲ばかりが並んでいて心地良く聴けると言うのもなかなか面白い。
イエスの時のギタープレイとか凄いな〜と思って聴いてたりしたんだけどソロになってギター的にやられると、ふ〜んそんな感じなのか…とちょっと見る目線が下がったのは何でだろ?もっとテクニカルに行くかクリエイティブに進むのを期待してたからだろうか、こんな軽やかなフュージョンサウンドに接近するとは思わなかったからか。時代の産物とも言えないでもないけど、これはこれで良しとして聴くものかもしれん…。やっぱ「Union」のデモサウンドってのが近いかな(笑)。そういう意味では興味深い音なので楽しめるけど…、何回も聴かないな〜。
Herald-Classic Rock (1994-11-29)
売り上げランキング: 278,961
- 関連記事
-
- Flash - Out Of Our Hands
- Steve Howe - Turbulence
- Yes - Going for the One