Quatermass - Quatermass : Deluxe Edition

70年代の英国ロックバンドがちょっと前から再結成して日本に来たりしてそれなりにニッチな人気もあるみたいだし、アルバムは何度もCD化されてそのニッチな要求に応えるが如く紙ジャケ、発掘ソース、DVD5.1ch盤などと当時はほとんど売れなかったにもかかわらず90年代以降安定的なアイテムとして定着しているようだ。まったく不思議なお話で、ロックってのはそうやって歴史の一部になっていくのだろうな、なんて思ってしまうくらい。もっとも当時は知られることの多くなかった情報が今の時代ではありとあらゆる部分まで解明されることで、だから故に聴いてみようかと思う人も多いのだろう。自分もそういうのはある。
Quatermassの1970年の唯一作「Quatermass : Deluxe Edition (CD+DVD)」がCD+DVD盤で再発された。内容はといえば通常のアルバムにシングル曲「One Blind Mice」とそのB面曲「Punting」の追加…これは昔からレパートワーのCDでも入ってたんで特に目立つものでもないんだけど、何故に「One Blind Mice」が冒頭に入っているのか…シングルを聞いてからアルバムを聴けとでも言うかのような入れ方ではあるが、まぁ、今の時代なら飛ばせば良いだけだからいいか。アルバムの印象は相変わらず過大評価され過ぎじゃないか?って思うんだが、それもこれもディープ・パープル/レインボウ絡みの情報が多々流れていき、メンバーもその後の活動歴が割とクリアーになってきたことで実力派バンドだったということが言われてきたからだろう。メジャーグラウンドで語られるとこのバンドは全然面白味が無いんだけどな〜と自分は思う。マイナー世界の中で語るならばアルバムジャケットの素晴らしさから音のくぐもった感とかやりっぱなし行きっぱなしの歌とかワンフレーズにこだわる曲展開とか見せ所はたくさんあって魅惑的なのだが…、いや大好きです。このハモンドの使い方なんてもう古臭くて古臭くてこれぞハモンドです、って感じでさ。
んで、今回のCD+DVD盤では「I'm Afraid Not」というレコーディングセッション曲が中途半端ながらも入ってて苦肉の策だけど、まぁ、伝説のバンドQuatermassの断片ではあるからあるものは全部まとめて入れておけ的な意味合いからすればありがたいと言うべきかもしれん。それよりも自分的には1974年のライブから、っていうのに驚いた。1974年に活動してたんか?ってのが驚き。アルバム一枚のバンドでセカンド・アルバムは全然出て来なかったので、当然バンドは解散していたものだと思ってた。これはもっと追求しないといかんな〜と。メンバーそれぞれのセッション活動と年代を見てってホントにやってたの?みたいなのも知りたいし、そんなライブ音源あるなら全部入れて聴かせろよ、って思うのだがどうしてこういう中途半端なことするかねぇ〜、次の商売考えてるとか?この「Quatermass : Deluxe Edition (CD+DVD)」はそのライブ曲だけだよ正直。DVD5.1chなんて自分にはどうでも良いし、それだったら1974年のライブ丸ごと…更に1970年のライブも入れてほしい。どうにも釈然としないリリースな気もするけどこれが精一杯だったんだろう。
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