Tommy Bolin - Teaser

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Tommy Bolin - Teaser (1975)
Teaser

 色々なところで繋がるロックの歴史はやはり面白い。今の時代では皆がどうやってロックを漁っていくのか知らないが、適当にYouTubeなりアマゾンが推奨するものを探っていくよりはもうちょっと人脈たどりの方が面白い気がするけどな。どういう形であれ深掘りしていくならそれはそれで良いんだけどね。面白いよ、ロックは。こういう形で自分がトミー・ボーリンに繋がるなんてのは全然思ってなかったから今回もそのハプニングを楽しんでます。

 1975年リリースのトミー・ボーリンのファーストソロアルバム「Teaser」、時代が重要でして、1975年なんです。ディープ・パープルのお話はともかく、ジェフ・ベックの「ワイアード」よりも先だって事の方が重要。それを意識して「Teaser」を聴くとその音楽的アプローチの特異さに驚くだろうと。と言うかトミー・ボーリンとジェフ・ベックが同じようなアプローチを行うってことが面白くて、各書によればジェフ・ベックがビリー・コブハムの「Spectrum」のトミー・ボーリンに影響を受けたって話だけど、それにしても、だ。まぁ、それはともかくとして、トミー・ボーリンの「Teaser」というアルバムは実に多彩な音に彩られている名作に相応しい作品だと。音楽性の幅の広さやアレンジなどもそうなんだけど、なんというのか…聴かせてくれる楽しみがあって、いやらしさがない。その辺はさすがにアメリカ人って気もするんだけど、だからこそ聴かせるアルバムになってる。どうもギタリスト的な側面が強く見えてしまったのでギタリストのソロアルバムとして捉えがちなんだけど、全然それは間違ってて、トミー・ボーリンというアーティストの作品なワケです。ギターは一番得意としている程度で、プロデュースからクリエイト、プレイまで出来る人の作品だったってこと。もちろんギターがかっこ良いのはあるんだけど、それ以上の器量が詰め込まれているのが本作なんじゃないかと。

 アルバムジャケットのこの笑顔とかファッションセンスとか良いでしょ?憎めないもん。自分はディープ・パープルって思い入れ無いからトミー・ボーリン時代になって云々ってのも全然気にしなかったけど、結構良かったんじゃないかな〜なんて思ってたし。それがこういうソロアルバムを聴くと余計にわかってくる。ちゃんとその人の来歴を聴いていかないとわからない世界なんだろうけど、だからこそそうすべきで繋がりと歴史を紐解くってのは重要じゃない?なんて。ま、いいや、この「Teaser」…良いです。クセはないけど作品としては文句なしだし、メンツも後にセッション・ミュージシャンとして名を馳せる方々ばかりの秀作。

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Tommy Bolin
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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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kazz_asai  
薤上の露

トミー・ボーリンといえば、どうしても思い出すのはDeep Purpleの来日公演ですね。
直前に手に負傷したとのことでほとんどギターが弾けず、スライドに徹していました。
それまでレコードがすり切れる程聴いていた「Made In Japan」でのリッチー・ブラックモアのプレイに比すべくもない醜態に呆れると同時に、「Come Taste The Band」のファンキーなDPに馴染めなかった私は、その時点で彼のキャリアに興味を失い、James Gangも「Taeser」も聴くことはありませんでした。
ところがラジオで聴いた次の「富墓林」、これは悪くない。その頃、ジェフ・ベックの「Blow By Blow」をよく聴いていたせいでもあるのですが、本来これもトミーにインスパイアされて世に出た作品なのですね。
しかしその直後、まさかのトミー死去。もはやそのギタープレイを聴くことはかないませんでした。
「富墓林」の「墓」は、彼の死を予告していたという噂も流れたように、その最期は当時の音楽ファンにかなりの衝撃を与えたことが思い出されます。

2013/10/05 (Sat) 00:25 | EDIT | REPLY |   
クリタカ  
遅きに失した感はありますが・・・

 リッチー脱退の引き金ともなった、"嵐の女"を擁するアルバム「Stombringer」。シングル以外の曲は「ふ~ん」てな印象でした。この頃はQUEEN、ANGEL、ディッケン率いるMR.BIGなどの新勢力へ興味の対象が移りつつあり、もはやDEEP PURPLEは過去のバンドになりつつありました。トミー・ボーリン加入?誰じゃ、それってな感じでしたし、彼の初体験は「Come Taste The Band」...ではなく...同級生に借りた「ラスト・コンサート・イン・ジャパン」(爆)!ケガだか、ラリったんだか知りませんが、フェイザーを通したジュワンジュワンした音にボトルネックのヘナチョコ奏法。これがプロの所業かとさえ思いましたね。その後まともに聞いた「Come~」も過度なオーヴァーダビングにヨレぎみプレイ。印象に大きな変化はありませんでした。
 しかし、もうCD時代になって見つけた中古の「Teaser」。全く期待しないまま聴いたのですが、いやはや驚きでした。フラッシーでもトリッキーでもないがスィンギーで躍動感に溢れたそのプレイ。けして上手とは言えないが誠実な歌声と共に大満足の一枚となりました。あのライヴ盤の悪夢がウソのようでしたね。それから過去のJAMES GANGや他セッション作など追いかけましたが、早死にのためソロも含めた参加作品の音源が少ないのはとても悔やまれました。
 彼を「玄人好み」と評される事が多いようですが、素人の私でも充分に感動できましたし、この時期に活躍した米国人ギタリストでレズリー・ウェスト、ロニー・モントローズそしてトミー・ボーリンは"エモーショナルプレーの三羽ガラス"と勝手に認定させてもらってます(笑)
 でもこのトボけたジャケは何でしょう?Deluxeの文字が確認できますが・・・去年三枚組のAltimate盤というのを購入しましたが、それとも違うようなのですが・・・また商魂大作戦なんでしょうか、ファンとしてはすごく気になります。

2013/10/05 (Sat) 19:07 | EDIT | REPLY |   
フレ  
富墓林

>kazz_asaiさん
情報が多くなかった時代の逸話としては有名な部類ですね。リアルにリッチー交代劇を知っている方は皆同じように感じたようで、一層トミー・ボーリンの評価が下がったと…。後追いの自分なんかは逆にトミー・ボーリンのギターって良いのにな、何でだ?みたいなのを敢えて思ってましたけど…、来日公演の期待度が大きかったからなんでしょうね。

>クリタカさん
米系は苦手なんですけど、この人面白いっすね。なんとかエディションとかよくわからんです、今はもう。曲目見てあるかないかだけの判断でしょうかね。

2013/10/06 (Sun) 23:45 | EDIT | REPLY |   

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