ReVamp - Wild Card

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ReVamp - Wild Card (2013)
Wild Card

 ふと思った。行き詰まる音楽と進化する音楽ってあるんだ、と。古い感覚からすると音楽が行き詰まるなんてこと考えられなくて必ず進化していくものだし、行き詰まるんじゃなくてひとつの形として完成していくってのがあるだけだったから。簡単に言えばトラッドやカントリー・ブルースなんてのも進化系もあるけどひとつの形に留まったものがそのまま今でも引き継がれてスタンダードになっている。ところがゴシック・メタルやドゥーム系などに至っては進化系が考えられず、かと言って留まれるほどのステータスも持てず行き詰まっている感がある。実際どうかは知らないけど、行き詰まる音楽形態ってのはやはりひとつのアイディア、流行りでしかないのかなと。そこが好きなリスナーはどう進んだものか…となるが。グランジもその形態のひとつだったけど確実な終焉があったからケリ付いたのかもしれない。結局流行りものだったって事になるのか。

 上記戯言とはまるで関係がないが、ReVampというバンドの新作「Wild Card」がリリースされていた。ご存知オランダからシンフォニックメタルバンドAfter Foreverのボーカリストとしてシーンに登場したデカい女性のフロール・ヤンセンがAfter Forever解散後に自身で組んだバンドのセカンドアルバム。何せ前年から衝撃的にすら思えたNightwishのツアー要員として活動していたから一体いつレコーディングしたんだ?とスケジュールの確認しちゃったりしてね。どうもバンドが新作の準備をしていたところにツアーサポートの依頼が入り、即刻Nightwishを選んだようで、バンドはそのまま曲作りとレコーディングに突入したらしい。何とも素晴らしいバンドの機動力と信頼力。2013年春頃に一旦Nightwishのツアーに間が空くのでその間の二ヶ月前後でボーカル録音終了という様子だ。作詞作業や曲の習得なんてのはネットでツアー滞在地でやってただろうけど、Nightwishの曲だって覚えるワケだから結構大変だったろうな〜と。若さの特権か…ってほど若くもないからやっぱり根性だろう。

 音を聴きながらそんな事を思ってたが、そもそも自分の中でReVampってあんまり音の印象が強烈じゃなくて、どうだっけな、ってのが大きかったんだが「Wild Card」を聴いてみると、うん、そうか、納得し(笑)。ただNightwishでは出てこない表現力も駆使してて、それはそれでバンドとして機能しているんだなと。パワーメタル要素だけど初っ端から、何かヘン…バンド側が凝りまくってたのか曲が緻密に練られてて、一筋縄では進まない展開でその複雑さに聴き辛さすら覚えた次第(笑)。そんな曲ばかりじゃないけど、どの曲も練られてて完成度は高い。特に中盤以降はパワーメタルからシンフォニックへと進んでいて、これまでのキャリアと今のNightwish的要素も入れているかのように振れ幅を広くした音が展開されてるのも面白い。ただ、やっぱり、上述のような背景で作られているからか歌とバンドがどうもしっくりとハマっていない…ってかもっとハメ込めたんじゃないか?っていう気がする。多分気のせいだけど(笑)。しかしこの手のは何度も聴くのが難しいなぁ…。

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フレ
Posted byフレ

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