Aerosmith - Permanent Vacation

エアロスミス日本公演やってたんだ、なんて情報をスティーブン・タイラーのアチコチでの出没騒ぎで知ったという情けない情報源。以前はエアロスミスって大好きだったし…、いや、今でも好きだけど近年のエアロスミスを見てどうのってもんでもない程度ってのは上述の通り。70年代のエアロスミスは結構なロックのカリスマたる部分も大きかったし、ヤバさが良かったのもあって楽曲のフラつき具合はあったもののどれもこれもナイスなアルバムとして受け入れていたんだが、その後だよな。ジョー・ペリーが脱退してソロプロジェクトで活動、まぁ、カッコ悪いワケじゃないけど華もないってのもあって多々事情によりエアロスミス再結集、その時に用いられたのがジョー・ペリー・プロジェクトでの傑出した一曲「Let The Music Do The Talking」だったワケで、その「Done With Mirrors」はまぁ、再結集アルバムにしてはロックしてて良いよね、うん、くらいなモンでロックファンには受けた。が、それだけでは再結集の意義=カネ?が満たされなかったのか、次作「Permanent Vacation」では何と、バンドが大変身してしまうのだった…。
1987年にゲフィンからリリースされた再結集2枚目となるバカ売れしたアルバム「Permanent Vacation」です。今に通じるエアロスミスの大進撃は「Permanent Vacation」から始まってて、それはもう聴いてわかるように元々が英国のロックバンドに影響されたスタンスもあって面白かった部分がごっそりと削り取られてボン・ジョヴィの如くアメリカンハードロックバンドへと移行した作品だった。つまりアメリカのバンドになった、って事です。いや、元々アメリカのバンドなんで良いけど、エアロスミスって要素がそこで変わってしまったって事で…、だからガラリとその作風は変わる…作風というかバンドが変わってしまっている。そりゃ外部ライターを大胆に起用してそのエアロスミスたる要素にアメリカ商業路線が入り込んできているんだからある意味面白い音になってるのはある。本質的にロックなエアロスミスの曲と売れ線をしっかりと作る外部ライターの共作になるワケだからロックっぽいに決まってるけど、妙にキャッチーでもあるっつう…、それがヒットした秘訣の一つでもあるし、更に「Dream On」の二の舞いとばかりに「Angel」があったのも要素か。当時仲間とこの「Angel」って情けない歌がまたしょうもなくってなぁ…なんて話してた事を思い出した(笑)。小奇麗にロックするとこうなるんだよな、っていう代表作でもあるが、ファン的にはちょいと複雑な部分がある作品。エアロスミスであってエアロスミスでない…、でも、それでこの後25年生き延びるんだから良かったんだろう。
簡潔に書くと、引っ掛かる所がまるでないアルバムです。売れたからヒット曲を知っている、だから耳に残る名盤という捉え方もあるだろうけど、昔のエアロスミス的な引っ掛かりはまるで皆無な商業アルバム。切り捨ててはいません、それもありで今のエアロスミスだし嫌いじゃないしロックショウとしては必要だから。更に言えば昔の曲だってしっかりかっこ良くやってくれてるしね。ただ、ロック的に書けば魂売ったからなぁ(笑)。そこがちょいと、っていう割り切りが出来るか出来ないかだね。作品として聴く分には完璧です、ある意味。ただエアロじゃなくても良いんじゃない、これ、ボン・ジョヴィでも同じの出来たでしょ?くらいか(笑)。いえいえ…、だからほとんど聴いてないアルバムです…。
SMJ (2011-11-23)
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