Metallica - Kill 'em All

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Metallica - Kill 'em All (1983)
Kill 'em All

 自分の琴線に響く、ってホント、何だかわからん。誰かの何かの発言だったり音を聴いたり映画を見たり情景が浮かんだり夢を見たり単語を見かけたりととにかく何でもありうる。んで、こないだ某ブロガーさんのサイトで素晴らしいライブレビューが出ていて、いつもながら気合が入ったレポだな~なんて思ってたんだけど読んでるウチにどんどんと惹き込まれていってしまって仕舞いには「コリャ、自分も聴かなきゃ」って思った次第(笑)。まぁ、コチラなんですけどね→「重金属と共にあらんことを」。それで、響いたのはメタリカ。他のレビューもよく書いてるな~聴いてるな~とは思うけどメタリカの気合に比べたら100万分の1くらいだもん。メタリカってもう30年選手だし、そもそもあの音で30年?今でもか、大変だな、と妙に気を遣っちゃったりするが、そんな事はどうでも良いワケで…。

 1983年のメタリカのファーストアルバム、もちろん自主制作盤の方の「Kill 'em All 」だ。コイツを聴きながら昔話をひとつ…。まぁ、この時代、表側はポップス大全盛期でバブリーで何もかもがキラキラと輝いていた時代、今でもBack To 80sとか言われるくらいだからその綺羅びやかさは突出していたんだろうと思うし、実際自分が振り返ってみても世の中すべてがハッピーだった感じだもん。音楽チャートでも第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンと言われたくらい英国ポップス全盛期、いわゆる80sですな。ちょっと斜に構えてロック的に見てもLAメタル前夜でもあるしジューダスやヴァン・ヘイレンが台頭してきてクワイエット・ライオットが売れたことでメタルが市民権を獲得し始めてモトリーが暗黒をイメージにして出て来た頃。映画ではフラッシュダンスとかフットルースとか青春真っ只中モノばかり、マドンナがまだまだ可愛かった時期だ。その頃既にロック野郎の一端になりかかってた自分はもちろん80sの波にしっかりと呑まれつつ、ちょいとヒネた連中のおかげでダークな世界も聴くことになってた。その時にメタリカっつうバンドの「Kill 'em All 」に出会っている。NWOBHMの波など知らなかったのでメタリカの「Kill 'em All 」を最初にカセットテープで聴かせてもらった時、とてもじゃないが聴けなかった。当時はスラッシュメタルって言葉はなかったからとにかく表にいるヘヴィーメタルの音とは全然違った、もっと攻撃的で粗雑でグリグリしてうるさい重金属音でドスの聴いた怖いサウンドだったという印象。全然聴けなくて…それでもMetal+America的なバンド名のMetallicaってのは何か凄い…ってのが頭の中にインプットされていた。まぁスレイヤーなんかもっと聴けなかったしアンスラックスはまだ聞けたけどワケ分からなかった。その頃はまだまだ他に聴くべき音があるってことでそれはそれで色々な音を聴いてギターを弾いてバンドやって…となるワケだが、数年後に昔の仲間とバンドやろうって話になってそいつの家に行くとまたメタリカだ。いや~、これはな~みたいな話だったんだが、そこでもまた聞かされる。やっぱりダメだったんだけど、またしても頭の中にインプットされるワケ。その後、深夜のテレビ番組で衝撃的なPVを見るんだよ…そう、「One」ね。メタリカなんだ…と。それでもすぐには飛びつけなかったけど、まぁ、時間と共に事ある毎になんとなく…聴いてはいたがじっくりと腰を据えて聴いたのはなかった。

 このブログを始めてからかな~、ちょっと本腰入れて聴くようになったのは。でも、結構適当なんでアルバム全部でどんだけ出てるとかきちんと把握しないままあるものを聴いてて…、今回ちょっと真面目にキチンと聴こうと思って調べてみると意外なことに活動年数に比べて圧倒的にアルバムの枚数が少ないことに気づいた。何で?別に良いけど、メタリカファンって結構待ちくたびれた感強かったんだろうな~とか。多分時勢に合わせてアルバムリリースするペースを図ってたのかなとも思ったが。

 それはともかくとしてこの「Kill 'em All 」、昔はもう全然聴けなかったのに今は普通にハードなメタルじゃないか、って程度で普通に聴けるんだから面白いものだ。そして使い尽くされた言葉ではあろうがメタリカの最高傑作だろう。今回全アルバムを通して聴いてて一番異質…ってか勢いとかジャンルに囚われない音が出ていたっつうかそれでいてメタリカらしいとも言える独自性と攻撃性で、そりゃ突っ込みどころは満載だけど勢いが全てを飲み込んでいるから何も言うまい、ってとこ。もうちょっと大人の耳と言うかメタルな耳が早期に養われていたら確実に青春のバンドになっていたような気もするが、それはそれ、コレで燃えた人多かったんだろうな~。普通のロックとか軽いメタルポップじゃ満足出来ない本物の…と言うか飾らない重金属をそのままぶつけてきた男臭い音なだけにウソが無くて信者が多いのもわかる。なるほど…。

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フレ
Posted byフレ

Comments 5

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kazz_asai  
見果てぬ夢

このアルバムが出たとき――自分はOZZYやANVIL等に夢中だった頃です。
しかしSLAYERとMETALLICAの登場によって世界は一変しました。
そして「Kill'em All」と「Show No Mercy」は、爾来およそ10年にわたって最も愛した作品の筆頭格です。
それまで知っていたHMの概念を覆す、耳をつんざく叫びと鼓膜を突き刺す刺々しいギターリフ。
何から何まで私の心の中を侵蝕し、それはまさに中毒。
BURRN!に掲載されるスラッシュメタルの情報を漁り、輸入盤店に日参して少しでも過激なバンドの情報を求めていました。
そして30年。いまや、あの若き破壊神の姿はもはやありません。
しかしその神籟に魅せられた私は、いまだに「Hit The Light」のフェードインなしでは生きていけない身と成り果ててしまいました。
そしていつかSlayerと共に、スラッシュメタルの覇王の名に恥じぬ作品を再び創造してくれることを祈っています。

2013/08/17 (Sat) 20:19 | EDIT | REPLY |   
デューク中島  
これは名作

荒削りな疾走感がたまりません。Am I evil? のカバーも良いしね。本家ダイヤモンド・ヘッドの ライブバージョンは、結構いいんです。私も かなりのスラッシュ メタル コレクターだったんですが、残念ながら 兄が 邪魔だと 無断で捨ててしまったので、メジャーからマイナー迄 全滅です(涙)。

2013/08/17 (Sat) 21:55 | EDIT | REPLY |   
フレ  
スラッシュメタル創世期

>kazz_asaiさん
あの頃に飛び付いた感性は正に浅井さんの今後を物語ってますね(笑)。ホント、「うるさい!」と言いたくなる音でしたからねぇ…。今の時代のメタルでは計り知れないパワーがあったということでしょう。これから彼らがあの世界を再度創造する…、大変だろうなぁ〜。

>デューク中島さん
やっぱりメタル好きは家族には嫌われますな(笑)。特に理解の得られなかった時代は…。

2013/08/20 (Tue) 06:29 | EDIT | REPLY |   
いが  

このアルバムをリアルタイムで経験なさっているとは羨ましい限りです。
僕が20年後30年後「リアルタイムで聴いていた」と自慢できるのはいったい何なのか・・・笑

僕も最近このアルバムを改めてレビュー書きました。よろしければ是非。
http://igatk.blog.fc2.com/blog-entry-353.html

2015/11/25 (Wed) 16:52 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>いがさん

自分もZeppelinとかリアル体験な人のことをとっても羨ましく思ってましたので似たようなもんかな。
きっと年取ると何かしら出て来ると思います♪

2015/12/01 (Tue) 20:07 | EDIT | REPLY |   

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