Orchid - Mouths of Madness

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Orchid - Mouths of Madness (2013)
Mouths of Madness

 ヴィンテージロックとでもカテゴライズされている70年代風味なバンドの現代版の数々だが、それが面白い事に70年代のドイツのバンドと同じようにドゥーミーでサイケ、サバスやヒープ系の暗黒面からの影響下ばかりがクローズアップされているのだから世も末だ。言い換えるならばドイツに遅れること40年、ようやく世界各国にその波が来たか、とでも言うべきかも。やってることも音もヘタしたらテクニックもそんなに変わらんだろうし…、ってそれはそれである意味凄いけど、どうしたってオリジナルなモチーフがあるワケだからなぁ…。

 カリフォルニアから出て来たOrchidというバンドのセカンドアルバム「Mouths of Madness」が何となく話題になってて…ってもどこでだ?って話だが、いや、自分のコレクションフォルダーの中にいつしか入っているじゃないか、って事でしてね…恐るべしこの某コレクションシリーズとしか言いようがない。正に自分の好みを予見して加えてくれているとしか思えない。そのOrchidなるバンド、とてもカリフォルニアとは思えない、ブラック・サバスの生き写しだ、と称賛ばかりが目に付くが、そんな予備知識なしに聴くと、ただ単にダサいアメリカのちょっとヘヴィーなバンドというところか。ただやっぱり古臭い音をモチーフにしているなってのはある。音だって別にサバス的なだけとは言えないと思うんだよなぁ、これ。どっちかっつうとBlue Cheer直系的な感じが強いが…、それじゃ面白く無いからそういうキャッチコピーなんだろうか。しかし、この古臭い音の作り方は今時は簡単に出来るんだろう。フレーズ自体はそこまで古臭くないけど、レコーディング手法が古臭い感じなのでヴィンテージ的雰囲気はキチンと出してる。しかし、このPV見たら誰でもサバスと思うわな。

 う〜ん、何だろ?どっか響かない。音はヘヴィーでダークでルックスも強烈でも軽いんだよ。軽いってのもおかしな話だけど、何か重さが染み入って来ないと言うのか…、そこがやはりアメリカ産なんだろうか?今時そんなに差が出るとは思わないけど、やっぱりあるんだな、そういうの。もしかしたらドッタンバッタンの生々しい音空間が再現できていないからか?まぁ、この手の音としては売れやすい感じはするが、ちともうちょい、ってトコだった。





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フレ
Posted byフレ

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kazz_asai  
Sabbath狂への慈雨

Black Sabbathといっても1stの頃と「Technical Ecstasy」時代は、もう全く別の存在といっても過言ではありません。
たいていのBlack Sabbath指向バンドはまず「Sweet Leaf 」などに代表される、あの重いリフと暗さを出せれば良しと思っている感じを受けるのですが、このOrchidはSabbath初期、とりわけ1stのムードを完璧に再現しているのが、私にとっては特別に映ります。
もともとSabbathの1st自体が、ジャズ、ブルース、そしてCream譲りの大音量サウンドが絶妙な感覚でブレンドされた音で、「Paranoid」以降とは明らかに違うものです。Orchidはその領域に踏み込んでいるということで、世に溢れているドゥームメタルバンドとは一味違う存在に私には思えます…まあ多分私の贔屓目ですね(笑)

2013/08/05 (Mon) 20:30 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>kazz_asaiさん

いや〜明らかにドゥームメタル系とは一線も二線も画しているバンドでしょう。その括りでは勿体無い(笑)。確かにサバスの最初期狙いでまだどこのジャンルにも行けそうな幅は感じるんですが、さて、と言ったところですかね。あのリズムを意識するとかなりワンパターンに引っ張られるので、どう進むかが楽しみです。
ちなみに辛口に書いてますが、激励と御解釈下さい(笑)。いや、もちょっとだけ音を重くしてほしかった…。十分重いんだけど。

2013/08/05 (Mon) 20:52 | EDIT | REPLY |   
クリタカ  
5回試聴しましたが、ヤミツキです!

 ヴォーカルのズルズル感は好き嫌いはあると思いますが超個性的。演奏陣はギターにしろドラムにしろとても歯切れがいいし、各楽器も音の分離がきわめて良好で聴きやすいですね。たぶんフレさんが「何か軽い」と感じられたのはそんなトコが原因ではないでしょうか?私はこのキレがあって、コクもある音は大好きですが人それぞれ嗜好が微妙にちがいますもんね。もう少しモコモコしてる部分があってもいいとは思いますが。
 ZEPの様にプラントとペイジがフロントに並立、すぐ後ろにボーナム、そのバスドラの陰にジョンジー...というスタイルではなく、フロント中央にシンガー、その両脇に一歩後ろに下がったベースとギター、一番後ろにドラムス・・・このステージ上のポジションこそ4ピースバンドの理想系ではないしょうか。サウンドとともにカッコ良過ぎて死んじゃいます(笑)。
 
 

2013/08/07 (Wed) 14:59 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>クリタカさん

あぁそうかもなぁ…「歯切れが良い」ってのは軽さがでる、ってことかもしれないですもんね。
しかし今の時代にコレは面白いバンドが出てくるもんです。

2013/08/11 (Sun) 09:55 | EDIT | REPLY |   

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