Kadavar - Abra Kadavar

とあるバンドから次なるバンドへのハシゴをして多々聴いていく…そんな新規開拓をするようになって、瞬間的な耳の良さが鍛わったかも。なんせ、そんなに長々と聴かないウチに自分の中で、コレ面白いかも、とかダメだこれ、って切り捨てたりってのをするワケだから。もちろん外れる事もあるけど大抵合ってる、だろう。まぁ、偏見とかもあるし、新規開拓ってホントに前情報なしにひた進みしていく事も多いからそんな即感性ってのが重要になる。ま、重要になる、って言うか、本能的に感じないとロックなんてダメなんだから多分みんなそうやって何かしらのフックで聴くようになってるし。さてさて、そんな中、聴いた瞬間コンマ何秒のウチに気に入ったバンドの一つでもあるKadavarを取り上げられるのは嬉しい。
ドイツはベルリン出身のKadavarというバンドのファーストアルバム「Abra Kadavar」、2013年リリースのファーストアルバムです。そう、2013年です、このナリで。更に驚くなかれ、聴いてみると更に「?」となる。何と言っても音作りどころか曲構成やフレーズとかもう全てが70年代のドイツのB級ハードロックなワケ。つまりそれはBlack SabbathやUriah Heepに影響を受けたBirth ControlやGiftなどなどと言った連中と同じスタンス同じレベル感、同じ時代感覚で自身達のスタイルを打ち出している。そこにBudgieの攻撃性を若干加え、そしてブルースをもう少し深く取り入れた…その辺はジミヘンを入れてるのかもしれんな…とフレーズを聴いてて思うが、とにかくそんなバンドの音だから悪いはずがない。ちょっと前にオーストラリアからWolfmotherが出て来て同じようにメジャーバンドの模倣が楽しめたが、このKadavarはもっとマイナー系の楽しみが味わえるから堪らない。某コレクションからはこのバンドの名前を聴いてないけど、多分絶対…いや確実に名前が刻まれているハズだ。とにかくダサいんだよ。こんなにダサいのが今の時代に出て来てしかも少なくとも自分の耳に触れるくらいにはシーンに出て来てくれているってのは嬉しい。次作に期待は出来ないが、いや、いいんだ、この路線で楽しませてくれ。出来れば次は15分くらいのアドリブトラックも入れて時代を超越した音を出してきてほしい。
真面目に書くと、ベルリン出身の若者達のトリオ編成のバンドで、ハードロック一辺倒な音。ボーカルはかなりハイトーンながら、メロディはほとんど聴かれないから、そういう意味ではBudgie的なスタイルのボーカル。言うほどBlack Sabbath的な音ではなくてもっとソリッドか。オドロオドロしたってのはほとんどなくてトリオならではの各楽器の主張をガンガンとぶつけ合うタイプのバンド。ベースの音がこれまた恐ろしく古臭い…いやベースだけじゃないか。あとね、フレーズの組み立て方が例えば低音リフからオクターブ上げた高音域で同じリフを弾くとか、40年くらい前に皆がやってたフレーズの使い方とだったり、ボーカルとユニゾンのギターだったり…、それで8ビートで刻むギターなんてもう、いつからコレ聴いてたっけ?ってくらい。最高。そしてこの面構え。
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