Anathema - Eternity

2 Comments
Anathema - Eternity (1996)
Eternity (Dig)
 バンド名だけは何となく聞いたこともあったけど通ることはなかったよな〜、と思いながらAnathemaの作品を漁ってみる。ポーランドのプログレハード系統で聴ける陰鬱さとは異なるが大英帝国のロックには根本的にその湿り気が大量に含まれているのは当然のことなので本場のその辺りのロックはどうなんかな〜って。その辺も興味あったんだけど、何故かややジャンルが異なる方向に進んでしまった。ちょっと前にゴシック・メタルに傾いたことがあって、やっぱりお嬢様の歌に限る、と超限定的に聴いていたこともあって、それはそれで楽しく今でも自分の中で残っているバンドもある。そこから新しい扉が開けたのだが、ゴシック・メタルってことで聴いたらデスボイス系でダメ〜とか、男のナルシスト系はイマイチな〜って思ってて、Paradise Lostあたりは凄いなとは思ったけど、やっぱり聞く回数が少ない。それであまり男声のゴシック・メタルって聴かなかった。今回のAnathemaは正にその世界…ただParadise Lostと双璧をなすバンドと言われているので、大丈夫かな…と。

 驚くことに1996年にリリースされていた3枚目のアルバム「Eternity」なんてのに手を出してみた…のは、近年の作品だとかなり作風が変わっていて本来の音世界ではなさそうだったからです。やっぱりバンドってのは初期が一番勢いあって面白いモンだし、時と共に色々なテクニックが付いちゃうからさ、やっぱ初期は面白いのが多いんです、バンドの本質を聴くには。

 ってことで「Eternity」初挑戦してみました。へぇ〜、ゴシック・メタルって程ゴシックじゃないけど、まぁ、自虐的耽美的ではあるか。歌がデスまで行かずに迫力のある低い歌声レベルなのは助かった。楽曲はやっぱり英国独特の重さとか荘厳さが堂々とあって、明らかに他国を威圧するサウンドとも言えるし、曲そのものもその世界をきちんと醸し出している見事な出来映え。ただ、どこもちょっと引っ掛からない、っつうか全体のレベルが高い所にあるから抜きん出て来ないとも言える。重厚感は凄くてSE的なお遊び…後に来るデジタルなお遊びも入ってきてて時代を考えてみればかなり面白い試みだってことに気づく。しかし…、これで売れたのかね?90年代にさ。でも病んだ90年代ではあったから結構人気を博したんだろうな。ちょっと…演劇仕立て過ぎる感じが自分には邪魔に感じたけど曲的にはさすがで。アルバム的には…こういうのもありかな、と。








関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 2

There are no comments yet.
kazz_asai  
初期の到達点

ANATHEMA、久々にライブラリーから取り出して聴きました。
いわゆるゴシックメタル色はどちらかというと稀薄で後のプログレ路線を感じさせる音ながら、メロデスと呼んでも差し支えないようなHMとしての硬質な部分を随所に秘めたこの3rdが、やっぱり私は一番好きです(全作品を聴いているわけではありませんが)。
この時期の黎明期ゴシックメタルバンドは、ほとんどがかつてのデスメタルからの派生という源流を放棄しました。PARADISE LOST然り、MY DYING BRIDE然り…結果としてどうしてもHM的視点においては埋没してしまう傾向が強いですが、いま一度初心に還って「Gothic」「Turn LooseThe Swans」そして「Eternity」のような作品を世に送ってほしいと思います。

2013/07/28 (Sun) 20:38 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>kazz_asaiさん

それなりに需要があると思いたいゴシック・メタルなんですけど、進化しようがなかったのかもしれないですね。それでも名盤は数あるんだから正統派ゴシック・メタルバンドってのもいても良いんですが…。

2013/07/29 (Mon) 22:10 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply