Riverside - Out of Myself

こないだ新作の「Shrine of New Generation Slaves」を適当〜に書いたばかりだからオミットしとこうかな〜とも思ったけど、これまで色々とポーランド産の陰鬱系なバンドを聴いてきて、そりゃどれも聞き所あるワケだし、なるほどという新発見も多かったんで良かったんだけど、それらを聴いた上で再度Riversideを聴き直してみようか、という試みをしてみたくてちょっと真面目に聴いてみた…聴いてみた、ってのはスタジオ・アルバム5枚を立て続けに、って感じでして(笑)。その他にEP曲が幾つもあるみたいでマトモに取り合ってたら結構大変なことになるんだよな、ここ最近のバンドってのは。あ、それとライブもあるか…DVDがまだ見れてないんだけど、そのウチ。
2004年9月にアルバムが出てるのか…、その前からシングルで出て来てはいたみたいだからそれでもつい最近の話だな…。ともすればウチのブログが2005年頃から始まってるんだからそれを同じようなキャリアなワケですな。いや、何の比較にもならないんですけど(笑)。2004年9月にリリースされたデビュー・アルバム「Out of Myself」がね、バンドの本質をすべて物語っている気がします。ここから進んでないとも言えるし、深くなっていったとも言える。簡単に言えば今のところどのアルバム聴いてもRiversideってバンドに裏切られることはなくハマる人はどれでもハマれるんじゃないかと。それでも、リアルタイムで「Out of Myself」を耳にした方々は本作「Out of Myself」への思い入れもあってか一番の作品として挙げることが多いらしい。そりゃ、実体験の思い入れをプラスされちゃ敵わんぜよ。昔のバンドのリアルタイムが羨ましいだけではなく、新しいバンドに対してもリアルタイムを羨ましがるなんてことがあるとは思わなかったな。これからも起こりえる現象だからやっぱり色々と情報源はチェックしなければいけない。
その「Out of Myself」が凄いのはデビューアルバムの一曲目冒頭から12分の大作で始まるってことだ。試聴して歌が出てくるまで待てない人は絶対買わないだろうと思う(笑)。全然出てこないしさ。そしてこの大作「The Same River」がアルバムの目玉…なんだが、それだけじゃないんだよな…全部が目玉なんです。捨て曲なし…「Loose Heart」のギターソロの入りなんてPink Floydの「Shine On You Crazy Diamond」だもん。そんなリスペクトも入りながら完全なるオリジナリティを確立していて…よくOpethやら何やらとかって言われるんだけど自分的にはそっちを知らないからRiversideそのもののオリジナリティにしか聞こえない。何が好きって、このギターのトーン、音、だと思う。悲しいかな古いレスポールやストラトなどでは絶対に出ない音で、その分良い音なんてのはあまりないんだが、本作「Out of Myself」どころかどのアルバムでもグッと来るトーンを持ってくるんだよな。写真とかPV見てても何かよくわかんないギター使ってるんで理解不能なんだけどさ、歪んでても歪み方が上品でエッジ立ってるから引っ掛かるし、ソロ時のトーンはレスポールのフロントマイルドトーンと同じ使い方なんだろうけどもっと近代的で割とエロくて良い感じ。そこにメロトロンやらアコギやらと絡むし、ベースラインは一筋縄ではいかない歌うベーシストのクセに妙に図太く重いし…、メタルからの派生とかじゃ括れないんじゃないかな。
「Out of Myself」はバンドもデビューに当って相当作り込んでいるだろうし、テクニック面でも鍛え込んだだろうし、その成果が音にすべて表れていて快作としか言い様がない。叙情性から繊細さ、根底にはやはり重いポーランドの空気感、表面にはエッジの立ったダークなメタリックサウンドが乗っかっているもののリズミカルに、ともすればミニマルサウンドのように延々と繰り返されるリフレインがあったりする中、やっぱり花形のギターが素晴らしいトーンで変拍子を物ともせずに弾きまくる。リズムは変りソロプレイは交互に繰り広げられ、最後まで息つく間もなくハイテンションで攻め立ててくる…それも自虐的に…「Reality Dream II」なんぞは最高だ。後に続く楽曲のアコースティック調が美しく、その対比的使い方並べ方も見事。まさにPink Floyd的と言えるだろうか。当分はポーランドバンド三昧になっている自分が容易に想像付く週末なのであった…。
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