Gentle Giant - Three Friends

近年のプログレと呼ばれる類のバンドはもちろんテクニックも素晴らしいしセンスも抜群なのだが、どうにも冷酷・冷淡な感じがしてしまうのでそういうバンドの方が好まれる、人気があるからだろうか。古いプログレバンドを聴いているとものすごく温かみを感じるバンドが多くって、それはユーロ・ロックでも同じ感じなのだが、昨今の北欧プログレバンドはどうもそのヘンが異なる。それはそれで味があるんだけど、そういう見方で聴くと英国ロックは特殊なことに気づく。しかし今の英国ロックからはその系統のプログレバンドは出てこないだろうし、いないと思う。プログレバンドはあるだろうが、それはどちらかというと北欧的なスタイルに近い…っても元々はクリムゾンの派生なのだろうけど、そんな冷酷感が強いバンドだ。まぁ、今更70年代と同じような温かみを持ったプログレバンドが必要かと言われるとそれは全くないだろうから出てくる必要性はまるでないのだろうな。
さて、そんな70年代プログレを散々聴いている時に全然取っ付けなかったバンドのひとつだったジェントル・ジャイアント。今回は1972年にリリースされた傑作と誉れ高い3枚目にして初のコンセプトアルバム「Three Friends」などを…。少しでもジェントル・ジャイアントに慣れるために情報を仕入れる。「Three Friends」は三人の友人達のアルバムだ。仲良し3人組が別の道を歩み、それぞれの人生を一曲づつ語る、そして最後には皆がまた一緒になって幸せ幸せ、と言うような話らしい。面白いのはそれだけの情報でも知っておくとそんな雰囲気なんだな、ってことを意識して曲を聞けるし、そんな雰囲気の曲だな…って感じられるくらいにハイレベルな楽曲を味わえる。もちろんそこに興味を持たないでアルバムとして聴いても、この起承転結、ドラマ仕立ての楽曲構成に超絶テクニックによるバンドの演奏のどれも楽しむことができるので、それはそれで良いのだろう。ただ、音だけ聴いてるとちょっと自分は苦手だな〜って思っちゃうので、ストーリーがある「Three Friends」はまだ聴きやすいし取っ付き易い。それでも苦手だけどね。
とんでもない楽曲とベースやら曲構成…かと言って難解なプログレかと言われるとそんなこともなく、しっかりと曲が流れていくので何らおかしくはないし、自然。ドラマにあった楽曲を奏でているところがやっぱり凄いな〜って思う。情景が目に浮かぶような音と楽器を使い、そこに曲調も伴っているという自然な展開は凄い。ただ、凄すぎる。
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