Yes - Going for the One

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Yes - Going for the One (1977)
Going for the One

 最近ようやく気づいてきたことなのだが、古い耳を持つリスナーってさ、聴くもの無くなってきてるよね?発掘音源とかライブとか色々ソース出るからそれらを聴いているとは思うんだが、どうしても足りない気がしないか?という感じ。そんなに彼らのサウンドが五臓六腑に染み渡っているワケでもないけど、やっぱりわかってる世界だから、って意味でもう十分なんだよな。かと言って新しい世界に踏み出してまたあの新鮮な刺激を得られるかと言うと、もちろんそこまでの刺激はなかなか得られないことが多く、そうして言うんだ…「昔はロック聴いてたなぁ…」と。うん、好きで聴いてるんだから今でも好きで良いさ。ただ、ちょいと飽きてくるけど、やってる側も同じで、だからこそ再結成や新作なんてのを出してくれるんだが、概ねロックと言うよりもミュージシャン風情な作品が多くなる。そりゃそうだ。何書きたかったんだっけな…、刺激を求めなくなったら終わりじゃね?ってことか(笑)。

 1977年…パンク全盛期な英国、ダンスミュージック全盛期な米国、そんな時代に往年のプログレバンドが往年のメンバーでリリースした会心作「Going for the One」だ。上述のような音楽を聴く輩とはファン層が異なるから当然ながらそれなりの評価を受けていただろうし、今でも高評価なアルバムだが、自分にはそもそもイエスって苦手だったのと時代背景からした時にどうもしっくりこない作品だった。今思えばそれはこの後に歩むイエスの道のりの前兆とも言える曲調が多かったからかもしれない。そう、ポップ的と言うか売れ線的と言うかそんな曲調が散りばめられていたから。ただ、これ、リリース当初はかなり斬新なイエスの作品に映ったんじゃないかな。イエスらしいけどイエスらしくなくって個々のプレイヤーが思い切り個性を発揮しているって感じだし。ハウもウェイクマンも…、スクワイアもアンダーソンも。

 何かちょっと本気なプログレを聴きたくなってイエスを引っ張り出してきたんだけど何がプログレかわからなくなってきた。そう思うと近年の色々なバンドが奏でている音の方がよほどプログレじゃないか?とか思うワケです。だからと言って「Going for the One」の面白さは変わらないのだろうが、ハウのスライド・ギター?そして特異のスパニッシュかと思えばウェイクマンの天才的なピアノとの共演、スクワイアは相変わらずの自己主張でグイグイと、そして聞こえないくらいの高音によるアンダーソンの歌声、これが自分はダメなんだが(笑)、聞こえないから良しとして、何か凄い。ただ、ヒプノシスのジャケットが似合わない。イエスはやっぱロジャー・ディーンが似合う。しかしこのリズムはイエス独特だな…と安心する部分もある。




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フレ
Posted byフレ

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クリタカ  
ジャケはヒプノシスでもロゴはロジャーディーン?

 苦手といいながらも鋭い考察。モヤモヤしていたのがスッキリしたような感じです、さすが!
この作品を好んで聴いてる方もいらっしゃると思いますが、個人的には彼等の全キャリア中でもケツから何番目という盤ですね。少なくとも「ドラマ」よりずう~っと下です(笑)。ホントもう何がプログレやら解らないです。
 それぞれの楽器が好き勝手になってそのうち終わってしまうという印象の「究極」。ロジャー・ディーンの作ったバンドロゴを懐かしげに見上げる裸の男性のジャケ。「あぁ~あの頃は良かったなぁ」といってる風でこの当時のYESを象徴しているようです。

2013/06/19 (Wed) 23:41 | EDIT | REPLY |   
kazz_asai  
黄金期の終焉

「究極」はそれまで後追いだった私が、初めてリアルタイムでYESを聴いた作品です。
それまでYESといえば、長大な曲と計算されきったような一糸乱れぬ演奏で、自分の中ではプログレ四天王の中でも最も敷居が高い存在でした。一番好きだったのはクリムゾン、次はEL&P。フロイドは聴いてはいたものの今ひとつ夢中になれませんでした。ちなみにクリムゾン、EL&P、イエスはワーナー、フロイドはソニーで、その頃フィリップスのジェネシスはマイナーバンドで5大バンドという概念はまだありません。
閑話休題。で、この「究極」、YESがずいぶん下界のフィールドに降りてきたなと感じたのが正直な感想。もちろん私はもう高校生で、タンジェリン・ドリームやPFMあたりの上級コース(?)に進んでいたことの方が大きかったのでしょうが…その2年前に「危機」や「海洋地形学」に取り組んでいた頃からすると、はぐらかされたような感じ。そして結局「トーマト」は買わぬまま、プログレというジャンルそのものからも遠ざかることとなりました。

2013/06/20 (Thu) 01:07 | EDIT | REPLY |   
風呂井戸  
面白いと言えば面白しろかったんですが・・・

 イエスですか・・・・、リアルタイムに聴いてはきたんですが、私の場合は(あくまでも私の場合です)とうしても当時はメジャーなものしか聴けなかったもので、その中でも代表的なところでフロイド、クリムゾン、ELPなどの後でしたね。私もアンダーソンはどうも・・・というところで。
 振り返ってみると、トレバー・ラビンのポップなほうが面白かったし、末期のやけくそ8人イエスは豪華で笑っちゃいました(叱られそうかな)・・・でもあれはあれでライブなどでは、なんとなくバトル感があって楽しめましたが・・・。
 「going for the one」は、彼らの代表作としては、あまり取り上げられないのですが、むしろ中身はあると思いますが・・。

2013/06/20 (Thu) 09:16 | EDIT | REPLY |   
フレ  
斜に構えたリスナーばかりで面白い

>クリタカさん
「ドラマ」よりもず〜っと下、ってのが笑えました。
そしてジャケットの「象徴」の意味合いにも納得…、なるほど、と。
確かにそれはあるんだろうな〜、なんて。

>kazz_asaiさん
5大バンドの概念はなかなかおもしろいですね。
自分なんかはもっと極端で、クリムゾン、フロイド>>>>>>>その他です(笑)。
そして本作の印象と以降のアプローチには妙に納得。
もっと素直にハードなものに進んだ経緯が読み取れて面白いです。

>風呂井戸さん
どうにもここにコメント頂く方は自分と嗜好が重なる方が多いので、皆さんがイエスか…と唸るところが面白いです。多分、世間的に皆少数派だと思いますが(笑)。
8人イエスは…、曲は面白かったけど何でもアリ、でしたからねぇ〜。

2013/06/20 (Thu) 19:40 | EDIT | REPLY |   

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