King Crimson - Power to Believe

暗くドゥーミーで重くそして激しくハマり込める音って出せるバンドはそうそう多くはないよな、と。ブラック・サバスに影響を受けたバンドなんてのを幾つか聴いてみたんだけど、どうにも自分の趣味とは違うらしく響かないのでどうしたもんかなと思っていたトコロにふと思い付いたキング・クリムゾンの近作あたり。別にドゥーミーなワケじゃないけど重くて暗くてヘヴィなので何かどこか共通点があった、んだよ、自分には(笑)。それでさ、古くからのキング・クリムゾンってのはもう語り尽くされているし自分もどっちかと言えば70年代クリムゾンで止まってたタイプなのだが、何気に90年代クリムゾンもちまちま聴いていて好きなんだよね。ただ、古いのほど追求して聴いていなかったし、途中からはメンバーがどうのとかアルバムがワケわからんくなってたから追いかけ切れてなくて単発聴きばかり。それでも印象に残るものは多かったんで…。
2003年にリリースされたキング・クリムゾンの今のところの最新作、っつうか最終作とも言えるか…「Power to Believe」というアルバム。もう10年前の作品なんだな、これ。それでいてこの破壊力、やっぱり凄いバンドだ。70年代クリムゾン好きな人ならいくつかの曲は気に入るんじゃないだろうかと思うが、ちょいと洗練されすぎているキライはあるか。タイトル曲「Power to Believe」は4種類のバージョンが入っている…とかは良しとして、強烈にバンドの楽器隊のぶつかり合いとスリリングな駆け引きが楽しくてその部分は70年代と変わらずの楽しみ。演奏レベルが格段に上がっているので更に高次元の世界で戦っているのがあって聴いていても恐ろしくなるほどのモンだ。一方で個人的には好きではないエイドリアン・ブリューが歌う軽いポップ曲がいくつか…、まぁ、わからんでもないけどテンションが落ちるんでねぇ…。味なんだろうけどさ。
それよりも圧倒的にぶっ飛ぶくらいのキメ迫力、超絶世界による重さと破壊力がカッコ良い。他のプログレバンドがどんどんと軽い方向に進んでいって時代の寵児となって死に絶えていったのとは正反対にプログレッシブの道をひたすらに突き進めたキング・クリムゾンの世界は結局ロックの世界では愛され重鎮入りし、時代を経ても刺激を放ち続けている。これこそがプログレッシブバンドの真髄、とも言えるのかもな。そんなことを思いながら聴く「Power to Believe」と言うアルバム、歌さえなきゃな…と思うのも珍しい(笑)。しかしこんなん弾けるもんかね?とその演奏力にはただただひれ伏すのみ、さらにバンドでそれをやっていることにもただただ驚愕。時代を経てバンドはどんどんと向上していくものなのだな。
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