Jacula - Tardo Pede in Magiam Versus

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Jacula - Tardo Pede in Magiam Versus (1973)
Tardo Pede in Magiam Versus

 相変わらず色々な方面で人間の裏切りという所業を聞くことが多いので辟易してきた最近ではあるが、まぁ、そんなことはさすがに当たり前の一幕でもあるかなとさほど凹むこともなく淡々とロック…、ってもなかなかイヤになるな~と。ココはグチる場所じゃないからあんまり書くのもアレだが、人間ってのはそういうトコもあるって話。ちょいとここ最近悪魔的なモンを聴いてるから余計にそういう事が起こりえるのか?などと関連性のないことを考えたりするが、その流れで更に進んでみようかと自虐的に(笑)。

 Jacula=ヤクラと読むらしいがイタリアの1973年のアルバム「Tardo Pede in Magiam Versus」なんてのを聴いてみる。俗世間的にはイタリアン・プログレの一端と言われているのだが、コレはプログレではない、明らかに。どうしてイタリアンロックに入ってくるのかすら不思議な作品だし、そんな風評に騙されて聴いてみたんだが人の言うことはアテにならないのでやはり自分の耳で確かめるべきですね。かと言って本作「Tardo Pede in Magiam Versus」に否定的なワケじゃないです。どちらかと言えば好みですらあります(笑)。何故か?エロチックな女性の歌声が堪らなく素晴らしく、妖しく官能的にチャーチオルガンをバックに囁いてくれるからだ。ここにはドラムも歪んだギターももしかしたらベースすらほとんど出てこない。オルガンとチェンバロなどと効果音とこの妖しい女性の歌声で成り立っているのだ。

 邦題が「サバトの宴」だからさ(笑)。凄いよ。正にそのままの雰囲気を音でしっかり出している…出しているってか、これ音楽とか歌とかじゃなくて宴の実況録音盤みたいなもんじゃないのか?だから恐ろしく怖い雰囲気ある。映画とかで見るあのサバトの宴とか、そんな感じ。フルートすらも怖く聴こえるしなぁ。呪文ってこういうの言うんだろう。そんなアルバムで、驚くことにそれなりに名を成したアルバムとして語られているし、更に2011年頃に再結成して新作「Pre Viam」を出している…どんなんだろ?また、こんな怖い音なんだろうか?悪魔メタルとかホラーサウンドとか言ってる方が余程可愛らしいとすら思う。

 「サバトの宴」…怖いです。




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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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風呂井戸  
70年代の恐怖とプログレ

 フレさんの幅の広さには参りますね。このアルバムこそ私は当時欲しくて欲しくてしょうがなかったもの。イタリア・プログレを好む仲間から入手したカセット・テープに入れられたものを最初聴いていたのです。
 イタリア・プログレといっても異色作、”墓場で骨を嚼む死に神”のオルガンの響きと、作曲・編曲のアントニオ・バルトチェッティの作り出す異様な音の世界は、如何にも不思議な恐怖を呼ぶ女性(FIAMMA)の唄とスキャットと語りに近いあの声をもってして、圧倒されたものです。
 当時から90年代まで、フォーラものとプログレの関係って結構近いものとして扱われてました。フォーラものって優しく美しい旋律が流れるところとその裏に感ずる緊張感が、プログレと相通ずるところがあったからと言われてます。
 ちなみにCD時代になってMarqueeは、プログレの専門店としてのプライドで、この盤(MELLOW records)を国内盤CDでリリースしてくれました。

2013/06/03 (Mon) 23:48 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>風呂井戸さん

いや、偶然の出会いです、これ。イタリアン・プログレに分類された経緯ってのがよくわかりましたので助かります。確かにこの系統のバンドって概ねユーロロックに扱われていたし、他に行き場所なかったってのも事実でしょうし(笑)、それでもこういうのを名盤!って言うのはどうかとも思いますが、名盤ですな(笑)。旋律や雰囲気などプログレッシブな精神がプログレなんでしょう…普通じゃないし。ちょっとヤバい世界かな?と思いながら聴いてました。

2013/06/04 (Tue) 22:30 | EDIT | REPLY |   

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