Uriah Heep - Into The Wild
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Uriah Heep - Into The Wild (2011)

先日トレヴァー・ボルダーの訃報を聞いた。自分にとってそんなに思い入れがあるベーシストだったワケでもないが、ほんの少しだけ70年代の栄光が消え去った気がした。多分それはデヴィッド・ボウイの「Rise & Fall of Ziggy Stardust」というアルバムの輝きに参加しているメンバーだったからだと思う。訃報で最初に名前を聞いた時に思い付いたのはやはり「Rise & Fall of Ziggy Stardust」という作品だったからだ。トレヴァー・ボルダーと言えばSpiders From Marsという概念が強い。ところがキャリアで言えば圧倒的にUriah Heepに人生を捧げていた期間が長く、むしろトレヴァー・ボルダーと言えばミック・ボックスと共に今のユーライア・ヒープの看板でもあったワケだ。70年代好きなリスナーにはピンと来ないが、そういうもんだ。
という事もあって、多々考えたけどユーライア・ヒープの最新スタジオ・アルバム=恐らく今のところトレヴァー・ボルダー参加最後のスタジオ・アルバムにもなっているであろう2011年リリースの作品「Into The Wild」を聴いてみた。メンツはこの二人に加えてボーカルにはバーニー・ショウってことで…、あれ?どっかで聞いた名前…って思って、そっちが気になってしまったので調べてみると、Praying Mantisの最も不遇な時代にボーカルだった人だ。なるほど、そりゃ結構良いんじゃないの?みたいな印象もあって新作に取り組んでみると随分と元気の良いハードロックが流れてくるじゃないか。これぞ英国のハードロックスタンダードと言わんばかりの音で、かなり意外に感じたものだ。どこかもっともっさりしたレトロ感を引き摺っていて欲しかったってのもあったんだが、ここまで洗練された大英帝国ハードロックだとは思わなかった。侮ってはいけない…。
なんと言うのかな…、ハードロックバンドとしての作風で言えば現代でももちろん十分にアピールする疾走感あるハードロックスタイルで、叙情性にも溢れていて、キャリアが故に歌の巧さやバンドの音の上手さってのは文句なしにツボを得ているし、曲だってそりゃかなりのクォリティで聴かせてくれるのでアルバムとしてはかなり良作の部類のはず。聴いていても全然違和感ないし、その辺のレベルははっきりと違いが分かる音で、なるほどバンドメンバー替われどもユーライア・ヒープというバンドがずっと存続してきたはずだと納得させられる音を今でも出していたのだなと嬉しくもある。ところが反面、ユーライア・ヒープってどんなバンドなんだ?っていうのも出て来て…、それはケン・ヘンズレーのバンドだったからあの音だったけど、ミック・ボックス主導になったユーライア・ヒープってのはどんな個性がバンドの音なんだ?となるとやや弱い…弱いって言うか普通に、それこそPraying Mantisと似た系統の音にも聴こえるので、それはそれで良いのだが突出する部分は特に見当たらない。もちろんそれでも十分なので固定リスナーのために裏切らないアルバムをリリースしてくれているってことで満足すべきかもしれん。ただ、何か多くを期待してしまうからな〜(笑)。
そんな戯言はともかく、「Into The Wild」は意外なほど美しく今のユーライア・ヒープの姿を映し出してくれているアルバムだと思う。昔の名残である重厚コーラスワークやちょいとハモンド系の横ノリなども敢えて出してくれているし、それよりも確かにトレヴァー・ボルダーのベースラインがバンドをグイグイと引っ張っているのがユニーク。これは要にもなるな〜と思うくらいにミック・ボックスとの相性が良い。「Trail Of Diamonds」なんてのは見事に往年のユーライア・ヒープを出してくれているかな。そしてバーニー・ショウの歌声が気持ち良いんでなかなか快活なハードロックを聴かせてくれて良いな。バンド名の名残を気にせずに大英帝国ハードロックを楽しむなら今のユーライア・ヒープはかなり良い線にいる、と言うか他になかなかいない伝統をしっかりと打ち出している気がする。オールドファンにこそ聴いてもらいたい作品のひとつかも。あのもっさりしたサウンドはまるでなくって見事に洗練された音です。

先日トレヴァー・ボルダーの訃報を聞いた。自分にとってそんなに思い入れがあるベーシストだったワケでもないが、ほんの少しだけ70年代の栄光が消え去った気がした。多分それはデヴィッド・ボウイの「Rise & Fall of Ziggy Stardust」というアルバムの輝きに参加しているメンバーだったからだと思う。訃報で最初に名前を聞いた時に思い付いたのはやはり「Rise & Fall of Ziggy Stardust」という作品だったからだ。トレヴァー・ボルダーと言えばSpiders From Marsという概念が強い。ところがキャリアで言えば圧倒的にUriah Heepに人生を捧げていた期間が長く、むしろトレヴァー・ボルダーと言えばミック・ボックスと共に今のユーライア・ヒープの看板でもあったワケだ。70年代好きなリスナーにはピンと来ないが、そういうもんだ。
という事もあって、多々考えたけどユーライア・ヒープの最新スタジオ・アルバム=恐らく今のところトレヴァー・ボルダー参加最後のスタジオ・アルバムにもなっているであろう2011年リリースの作品「Into The Wild」を聴いてみた。メンツはこの二人に加えてボーカルにはバーニー・ショウってことで…、あれ?どっかで聞いた名前…って思って、そっちが気になってしまったので調べてみると、Praying Mantisの最も不遇な時代にボーカルだった人だ。なるほど、そりゃ結構良いんじゃないの?みたいな印象もあって新作に取り組んでみると随分と元気の良いハードロックが流れてくるじゃないか。これぞ英国のハードロックスタンダードと言わんばかりの音で、かなり意外に感じたものだ。どこかもっともっさりしたレトロ感を引き摺っていて欲しかったってのもあったんだが、ここまで洗練された大英帝国ハードロックだとは思わなかった。侮ってはいけない…。
なんと言うのかな…、ハードロックバンドとしての作風で言えば現代でももちろん十分にアピールする疾走感あるハードロックスタイルで、叙情性にも溢れていて、キャリアが故に歌の巧さやバンドの音の上手さってのは文句なしにツボを得ているし、曲だってそりゃかなりのクォリティで聴かせてくれるのでアルバムとしてはかなり良作の部類のはず。聴いていても全然違和感ないし、その辺のレベルははっきりと違いが分かる音で、なるほどバンドメンバー替われどもユーライア・ヒープというバンドがずっと存続してきたはずだと納得させられる音を今でも出していたのだなと嬉しくもある。ところが反面、ユーライア・ヒープってどんなバンドなんだ?っていうのも出て来て…、それはケン・ヘンズレーのバンドだったからあの音だったけど、ミック・ボックス主導になったユーライア・ヒープってのはどんな個性がバンドの音なんだ?となるとやや弱い…弱いって言うか普通に、それこそPraying Mantisと似た系統の音にも聴こえるので、それはそれで良いのだが突出する部分は特に見当たらない。もちろんそれでも十分なので固定リスナーのために裏切らないアルバムをリリースしてくれているってことで満足すべきかもしれん。ただ、何か多くを期待してしまうからな〜(笑)。
そんな戯言はともかく、「Into The Wild」は意外なほど美しく今のユーライア・ヒープの姿を映し出してくれているアルバムだと思う。昔の名残である重厚コーラスワークやちょいとハモンド系の横ノリなども敢えて出してくれているし、それよりも確かにトレヴァー・ボルダーのベースラインがバンドをグイグイと引っ張っているのがユニーク。これは要にもなるな〜と思うくらいにミック・ボックスとの相性が良い。「Trail Of Diamonds」なんてのは見事に往年のユーライア・ヒープを出してくれているかな。そしてバーニー・ショウの歌声が気持ち良いんでなかなか快活なハードロックを聴かせてくれて良いな。バンド名の名残を気にせずに大英帝国ハードロックを楽しむなら今のユーライア・ヒープはかなり良い線にいる、と言うか他になかなかいない伝統をしっかりと打ち出している気がする。オールドファンにこそ聴いてもらいたい作品のひとつかも。あのもっさりしたサウンドはまるでなくって見事に洗練された音です。
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