Metallica - Ride The Lightning

NWOBHMを徹底的に聞き込んだ筋金入りのマニアだった男がアメリカに移住したことでひとつのとんでもないバンドが出来上がったと見るべきなのか、それはたまたまの偶然でしかなかったのだろうが、その男の執念や根性ってのは凄いものだと思う。単なる好きで終わらせずに更にあのエグさを出すためにはもっともっと速いビートで怒涛の如く奏でるべきだという信念の元に推し進めていった当然の帰結でしかなかったんだろうな〜と思いつつも、やっぱ凄い音圧だったワケで。
今や押しも押されぬ世界のメタルバンドの象徴ともなってしまったメタリカのセカンドアルバム「Ride The Lightning」は1984年にリリースされているが、当時はまだインディーズからのリリースだった。アメリカのインディーズって、それなりの規模だろうと思うがメタルでのインディーズってのもアメリカらしい。確かにこの時代にこの音をメジャーでリリースするアメリカのレーベルなんてのはなかっただろうし、インディーズでのリリースは至極当然な気もする。それを考えると確かにメタリカの初期作品がアメリカマーケットのメタルジャンルを本気で開拓したとも言えるか。それまでのメタルらしく音はアメリカの場合はそれなりにキャッチーなのばかりだったし英国からの輸入が多かったから自身でのリスクはあまりなかったワケだったし。そう思うとメタリカの作品ってのは衝撃的だったんだな、と改めて思う。当時一応ほとんどリアルタイムでメタリカ初期のアルバムは耳にした…友人が持ってて聴かせてもらったんだけど、とても自分の耳には聴ける代物ではなかったからパス。何やってるかわかんなかったし、とにかくキツかった記憶ばかりです(笑)。月日が経つとどんどんと知名度を上げてくるメタリカだったが、その時のトラウマからきちんと聞くことはあまりなかった。そんな聞く必要も感じなかったけど。ただ、途中から音変わったから何となく聴くようにはなったが、初期はなかなかねぇ…。
って印象があったメタリカ初期だが、今回セカンドアルバム「Ride The Lightning」を改めて聴いてみたトコロ、これが普通に聞けてしまうようになってた自分、成長したモンだ(笑)。でもさ、やっぱり凄い迫力とうるささだよな、これ。どんだけのスピードでギター弾いてドラム叩いてるんだ?ってくらい音にエッジがあってぶっ飛ぶ。ところが幾つか叙情的なパートを組み込ませているしギターソロに至っては相当にエモーショナルなフレーズを聴かせてくれているから一筋縄で行かない。かなりクレヴァーに楽曲に多彩な要素を詰め込んで独自の泣きメロとパワー、スピードを詰め込んでいる。そう聴くと今に至るまでのメタリカの音にさほど変化はないのかも、と思える曲も多い。あと気づいたのはこの時期の方が音が重い。メタルって音重いハズなんだけど普通にメジャーで出てくると何故か軽いんだよ、どんだけ音がうるさくても…ってかうるさい部分が軽く処理されているのかもしれないが、それが「Ride The Lightning」は重い作りの音になってて聴きやすい…聴きやすいってヘンだけど、ロックらしい音なんだよ、多分。さすがに英国のメタルから影響を受けているだけあって叙情性が良いな〜って「Fade To Black」なんて聴いてて思う次第。
う〜ん、ちょっとメタリカ聴き直そうかな…、今更ながら皆がハマった気持ちが分かってきた。アメリカものはそれほど気を入れて聴いてなかったが良いな…。
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