Tank - Power of Hunter

2 Comments
Tank - Power of Hunter (1982)
Power of Hunter (24bt)

 日本のHR/HMあたりの音が一番世界に進出しやすかったのか、テクニック、個性などを含めて幾つかのバンドが同じ土俵で同じシーンを賑わせることが出来ていたようだ。やや時代を遡って80年代初頭の英国メタルシーンも地下では活性化していたことが有名。ウチのブログでも何度かそのヘンのバンドを書いたりしてるんだけど、完全に自分の血肉になっているわけじゃないから全部が全部想い入れあるってもんじゃないのは事実。ところがですね、いつもいつも引っ掛かるバンドが決まってて、それは別に上手いとか声が良いと云う事でもない。ただ単にカッコ良い、って自分が思うからだけで、音楽なんてそんなもんだ。ミュージシャン側の意向は多々あれど、概ね聴いた時タイミングで自分にどんだけ音が落っこってくるか、だけなんだよな。気分もあるし…、つくづくリスナーってのはワガママだ。

 Tankのセカンド「Power of Hunter」1982年にリリースされた正にNWOBHM界の宝とも言えるバンドで、そりゃIron Maidenもあるけど、そのヘンはもうメジャーで良いとして地下シーンからイマイチメジャーには成り切れなかったトリオってことでね。モーターヘッドって言えばそうなんだろうが、それは歌い方だし、音的にも…ま、似てる部分あるから否定出来ないが…。いや、モーターヘッドより幅広い音出してる気がするぞ。こないだDoom聴いてて、Tankやモーターヘッドの音をちょっと発展させていくとああなるのかな、なんて思ってたからちょっと思い出してしまった。ならばモーターヘッドよりもTankの方がマイナーで良いかと。しかもセカンドって隠れた名盤らしい要素がたっぷりと詰め込まれているみたい。自分ではまだそこまで聞き込めてないから測れないけど。

 「Power of Hunter」というアルバム、一応バンドとしてはノリノリの時期なハズで、時代のシーンも追い風だしセールスはともかく熱狂的に迎え入れられた、と思いたいアルバム。モーターヘッドよりもリズムのノリの幅が広いです。「Set Your Back On FIre」なんて軽快なシャッフル…いや冗談、シャッフルリズムでキャッチーにトライしているんだが、何も違和感なくTankの音で出てくるんだから見事だ。スピード重視の曲も多くてやっぱりシンプルに燃えるよな…その辺はモーターヘッドの「Overkill」がひたすらオンパレードみたいなレベル感だから聴いてるとスリリングで楽しい。とってもチープなアルバムの音作りも生々しくて好きな感じ。アルジー・ワールドの中ではパンクスピリッツのままTankをやってるんだろうからこういうハードとの融合が出来たのだろうし、狙ったかどうかはともかくオリジナリティ豊かな音世界が出来上がった傑作。





関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 2

There are no comments yet.
kazz_asai  
HM真髄

実はモーターヘッド苦手なのですが、タンクは大好物です。
確かに音としてはスピード、リフで押しまくり、時に哀愁をはさみ…とNWOBHMド真ん中なのですが、個人的にはアルジー・ワードの存在もあり、同時代の多くのバンドの中でも格が違う、と思っています。
この2ndは1stに比べると、パワーは抑え気味のかわりにキャッチーなメロディを重視するようになりましたね。私としてはとにかく若さにまかせて突っ走る感じの1stを聴くことが多いですが、この姿勢がのちの傑作「Honor and Blood」を生み出す原動力となったのでしょう。

2013/05/23 (Thu) 21:31 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>kazz_asaiさん

確かに一連のバンドとは角度が異なる位置にあって楽しませてくれるのでTankはお気に入りです。
もっとじっくりと聴いて作品ごとの毛色の違いも味わっていきたい次第ですが、言われてみればメロディー重視な作品かもしれませんね。ただ、バランスが良くなってきたとも言えるか。
いずれにせよ初期作品全て味わえるので面白いです。

2013/05/25 (Sat) 10:44 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply