Gastunk - Under The Sun

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Gastunk - Under The Sun (1987)
UNDER THE SUN(24bit/folded paper-sleeve)

 思えば面白い時代に青春時代を過ごしたのかもしれないとも思う。洋楽ロック系で言えばあと10年くらい前に生まれたかったとは思うんだが、こと日本のロックに関しては丁度良い時代だったんじゃないかな。黎明期は知らないけど成長期〜活躍期あたりを目の当たりにしてきてるから何となくシーンの流れもわかり、しかも良いバンドがドンドンと出て来てたからさ。ジャンルの融合なんかも普通にあって必ずそういうのが騒がれる。そこで超個性が発揮されるとメジャーに進む、みたいな構図があって、だいたいメジャーに行くとつまらなくなって飽きるし、バンド側も何枚かアルバム出すと解散ってのがお決まりで(笑)。あれ、何でだろうなとか思ってたけど、まぁ、今ならわからんでもない。それでもその時代を生きた人間にとっては実に有用な時間だったのだ。

 ガスタンクのメジャー一枚目のアルバム「Under The Sun」は1987年にリリースされたんだけど、リリース前からどんなんなるのかな〜、メジャーだしちょっとは大人しい音になるんだろうか?なんて懸念をしていたんだけど聴いてみてびっくり。あのアグレッシブで超攻撃的なハードコアにも通じるパンクな音の塊はどこへ??これじゃメタルじゃないか…でも、なんかパンクだしBaki独特の世界観だし、ベースとかドラムとかとんでもないことず〜っとやってるし、そもそも最初の「Baruth」のイントロからして変拍子だし(笑)、何か物凄い進化なのか?とか不思議に思って聴いてたけど、段々とそのメロディがいつものガスタンク風なハートフルメロディってこともわかってくるから気持ち良くなってくるし、相変わらずやっぱり攻撃的な音で速いのは速いし狂いだくなるような「Leather Ship」とかさやっぱスゲェんだよ。どの曲もメロディが独特…、あの歌声と歌唱で泣けるメロディを歌っているんだからそりゃ超個性だろう。ファーストの「Dead Song」も3桁くらいは聴いてるけどセカンドの「Under The Sun」も近いくらい聴いてるな…。

 そうそう「Under The Sun(U.S.MIX)」ってのがその後にアメリカやヨーロッパでも人気だからリリースされていた。ある時その存在に気付いて聴いたんだけど、Bakiが全部英語で歌ってるんだが、どうにもやっぱり英語歌詞が当てはめにくいのかちょっと物足りない感じ。やっぱ日本語が良いです、このバンドは。更にミックスがあまりにも極端で、聞き辛い感じだったのは多分日本盤「Under The Sun」に慣れていたからだろうか。それはそれで面白いとは思うけど好みはやっぱこっち♪

 しかし名曲揃いで捨て曲一切なしの名盤、この頃一番充実していた時期だからだろうけど、インディーズ時代から進化して面白い地点に到達、そして新たなるガスタンク神話を進めたってところが才能豊かなバンドだったハズなんだが、短命に終わったのは残念だ。再結成ライブとかもガスタンクだけは行ってるしな〜、昔は怖くて入れなかったけど(笑)。ジャケットアートが横尾忠則氏ってのもちょいと驚いて、何かハードコアパンクメタルなバンドのイメージとか一切関係無しにアートとして持ってきたという所が面白くてね、しっかりとやりたいことやってるな、なんて思った。確か同じくらいの時期にGuns'n Rosesのファースト「Appetite for Destruction」が出てて、ジワジワと世間を騒がせていたんだけど圧倒的にこっちの「Under The Sun」の方が面白かったもん。今でもそう思う、多分世間的には少数派だし、そりゃしょうがないけど、そんなバンドとレベル差なかったし個性はガスタンクの方が圧倒的だったしね。

 今でもガスタンク聴くと相当気合入る…気合入れるために聴いてるワケじゃないけど美しくも激しい世界と流れるメロディと相反する引き締まったリズム隊、唯一無二のアンダーグラウンドカルトバンド。



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フレ
Posted byフレ

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