
シド・バレットがソロ作で世間を賑わせた後、一旦シーンから遠ざかるがその後偶然に出会った元
デリヴァリー
のジャック・モンクとバンド結成の話になり、そこでアングラロック界の変人として有名なトゥインクをドラムに従えてスターズというバンドを組んだ。いくつかのリハーサルを行い、そこにはピンク・フロイド時代の「エミリーはプレイガール」も演奏されていたと伝え聞くが、更にはデモ録音も行い、何とギグを三回ほど行ったようだ。もっともそのギグはライブの様相にはならなかったくらい酷かったらしいが…。しかしここではデモ音源が残されていることがしっかりと伝えられているので、何かの機会にでもリリースされればと思うが恐らくこれだけシドの未発表音源がリリースされまくった今、まだ出てきていないと言うことは多分存在しないのかなぁ。
で、そんな状態のシドとバンドが組める人ってどんな人、ってことでこんな人です。アルバム「
シンク・ピンク」が最初のソロ作品になるんだけど、ドラマーとしてはサイケデリックシーンで結構活躍していたのであちこちで名前を見かける。
Tomorrow
やサイケの真骨頂とも云える時期の
Pretty Things
なんてのはそうだね。まぁ、アンダーグラウンドの帝王的な存在で、Pretty Thingsに在籍している最中に「
シンク・ピンク」という作品をレコーディングしていて、もちろんプリティ・シングスや
デヴィアンツ
、ジュニアーズ・アイのHonkや
Tレックス
のスティーヴ・トゥック達が参加した超サイケデリック…というかクスリの音楽なんだろうな、きっと。シドならこの世界がくっきり見えるんだと思うけど、トゥインクも近いところにいたんだろうなぁ。1970年にリリースされて、英国ロックの幻のレコードとして祭り上げられてきたんだけど、CD時代になって再発されてようやくまともな値段で聴くことができて、嬉しかったんだけど、これがねぇ…ん?って感じ(笑)。決して人には薦めませんが、ある意味アングラってこういうモンだよな、ってのがわかるし、傑作であるとは思う。迷作、とも言うか。
この後トゥインクは解体したデヴィアンツの面々、即ちミック・ファーレン以外のメンツと有名なピンク・フェアリーズを結成するのだ。ま、これも
アルバム一枚
しか続かなかったんだけど、インパクトは絶大だったな。早すぎたパンクだよ。あまり語られないけどさ。で、ホークウィンド…これもアシッドバンドだな(笑)、それからシドとのスターズなワケだ。
まぁ、アングラの帝王ってのはやっぱりあって、でも今でもきちんと生きてて気まぐれにアルバム出したりしてるんだから恐れ入る。周辺の人間は結構向こうの世界っつうか死んでるのもいるんだろうけど、トゥインクはその辺妙にビジネス的に頭働くミュージシャンだったのかもしれない。作品だけ聴くととんでもなかったりするけど…。ジュニアーズ・アイやらスティーヴ・トゥックなんてのはデヴィッド・ボウイとも絡むし、そういえばボウイもメジャーすぎるアングラの人なんだもんな。トゥインクの歴史は深い。
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