A.R.B - W

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A.R.B - W (1982)
W

 80年代末〜90年代初頭頃だと思うんだが、何かのテレビで子供ばんど再生!みたいにやってて、ギターもベースもメンバー代わってからのメンツだったんだけど、ドラムがARBのキースだった、ってのを見たことがあって…、幻でなければ多分唯一のセッションだったかもしれんと思う。ライブとかやってないだろうし、バンドも停止しかかっていた頃だろうし…と思ってるんだが、かなりタイトで刺激的でさ、あのうるさい子供ばんどなのにキースのドラムってだけでARB的なソリッドなサウンドに聴こえるもんで、如何にキースのドラムが個性的なのかってことを知らされた。もっともうじきつよしとキースが割と仲良いってのもどこか不思議ではあるが同時代のライブハウスシーンにいたんだからおかしくはないか。性格的にどうなんだ?ってのは思ったが(笑)。

 1982年リリースのARBとしての5枚目のアルバム「W」。多分最高傑作。何処を斬っても余裕綽々にロックを出しているし、かと言って何かに甘んじたサウンドじゃない。研ぎ澄まされたエッジの立ったサウンドはいつまでも刺激的だが、しっかりと聴きやすくメッセージも打ち出している。ARBの音ってのは決してうるさくなる事はなく、ギターだって歪んで鳴らしてますってモンじゃないし、実にソリッドなロックギター。日本のロックの鏡とも言える代表的なバンドだと思ってる。多分英国辺りに出しても受け入れられる音とスタイルのはずだ。だからこそジャン・ジャック・バーネルも参戦することになったのだろう。ま、キースが肝だが。

 「W」…、初っ端の「ウィスキー&ウォッカ」の強烈なビートからついつい体が動いてしまう事は間違いない。このタイト感とビート、それにこのハネノリ、そして続いての「ユニオン・ロッカー」と来たらかなりノックアウトされるだろうよ。ロックってなこんなもんだ、と言われているかのようにアルバムに釘付けにされる冒頭。そこからは石橋氏の人間味のある歌詞が柔らかく伝えられる曲も並ぶが、ユニークなのは柴山”菊”俊之が提供している2曲の歌詞だったりする。これもまぁ、もともとがめんたいロック出身のこのバンド、当然ながらサンハウス柴山との接点は古かったワケでこうしてジョイントが出来上がっていたりするのは面白い。明らかに石橋氏とは異なる歌詞のスタイルはそのまま歌のメロディーや曲の雰囲気にまで影響を及ぼしていて、サンハウスでやったっておかしくないな、くらいまでの存在感だ。歌詞一つでこの存在感を訴えるって凄いことだわ。

 B面に入ると意外なことにクイーンのようなコーラスワークから始められるタイトなビートのR&Rが始まり、田中氏のギターの鋭さを堪能できるさすがの一曲を聞けるんで嬉しいね。歌詞はやや不思議でもあるんだが、このビートとスタイルはARB独特のサウンドとしか言えないな。「SIx Sax Sex」も言葉遊びの一曲だけどしっかりとパンクスタイルで攻め立ててて来るサウンドだけど、やっぱキースなんだな…、うるさくならない。「エイリーン」は映倫とアイリーンみたいなもんらしいが、それはともかく、全編に渡ってのツインギターによる曲構成がユニークで、田中氏が二本とも弾いているんだろうけど、しっかりとストーンズ的にツインギターらしいギターの組み方でかっこ良い。ビートもストーンズ風だからそんな影響なんだろうけど。「LOFT23時」はロック少年には夢を与えたなぁ…、新宿ロフトってやっぱ夢見る場所だったし、ましてやARBが歌っていたからさ、どんなトコなんだろう〜って期待満々だったもん。そして「ハ・ガ・ク・レ」はお得意のバラード、最後はまたしても柴山氏の歌詞で「クレイジー・ラブ」だが、これもまたサンハウスの菊が歌ってる姿を想像できるくらいの影響力…、なんかスゲェな。

 やっぱ好きだ、「W」。聴きやすいんだが、トンがってて今の自分達が忘れている何かを思い出させてくれる空気感ってか緊張感を教えてくれる気がする。








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フレ
Posted byフレ

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麗華  
はじめまして

ブログ拝見させてもらっています
宜しくお願いします

2013/05/07 (Tue) 12:48 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>麗華さん

適当にお楽しみ下さい♪

2013/05/08 (Wed) 20:54 | EDIT | REPLY |   

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