



ファンカデリックがストーンズをファンクにしたバンドだとしたら
スライ&ザ・ファミリー・ストーン
は当然ビートルズをファンクにしたバンドとも言える関係にある両バンドだが、黒人ってことでやっぱりブルースもそうだし、ソウルもR&Bも最近のラップやヒップホップも含めて衣装やアクセサリーにカネを掛けて派手に見せるのが好きなんだよな。もちろんスライなんかも当てはまっていて、それどころか派手が歩いてるっていうくらいに派手なのもパーラメントあたりと双璧を成している。
さて、スライの名盤は数あるモノの今回はやっぱりファンクグルーヴ&ポップ性が同居した、そして最高傑作と呼ばれる
「暴動」
ほどの暗さと重さを持ち合わせていない、明るく楽しめる作品の代表格として
「Stand!」
が良いかな。初っ端のタイトル曲からえらくポップだなぁと感じる反面グイグイとベースのグルーヴに引っ張られていく進行がやはりスライだなぁと思わせる。「Don't Call Me Nigger, Whitey」ではそのグルーヴの上に結構エグいギターが始終鳴っていて、もちろんこの辺のワウペダルによる混沌とした効果も絶妙。んでもって次はこれまたスライらしいというか、単純に楽しめる「I Want To Take You Higher」で、こういうのファンクっつうのかな、ブラスセクションの使い方とかもゴージャスで良いしハープなんてのもしっかり入ってて何でもあり♪ それからメロウな歌をしっとりと聴かせる「Somebody's Watching You」へ。ソフトなサウンドでウケるだろうなぁっての良く分かるもん。ダメな人はダメなサウンドってのも分かるが(笑)。しっかりとしたメロディと技術的にしっかりとした演奏が心地良く広がってくる名曲。続く「Sing A Simple Song」は一変して見事に求めているファンクソング。やっぱりひと味違うスライのサウンドはこういう曲でもしっかりとアピールされてくるし、コーラスとギターの使い方が良いんだよね。でもってまた軽めのサウンドの「Everyday People」へと続くが、こういう曲の並べ方ってのもやっぱ考えてるんだろう。そして、これまでの名曲群も何のその、やっぱりJBのカバーともなる「Sex Machine」のスライ的解釈=14分もの大曲へと仕上げ直してしまう技量が素晴らしい。もちろんパッと聴いたら何の曲かわからないアレンジになっているんだけど、JBとは全く異なる気怠いグルーヴ感を打ち出したどっからどう切ってもスライ流。JBが歌で持っていくとしたらこっちはグルーヴで攻めてくるみたいな感じだね。ちなみに歌はないのでカバーっつうかモチーフにしてるみたいなモンだけどね。このアルバムにコレ入れるか?みたいな実験的サウンドで、時代の成せる業かもしれん。
確かにパーラメントやファンカデリックなんかと比べると優等生的ポップ的なファンクだなぁと改めて連続して聴くと思うんだけど、やっぱこの後の
「暴動」
で一気にダークな面を出していることでバンドのバランスが取れたのかな。そして歴史になっていくんだけど、以降こんなファンクバンドってのも出てこないのでやっぱり時代の産物というのもあるようだ。
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