Heavy Load - Stronger than Evil


近年のHR/HMってのは細分化されすぎててどんなジャンル分けの言葉で括られるのかよく分からんけど、美しい旋律を持ったハードロックバンドは好きだ。古くはWishbone Ashから始まって、Praying Mantisに引き継がれて…その後の系譜が苦手なのだが、メロハーと呼ばれる世界になるんだろう、とは思う。だからその辺のバンドも好きだけどさ、ただあまり聴く回数は多くない。なんでだろうね?思い入れの問題かな。でもさ、同じく最近知ったバンドでも古いバンドだと俄然思い入れ込めて聴けるってのは不思議だ。単なる偏見じゃないと思うんだがなぁ…。
1983年にリリースされたスウェーデン出身のHeavy Loadというバンドの出世作「邪悪の化身」を恒例の浅井コレクションから引っ張り出してみた。結構なハードロックで攻撃的要素もあった割にはメロディアスで美しいという北欧の勇士という印象だったんで、この流れで改めて出しておこう。初期アイアン・メイデン好きなら多分イケるんじゃないかな。ちょいとボーカルがフラットっつうか浮遊した音程で歌っているんでスゲェ不思議な感じするけどバックの音はグサッと刺さるくらいにかっこ良い。自分的にはTankとPraying Mantisの中間か?という印象…、ま、初期アイアン・メイデンだ。凄いのはこの「邪悪の化身」というアルバム、Heavy Loadというバンドの4枚目?くらいで、捨て曲なしの怒涛の一枚に仕上がってて、この時期のバンドで無名な割には突出した作品。LAメタルより全然良いしデフレパよりも全然良い。
面白いトコロでは1曲だけフィル・リノットが参加している事で、経緯はよく分かんないけど、この頃Thin Lizzyを解散させようとしていたフィルとどこかのライブで一緒にでもなったのかな。フィル・リノットの好みからしたらHeavy Loadって結構気に入ったんじゃないだろうかと思うし、単にハードロックだけじゃなくて随所に民謡的民族的なフレーズがメタルのくせに入ってくる辺りは正にThin Lizzyが始めたものだしね。そんなきっかけな気がするな。それがなくても十二分に名盤として崇められる仕上がりを見せてくれているのでもっと広く知られるべきだろう。
残念ながらもちろん今では手に入らない一品らしくってね…ちょっと前に日本盤もリリースされたらしいが、どっかで手に入ると良いな…と思ったらYouTubeに全曲あった。1983年のライブ映像も多数あるんでイメージは掴めるんじゃない?
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