Solid Ground - Made In Rock

3 Comments
Solid Ground - Made In Rock (1976)
メイド・イン・ロック(紙ジャケット仕様)

 日本で北欧のロックが注目されたのはアバやイングヴェイ・マルムスティーンが出てきたくらいからでしかなくて、90年代になってからは色々とメタルバンドが台頭してきて、その辺からは割と本格的に北欧のロックシーンとして認識され始めている。しかし少なくとも70年代に於いて北欧のロックシーンに注目していた人物は極々ほんの一握り以下だったと思う。ユーロ・ロックとしてのヨーロッパのロックの認識はあったと思うが、そもそもハードロックと云ったら英国だし、ロックならアメリカでしょみたいな話で、たまに毛色の違うバンドがチャートに入ったりして持ち上げられる程度。そう考えるとダモ鈴木って人が如何に特殊な存在だったか、ってのが分かるし、山内テツという人もそんな類いだった。ところが当然ながらヨーロッパ各国や北欧だって普通にロックってのはあったんだな。それでもさほど知られてないから数は多くなかったのかもしれない。メジャーじゃなきゃいくらでもいただろうけど、レコードにまでなって形が残っているバンドってのは少ないのかな。その中の一つであるバンドを例のコレクションからご紹介。

 スウェーデンから出てきたSolid Groundというバンドの1976年作「メイド・イン・ロック」というアルバム。何とも驚くことに、Amazonでも普通にあるしiTunesでも取り扱いがあってもしかしてかなりメジャー?知らないの自分だけ?みたいに思っているが、そうかも…。しかし、さすがにこのジャケットでメジャーはないだろ。Solid Ground Made in Rockってさ、訳したらダサすぎじゃね?別にいいけど、北欧らしからぬヒネりの無さはアメリカを狙ったか?そんな邪推をしてしまう。音の方もそんな邪推があながち間違いではないと思えるくらいにストレートなロックを演っている。結構出身を気にしないで聴いたら面白いんじゃない?みたいな部分あります。自分的な好みで言えばやや物足りないけど、普通そういうモンだし、頑張ってると思う。1976年でここまで来た、っていう感もあるが、バンド名通りにソリッドなサウンドはなかなか。

 当初はGroundhogs的とも思ったけど聴いているともっとストレートで不器用かな、と。録音のせいもあるが、ドラムがもうちょっとバタバタしてくれると雰囲気出たかなぁ…。ベースとギターは思い切り70年代英国ロックしてて、歌はおまけに近いからさほどこだわってないが…ギターはかなり速弾きしたりしてじっくり聴いてるとちょっと驚く。「Solid Ground」って曲のソロは「お?なんだこの速弾き?」って思うもん。曲はどうにも哀愁漂うメロディだが。まだまだもっと北欧らしい哀愁が出せるだろ、って思うがなぁ…、それは今だからなのか、この時代ではかなり叙情性出てる方だろう。そんな感じでアルバム聴いてると、もう一回聴くか…と数回聞いていたりするので、実は自分、結構気に入ってるんじゃないか?と。気に入ってるっつうかなんか深く聴きたくなる部分があるんだよ…。





関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 3

There are no comments yet.
kazz_asai  
北欧HR名盤

1976年といえば、「プレゼンス」と「虹を翔ける覇者」、そして「ロックス」と「地獄の軍団」の年。
私がハードロックに熱中した第1次最盛期でしたが、その頃は北の果てにこのようなバンドがいることなど知るよしもありませんでした…と意味のない枕はさておき、このバンドはマニア御用達のB級バンドで一蹴してしまうには惜しいものを有しています。
もちろん英米の一流バンドと比較の対象にならないことは充分承知していますが、60年代末からのブルースHRの残滓を感じさせながらも、構築を重視した新時代のHRへのミッシング・リンクという部分も看取することができます。
マイナーレーベルゆえに商業ベースに迎合しないパワーとスピードに満ちた音は、基本的にブルース寄りになっていた同時代のスウェーデンHRバンドでも異色の存在でありながら、きわめて高い完成度に達していることは特筆すべきでしょう。
ドラマチックな部分はNEON ROSEを想起させますが、あちらはもっとプログレ寄りの音です。RHAPSODY(1978)はもっとメジャー寄りで、R&R色が強いですね。まあ1978年といえば元祖北欧メタルのHEAVY LOADがデビューしているのですが、私は2ndからしか聴いていないので何とも言えません…おっと脱線してしまいました、申し訳ありません。
いずれにしても、70年代ユーロHRにおいて重要な作品であると思います。

2013/01/16 (Wed) 21:03 | EDIT | REPLY |   
クリタカ  
北欧HMの礎

 「幻想交響曲」のリリース前後、まだB!誌創刊以前だったので、たぶんML誌か音専誌だったと思いますが、「スカンジナビアの夜明け」とかいって、NWOBHMの影響が周辺の国々に飛び火して...等と記述のあった特集記事でヨーロッパが紹介され手いたのを思い出しました。ただ、HRとHMの境界線なんかは明確に線引きできるモノではないにしても、今になってNEON ROSEやこのSOLID GROUNDなどを知るにつけ、こんなバンド達が確実に'70年代にも存在し得ていた事、また彼等がその後の北欧メタル、更にはジャーマン・メタルを含めたユーロ・ハードの礎になったのではないでしょうか。
 当時、HEAVY LOADや独FAITHFUL BREATHなんかは'80年代にポット出てきたメタル・バンドとして聴いていましたが、彼等も'70年代に既にデビューしているんですよね。ノルウェーのTITANICの様に息切れして良作を何作も出しながら、'80年代を迎えられなかったバンドもいましたが、これら先人の上にその後の北欧メタルのムーヴメントがあると思うと非常に感慨深いものがあります。
 さて、このSOLID GROUNDもAmazonの商品説明で“ツェッペリン級の...”っと書かれており、それだけでもう買うしかありません。実際の音そうであっても、なくても...ハードロックファンはツェッペリン風とかツェッペリンの様な...とか言う形容詞にとても弱いのです(笑)。

2013/01/17 (Thu) 17:38 | EDIT | REPLY |   
フレ  
Missing Linkか…

>kazz_asaiさん
RhapsodyもHeavy Loadもコレクションに追加されているのでもちっとで登場するかと思いますが、いつもいつもご教示感謝です。やはりリアルタイム時にはこんなバンドの情報すら知られていなかったってことですね…安心しました。高校生くらいがこの時代に北欧にまで熱心だったりしたら…なんて思っちゃいました。HRへのミッシングリンク…解明してないんですが、北欧とブルース→HRの美学って簡単に結びつかないので、そういう部分はあるのかもしれないな〜なんて改めて感じちゃいました。そんな意識も必要だな〜と。

>クリタカさん
う〜ん、やっぱりミッシングリンク的意味合いだったんですかね。Faithful BreathにTitanic…全く皆さん色々と知ってらっしゃる(笑)。密かにコレクションに加えないといけない感じだなぁ…。そしてZeppelin風という言葉への弱さって正に同感、そして、期待する意味では必ず裏切られるというのも常(笑)。

2013/01/18 (Fri) 13:32 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply