Baumstam - On Tour

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Baumstam - On Tour (1972)
On Tour +2

 CD時代になってからの後追い世代と同じ気分でジャーマンハードなどを漁っていると、時系列が追えなくなってきてる。だから今の時点で入手できるものがどれだけ昔珍しかったか、って事を知識レベルでしか理解しきれていないことが多い。今は手に入らない、入れられない、って事はほとんどあり得ないし、現物入手が困難ってのはあるが、DLも含めれば全てのモノが手に入るんじゃないか?って思う。だから英国モノもそうだが自主制作で何百枚しかプレスされなかった名盤、なんてののアナログ探しの経験が無いまま音を聴ける時代なんてね。そりゃレコードに対する思い入れが異なるのはしょうがない。

 1972年にドイツでそれこそ自主制作でリリースされただけのアルバムだったと言うBaumstamというバンドの「On Tour」。1990年にCDで再発された時にマニアが狂喜乱舞したと言われる幻のハードロックバンド、だったらしい。しかし自主制作でしか出せなかったバンドがそこまで幻になるほど騒がれる位のバンドなのか?ってのはいつも疑問に思う話で、大体が聴いてしまうと、なるほど…と妙に納得するバンドが多かった。それでも入手までの苦労等を考えれば聴けて良かった、これは良いアルバムだ、と思いたくなるのが人間の性(笑)。知識だけでそれを知っていて実際の音はさほど労せずして入手してしまった人間にはその価値の1/10も理解しきれていないと思う…。でもさ、このBaumstanの「On Tour」はなるほど、幻の一枚だっただけあってカルト的な存在感があるアルバムと思う。こういうカリスマ性って何なんだろうな。神々しいまでの自分たちのスタイル、ってのかメディアと迎合できなかった姿なのか…、その神々しさが自主制作であろうとも幻の一枚として祭り上げられるバンドの違いなんだな。

 普通にアルバムとして聴いてみても、妙な不思議感…、恐らくドイツ、クラウトロック的な独自の雰囲気だと思うが、それが全体を覆っていて言葉にしにくいサウンドを出している。初期のスコーピオンズもそうだし、かなり独特なワケよ。ギターのリフとベースがあって、ドラムがドタバタしてるハードロックなのは確かだし、ボーカルもさほど上手くもないが、エコーたっぷりで雰囲気出してる、そして全体的にはモコモコした音で仕上がっている安っぽい出来映え、なのにね、唯我独尊な世界。ドイツなんだな〜、これこそが、と思う。英国ロックのモノマネじゃなくて独自進化のドイツハードロックの姿な気がする。スコーピオンズと同じ香りです。驚くことに最近再結成してライブやったりしてるみたいで、YouTubeで現在が見れるっぽい。見たくないから見てないけど(笑)。







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フレ
Posted byフレ

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