Toad - Toad

随分前からコイツは絶対聴いておけ、と言われんばかりにオススメされていたことのあるスイスのハードロック・バンドがあった。その頃には既に英国ロックを極める道を決めていたので他の国にうつつを抜かしている場合ではないとばかりに適当な返事をしていて、聴かず仕舞いのまま数年が過ぎ去っていった。そのオススメしていた人物とも疎遠になり、特に誰かに何を薦められるワケでもなく、またネット普及と言えどもそんなマイナーな世界でのコミュニケーションなんてタカが知れてるものだったんで、時々バンド名を見かけて、あ、これだ…とばかりにスルーしていた感もあったが、某コレクションにも登場してきたとなると無視は出来ない…と言うか、多分自分にオススメだよと言っていた友人と某コレクションはかなり被るのだ…。世界は広い。
Toadというバンドのファーストアルバム「Toad」で1971年にリリースされた名盤の誉れ高いアルバム。Led Zeppelinタイプの重さと手数、そしてギターリフを誇り、且つロッド・スチュワートばりの声を聴かせる…自分的にはロジャー・チャップマンをもっと洗練したような感じでもあるが、それでもボーカルの比重が高くはないのでどちらでも良いか。とにもかくにもインプロによるバンドの一体感とヘヴィネスさがアルバムジャケットの迫力そのままを繰り広げてくれるので重い音の塊が自分にぶつかってきます。ブルース・ロックという類いになるが、本物のブルースからの影響ではない感じのギターで面白い。そして何よりもこのギターのトーンとバリバリネチネチ感が堪らなく初期Led Zeppelin的で実に好ましい…。もうひとつキャッチーさのあるリフだったりすれば更に面白かったのだが、そこまでは求めまい…。
そしてこの時代には当然ながら影響があったであろうブラック・サバスの影もやや感じられるが、これもまたブラック・サバスのデビューが1970年の2月なので思い切り影響を受けた後の曲作りだったのかな、と言う点がやや残念。ただ、聴いているとジミヘンあたりの雰囲気をアレンジしていった風にも取れるので、割と多様に取り込んでいるようだ。そして美しいアコースティックギターとベースライン、そしてコーラスワークが曲を繋ぐなどと妙にプログレッシブな展開を誇る12分にも及ぶ「Life Goes On」が本アルバムのハイライトか。トータルタイムもさほど長くないので一気に聴き倒せるサイズ、しかも多様性に富んだハードロックなので面白い。ところどころにLed Zeppelinのメロディが歌われているのも愛嬌。見事なセンスとリスペクトだ(笑)。
この後2枚ほどアルバムがリリースされたようだが、自分はまだその後を聴いていない。幾つかの評を読んでみればやはりファーストがダントツ、セカンド「Tomorrow Blue」も結構な評判の高さはあるようなので、いずれまたチャレンジしてみたいと思っている…ってか絶対薦められるだろうし(笑)。先に書いておきます、はい、聴きます(笑)。
ストレンジ・デイズ・レコード (2008-02-27)
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毎度のことながらアルバム全曲どうぞ!
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