Weed - Weed

ケン・ヘンズレーという人は正に世界を股にかけたミュージシャンと言える活動をしている人。もちろんユーライア・ヒープの活動が一番知られているが、割と創作意欲旺盛で自分で動くタイプの人らしくアチコチでケン・ヘンズレーって名前を聴く。ユーライア・ヒープの前のゴッズは有名だが、その後にはブラックフットとのジョイントなんてのもあったりする。そしてユーライア・ヒープが全盛だった1971年…セカンドアルバム「Salisbury」と名盤「Look at Yourself」の合間の頃にドイツに行った時に気に入ったのか知り合ったのか、Virusというバンドとセッションしてアルバム一枚を残している。それがWeedと言うバンドだ。
1971年リリースWeedの「Weed」。ここまでケン・ヘンズレー色が強く出てくるってのは一体どういうこった?元々のVirusっつうバンドのカラーとか出してたサウンドってのはどこに行ったんだ?それに加えてユーライア・ヒープとやってること変わらない音楽を敢えてセッションでドイツの無名バンドと一緒に演る事にどんな意味があったんだろうか?もっとも自分が歌いたかったという以外で、という話だが…。この「Weed」というアルバムでケン・ヘンズレーはメインボーカルと鍵盤とギターを受け持っているようで、ギターはもう一人いるし、鍵盤ももう一人いるが、出てくるサウンドはどう聴いてもユーライア・ヒープ紛いのヘヴィーギターとオルガンの世界、あそこまで厚みがなくてもっとバンドがバラバラな感じだが、そりゃそうだろ。
いつものワンパターンベタベタリフが中心の楽曲が6曲並んだ30分強の作品で、好きな事やりたかったんだな、としか思えない。アルバムを出すほどにバンド、ユーライア・ヒープでは出来ない世界だったのだろうか?そう思いたくなるくらいB級なハードロック路線なアルバム。…とまぁ、こき下ろしてますが、好きな音ですね、これ。もっときちんとこなして洗練させれば結構なアルバムにまで持ち込めたと思う曲多数、そこまで詰めないで即興で作ってしまったのが勢いとなってるというのも◯なのかもしれない。到底聴く価値があるとは思えないが、時代を感じるフリーなハードロックインプロが収められていて、ケン・ヘンズレーの好き勝手放題が楽しめるって事でいいんじゃない。最後のアルバム・タイトル曲「Weed」なんて曲出来上がってないだろ?ってしか思えないくらいの適当さで収められていると言う…、良い時代だ。