Judas Priest - Point of Entry

5 Comments
Judas Priest - Point of Entry (1981)
Point of Entry (Exp)

 正月早々からヘヴィなモノ聴いてて、やっぱりヘヴィなものが聴きたい、って言うのか気軽に聴けちゃうっていうのが良いんだよな。プログレとか今はリラックスするためには聴かないし、ポップスはもういいや、って気分で、何となくメタルの鳴りが心地良かったりするのだった。それもあってか正月早々からヘヴィな方向なのだが、ホワイトスネイクの初期ブルース・ロック系統へも進むつもりだったのに…、と今からでも方向を戻す努力を…(笑)。いやいや、そんな前置きはさておきながら、せっかくだから普段は全然聴くことの少ないアルバムにフォーカスを当ててみました。

 1981年にリリースされたJudas Priestのアメリカ進出意欲作「Point of Entry」。これがまた昔からそうなんだが、どのレビューを見てもまともな評価を下されていないようで、おかげで興味のあるリスナーからしてみるととにかく聴かないアルバムとしての一要因になってしまっているのだ。記憶にある限りでもジャケットがジューダス・プリーストらしくなく、既に向こう側に行ってしまっている、とか金属感が味わえない、とかアルバムを聴いた限りアメリカ市場を意識し過ぎて本来のメタルを忘れている、とかそんなん。多分リアルタイムでジューダス・プリーストを追っていてこの「Point of Entry」がリリースされて聴いた人はそういう感覚で評論するのもわかるのだが、同時代じゃないリスナーからしてみれば、これもまたアリ、かと思わせる内容ではないだろうか、と。まぁ、自分の悪友であるメタラーには怒られそうではあるが(笑)。

 結論的には曲によりけり、かな。ヘヴィさが欠けているってワケでもないし、この後売れた「Another Comin'」のヒット曲のポップさからすれば全然かわいいモンじゃないかとも思うのだが…。言われているほどアメリカナイズって感じもしないし、別にカラッと乾いた感じがするワケでもない気がするし、そういう観点とは違う所で聴いてみるのも良いんじゃないかと。確かに軽めの曲が多くてヘヴィなリフで押し迫ってくるっていうんじゃないが、バンドが同じ系統のアルバムばかりリリースするという方向性を取らなかっただけなのだろう。そしてシーンを見て何となくヘビメタバンドの時代も予感できたってのあるとか。

 そして肝心の自分…、確かに何度も何度も聴かない音、と言うか聴きたくなる音が入っているアルバムってワケじゃないのは事実でやや冗長な部分もある。タイトなゴリ押しをジューダス・プリーストにはやっぱり求めるしそんな予感がする曲もあるのだが、如何せんそのまま期待通りに迫ってこないというスカシ感が受けなかったんだろう。黄金期にこういったハズしをしてくるのも珍しいパターンだな、と後で思うものではあるがこの時点でジューダス・プリーストって既に7作目くらいのアルバムなベテランなワケで、常に進化しているってバンドでもあるからアリだったんだろう。ただ、やっぱ、評価が低いのはわかる(笑)。

黄金のスペクトル
黄金のスペクトル
posted with amazlet at 12.12.30
ジューダス・プリースト
SMJ (2012-02-15)
売り上げランキング: 109,736


関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 5

There are no comments yet.
kazz_asai  
鋼鉄神は死なず

JUDAS PRIESTは日本デビュー「運命の翼」が出たとき、ラジオで「The Ripper」を聴いてそのカッコよさに驚き飛びつきました。
伊藤政則氏の「熱い」ライナーノートが始まったのもこの時だと思いますが、氏の意見には全く同感でした。
続く「背信の門」の完璧な様式美(まだこの語はありませんでしたが)HRにも完全に打ちのめされました。
しかし私のJPへの思い入れはこの時が最高潮で、もちろんずっと追っていましたが3rdを凌ぐものには出会えませんでした。
そんな中で聴いた「黄金のスペクトル」。残念ながら世に溢れていた80年代メタルを圧倒する程のパワーを感じられず、JPが自分の中で占めていた領域はほとんど消えてしまいました。
でもその直後、泣く子も黙る「復讐の叫び」が、そんな飽きっぽい私の心に強烈な一撃を叩き込むことになります。
ロブ・ハルフォードが脱退した後の作品まで耳にした今、聴くと「黄金のスペクトル」はいかにもJPらしい良さが感じられ、当時あまり好きになれなかったのが逆に妙に思われます。もう少しテンポを速くしても良かったとは思いますが…。

2013/01/06 (Sun) 21:00 | EDIT | REPLY |   
クリタカ  
Hot Rockin'!!!

 彼等との一番最初の出会いは輸入盤の「Rocka Rolla」でした(笑)。なんて地味で音も曲もショボいんだと思い、その後70年代の彼等を追うこともなく、ズルズル80年代に突入していきました。まわりの連中はみんな熱狂してましたし、確かに"Hell Bent For Leather"とか"Exciter"なんか有名な佳曲はありましたが、真剣にアルバム通して聴いたことはなかったです。ところが大好きなTrapezeからドラマーのDave Hollandが加入したことで、初めてJudas Priestのカッコよさを感じることになりました。いままで安定していなかったDs.の座をDaveが射止め、大乗りでダイナミックなプレイには大満足でした。 結局あの若い超絶ドラマーにその座を明け渡すまでずぅ~と黄金期を支えたんですよね。この「Point Of Entry」はかなり不評でしたが私にとっては彼等に向き合う事が出来た重要な作品で、今ではあのマッスルシンガー以外の作品は全て大好きです。ツバキハウスでホット!ロッキン!なんて首を振っていたのが懐かしい...(笑)
 

2013/01/07 (Mon) 11:16 | EDIT | REPLY |   
フレ  
鋼鉄魂!

>kazz_asaiさん
しっかりと時代と共に作品を聞いて一喜一憂していた様が表れていて楽しいです。リアルタイムの良い所はそのバンドの新作を次の新作が出るまでひたすらに聴き続けるという時間があることですね。それで裏切られもするし期待を超えることもするし、その待ちの楽しみも今となっては懐かしいワクワク感です。特にバンドの音が変わる時ってのはリスナーも一生懸命取り組んで聴くし…。結果今作品のように駄目出しを喰らうこともあれど、聴いてる人は聞いてからの感想で、面白いものです。

>クリタカさん
ドラムの交代による音の違いってある程度のレベルじゃないと自分なんかはあまりよくわからないんですよ…。だからそういう音の違いを好みに反映されているってのが凄いな〜と思います。ツバキハウス…、時代だ(笑)。

2013/01/08 (Tue) 23:22 | EDIT | REPLY |   
TOKYOROSE  

このアルバム好きですよ。
私は"British Steel"から入って、"Stined Class"まで戻り、新譜として発売されたこのアルバムを買いました。
01 Heading Out to the Highwayのリフなんて彼等らしさがちゃんと出てるし、05 Desert Plainsはカッコイイと思います。

2013/05/23 (Thu) 01:30 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>TOKYOROSEさん

リアルだと思い入れ違いますもんねぇ、羨ましいです。
後追いだと上記の感覚だったんですけど、全盛期だからやっぱ良い部分は多いですよね。

2013/05/25 (Sat) 10:39 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply