The Doors - L.A.Woman

早いもので2012年の大晦日になってしまったが、何も進んでない…(笑)。気ばかりは色々と…と思いつつも結局どうでも良いか〜って元来の怠け者性が出てしまっているな。昔みたいに元旦三日間はスーパー休みです、とかだと色々と買い出ししなきゃとかあるんだろうけど、年がら年中売ってくれているんでそういうケジメもあまり必要なくてね、食べるのには困らないし、多分他もあまり困らないだろう。大晦日もガキの頃知ってた雰囲気とは全然異なっているように見えるのは年を重ねたから?もっとワクワク感あったんだけどねぇ…。昔そんな話しを誰かとしてたら、大晦日とか正月ってのは自分で作らなきゃ何もしない日々なだけだから自分で忙しくしたり色々なことをやったりしてゆっくりする所がゆっくりするんだよ、そうすると正月が正月らしく過ごせる、って言ってた。なるほどね、その通りだ、と納得はしたものの、一方ではそのケジメってさ、一週間くらいしか持たないワケだから意味ないんじゃないか?なんてのもあったりして今に至る(笑)。お叱りの声はいくつも頂くと思うが、人それぞれの年末年始があるものだ。正月から働いている人だって多いワケだしね。
1971年にリリースされたThe Doorsのラストアルバム…ってかジム・モリソン参加のラストアルバムとなった「L.A.Woman」、既に40周年記念盤までもリリースされている古い作品だ。昔The Doorsを聴いていた時期には最初の「Doors」から全部順番に聴いていって、そのカリスマ性や神秘性を秘めた初期作品をやたらと聴いてた。それに比べると「L.A.Woman」は少々アメリカし過ぎててThe Doors独特の神秘性が薄れてると感じてて、他のアルバムに比べたら聴いた回数はかなり少なかった。ところが、40周年記念盤がリリースされた時に自分の手持ちレコードを聴いてて、ちょっと違った印象を受けたんだよ。かなり硬派なブルース・バンド、な印象とでも言えば良いかな。元々The Doorsってライブだと古いブルースナンバーも普通にやってて、あの神秘性の高い楽曲よりもそのブルース的要素の方が強く出ていたバンドだ。ジム・モリソンというカリスマがいなきゃそれほどのバンドにはならなかったのは明快だし、音楽的にはそんなもんだ。ところが各アルバムではそこに神秘的な歌詞と影響されるサウンドが重なってユニークな音作りになっていった。それでもバンドは1967年から1971年までに6枚のオリジナルアルバムをリリースというハイペースだったのもあって疲弊していたようだ。
そんな背景も色々とあって「L.A.Woman」。硬派なソウルブルース・ロックバンド、アメリカに根差した音と気怠く男臭いボーカルを配した作品に仕上がっていて初期のThe Doorsからしたらたった4年の間でここまで変貌してしまったかと思うばかりのサウンドだ。ところが、冷静に考えてみればこの方向性は以降もずっと続けられるサウンドで、悪くない方向性だったと思う。本来バンドの中にはメンバーとして存在していないソリッドなベースが中心となったアルバムになっているという不思議。やはりベースという楽器の重要性を一番理解していたのはバンド側だろうから、ここまでクローズアップしているのだろうか。カリスマ性を除いてみればジャジーなギタリストとサイケがかった鍵盤、ソリッドなドラマーによるバックで、ファンキーなベースが入っているというアメリカなバンド。そんな指向性をきっちりと示した作品が「L.A.Woman」だ。アルバム全編に渡って陰りや神秘性なんてものは皆無で、硬派でソリッドなバンドの疾走感溢れる演奏が心地良い。名作とは言わないが、新たな方向性としては期待させる音、かも。
昔はそんな風に聴けなかったんで、自分の耳も成長したな~と思う。こだわりがなくなってきた、とも言えるが、それと全然The Doorsなんて聴いてなかったから久々に聴いてカッコ良さを再確認したのもあるか。いずれにしてもやっぱりこのヘンのロックのスピリッツは何十年ロックを聴いていても好きなものだ、と。
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