Elvis Presley - Elvis Presley

ロックンロールっていいな。やっぱり色々聴くけど原点だよ、って聴く度に思う。先日The Brian Setzer Orchestra聴いててやっぱいいな、と気分も明るく単純に楽しめてね、そうだよな、ロックンロールってそんなもんだよな、ってことで一気に時代を遡ってロックンロールの原点に戻ってみた。人によってそりゃ色々とロックンロールの原点ってのはあるけどさ、小難しい知識とか系譜とかどうでも良くてロックンロールと言ったら元祖はエルビスです。間違いなく。エルビスがいなけりゃロックの歴史そのものがまるっきり変わってたハズなんだしね、もっとロックをやるヤツは少なかったと思うしさ、まるで違う歴史だったハズだもん。だからエルビス。ブルースならロバジョン、ソウルならJB。これはもう決まりなんだよ(笑)。
ロックの世界でジャケットだけはひたすら有名なエルビス・プレスリーのデビューアルバム「Elvis Presley」は1956年にリリースされているけど、この時代はもちろんシングル先行なのでシングルでのヒットがあっての話だ。しかしアルバムってのは当然エルビス・プレスリーのひとつの歴史を語るべく作品で、冒頭の「Blue Suede Shoes」からしてもうね、最高にR&Rなワケ。スタイルや歌い方、サウンドとか色々とR&Rな部分あるけど、せっかくここで取り上げたんで書いておくとさ、スコッティ・ムーアなんだよ、キモはさ。十中八九エルビス・プレスリーの声や歌い方やノリなんかに耳を奪われがちだし、実際それだけの歌なんだけど、慣れてくると自問自答し始めるんだよ…「何でこんなカッコ良いんだ?アレンジか?いや…もしかしてギターか?」って。当然エルビス・プレスリーの切れの良さや歌のリズム感や間合い、「Yeah!」などの掛け声などが凄いんだけどやっぱスコッティ・ムーアのプレイがキレてる。凄い切れ味でここぞ、って時に歪んでいないサウンドのギターでエロティックに鳴ってくれる。このヘンがエルビス・プレスリー単体でも上手く行かなかっただろうし、ギターが巧いだけでも出来ない時代の巡り合わせかも。
「Elvis Presley」に入ってるどの曲も基本的にはジャズモードの発展系に近い作品群で、カバー曲にしてもR&Rを意識してはいるけどアレンジそのものはまだまだジャズの発展系でしかないし、そこにブルースの進行や雰囲気を入れて独自スタイルにしつつある世界。まだ出来上がってないです、あのエルビス・プレスリースタイルは、いや、曲としての話。単に歌手として上手くてムードがあって歯切れの良い若者の歌ってだけ。ただ「Blue Suede Shies」は方向性を決定付けたな、ってのがわかる突出した出来栄えだし、音楽的にエルビス・プレスリーってのは凄いってのがわかるアルバムになってる。そして以降のロックミュージシャンに与えた影響の大きさはとんでもなくデカい。ギタリスト的にはキースを始めとして著名なギタリストはすべて影響を受けているハズのギタープレイ。スコッティ・ムーアの偉大な功績はもっと日本でも知られるべきだろう。
ロックンロールってこういうのが原点だな…と。苦手な人もいるだろうし古臭いのは否めないけどやっぱカッコ良い。
- 関連記事
-
- Elvis Presley - Elvis Live
- Elvis Presley - Elvis Presley
- Elvis Presley - Elvis Presley