Caravan - New Symphonia

ここの所グリグリガシガシした音ばかり聴いていたのもあって、ふと優しい音楽に触れた時の暖かさみたいなのが割と心に響いたりする。もちろんロックの世界で、だ(笑)。どことなくオーケストラとかクラシックとかそんなのをアレコレと気にしてライブラリ探ししてるんだけど、そうするとどうしても起伏に富んだ展開みたいなのが多くなっちゃうから割ととんがってる音になっちゃうんで…、それを差し引いてもハートに優しい音ってのがあってさ、それを聴いてみて改めて納得して感動すら覚えたのがキャラバン。元々大好きなバンドなんで聴くだけで満足なんだけど、今回はまたしても名盤だな〜とつくづく感じてしまったのだった。
1974年にリリースされたCaravanの「キャラヴァン&ニュー・シンフォニア」というオーケストラとジョイントしたライブアルバム。巷の評判ではバンドの音とオーケストラがこれほど融合性を高めている作品はロック界にはあまりなく、その意味では最高級とも言われているが。そもそもCaravan自体が浮遊した音を出すバンドだし、そこに管弦楽器がオーケストラで入ってくるんだからそりゃ見事なもんさ。でもね、面白いことに無茶苦茶熱い演奏だったりするんだよ、これ。侮っちゃいけませんぜ♪今じゃボーナストラック付きでリリースされているんで、是非そっちをオススメするんだが、ライブそのものは1973年10月のもので、現行CDに収録の通りに冒頭はCaravanのバンドメンバーだけでの演奏を収録、「Introduction」から第二部になってオーケストラとのジョイント。だから両方楽しめるのが美味しい。オリジナルアルバムでは第二部からの抜粋だったワケだが、全長版聴けちゃうとね、やっぱそっちばっかりになっちゃうんです。
バンドだけの演奏の第一部ももちろん良いんだけどちとタルいかな。それは第二部の緊張感とか迫力と比べてみればってだけですが。しかし第二部の「For Richard」が何と言っても圧巻。オーケストラもここぞとばかりに楽器隊として出てきて、バンドの熱気も見事なもので、それでいてCaravanというカンタベリー随一の音楽性を昇華させた素晴らしい音はそのままに、なるほど、オーケストラとの融合作の中での名盤ライブと言われるハズだ。それでいて譜面割って感じしないんだから面白いよ。やっぱこのバンドはず〜っと聴いていくべきバンドだよな。ま、初期の方に限るけど。Caravanもオーケストラと一緒に演るんでかなり準備をしていたようで、新曲も数曲披露、それをオーケストラと一緒にやることで普段できない次元に持ち上げているのは後で考えれば成功したお話だろう。当時はどう受け止められたかわかんないな。
しかしこの「キャラヴァン&ニュー・シンフォニア」を何度も手に取るのをいつも躊躇するのはもちろんこのジャケットのせいでして(笑)、これがもっとハイセンスだったら更に聴いた回数は増えたに違いないとも思うのだが、果たしてどんな意図でこういうジャケットになったんだろうか?勿体無い…。
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