Neon Rose - A Dream of Glory and Pride

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Neon Rose - A Dream of Glory and Pride (1974)
A Dream of Glory and Pride

 英国のロックはかなり聴き尽くした自信が多少なりともあって、最近はドイツに手を付け始めていたものの、日夜情報が入っているととても入手と聴いている時間が追い付かない…。それでも今の時代はサンプル的にYouTubeでも聴けたりしちゃうので大概はそこで雰囲気を掴む事が多い。まぁ、簡単に入手できるものなら良いけど、自分が気になるのって、もう手に入りにくいものばかり。昔ならそれでもじっくりと時間を掛けて中古レコード屋さんなりにアチコチ通って探したりしたが、今はそういうのもしなくなったし…。ネットで手軽にオークションで買えば良いのだろうが、どうもそういう買い方は好きじゃないのでアマゾンかな〜と。んで、無ければ一応アチコチ覗いて面倒になってくると取り敢えずDLで買うか、となってきた。あんまりよろしくない傾向だよな…。やっぱ現物あって然るべきだが、聴くのがもうMacでしか聴いてないからMP3でも一緒か〜ってよりもその方が聴きやすいって話で既にiTunesにはン千枚が…。

 ってことで、ちょっとやそっとで見つからないだろうな、と判断したのでさっさと妥協して取り敢えずiTunesでお手軽に入手のNeon Roseというスウェーデンのバンドの1974年リリースのデビュー作「A Dream of Glory and Pride」を。何でまた冒頭に英国のロックの話を書いたか思い出した。このNeon Roseってバンド、初期2枚がVertigoから出てるんだよな…。自分の頭の中のカタログから抜け落ちてるけど、何で?やっぱ英国じゃないからか?間違えて聴いていれば多分その頃から相当気に入ったと思うが…、残念。ま、それでも出会えたから良かった。いつもの某氏に感謝。

 そのNeon Roseというバンドのファーストアルバム「A Dream of Glory and Pride」なのだが、普通こういうバンドって初っ端の曲がインパクト絶大だったりするのに、なぜか冒頭の曲は全然面白くなくて、2曲目以降が俄然燃えます。音はどっからどう聴いても硬質なハードロック。英国の同時期のハードロックバンドはもちっとブルース色してたけどNeon Roseはそれがない。だからBudgieくらいしか同列に語れないのかもしれないが、残念ながらあそこまで鋭角的じゃなくて、ちとマイルドなのでなかなか不思議な質感。

 アルバムの曲構成も見事な出来栄えで、冒頭曲の好みはともかく、3分半のショートな普通〜のロックを聞かせておいて、いきなり硬質なギターのアルペジオから始まるプログレハード的大作、っそしてベースが無茶苦茶カッコ良い「Love Rock」(!?)へと繋がり…、これは最初はパープル好きな人が好きそうな疾走感あるもんな…ただし展開はThree Man Army的なんで、ハードロックだけって人には肩透かしかもしれん。ま、いいじゃないか、そんでもってこれまた硬質なアルベジオとベースラインが絡む美しい「Primo」で若干の様式美を楽しみ、Neon Roseの真骨頂へ導いてくれますね。良いわ〜、こういう展開。ちなみにバンドはトリオだけど、とてもトリオと思えない幅の広さがあるんです。テクはあと一歩だけど。

 アナログだとB面一発目となる「Let's Go And Get That Boy」ってのはかっちょ良いギターリフからスタートする快適な勢いを持ったいわゆる王道ロックスタイル。そのままで終われないのがNeon Roseの良い所♪そして意外な事にコレ、フルート?だよな?と驚いたが、硬質なアコースティックギターにフルートが絡み叙情的マイナス20%くらいで聴かせてくれる「Julia's Dream」。もちろんそのままのはずがなく、演歌調なギターが奏でられて予想通りのバラード展開…。しかしこの歌メロは読めん。今まであまり経験したことのない歌メロの作られ方だ…。そこがスウェーデンなのか?でも、こういうの聴いてるとどこか日本のハードロック最初期と被ってくる…マキOZとかさ、時代なんだろうな。そしてアルバム最後の大作「A Dream of Glory and Pride」は10分もの作品でアルバム・タイトルにもしているくらいだから自信の表れなのは聞く前からわかっていたのだが、なるほどなるほど…、気合の入ったプログレ的展開に挑戦しているが、バンド全員で力を振り絞ってやってるよな〜ってのが出ていて嬉しい♪展開はハードロックの世界なので苦痛でもないし、無理なことはしてないのでテクの未熟さも気にならない…、って、メロトロンまで被せてるのか?やるな〜、面白いぞ〜!

 ってなことで大満足な一枚となった「A Dream of Glory and Pride」。この後オリジナルアルバムが2枚出ていて、さらに発掘モンが一枚…、ほぼ確実に入手するな、これは(笑)。アナログってあるんかな〜。ちなみに2005年のCDにはボーナストラックとしてシングルが入ってます。iTunes版はそれも入ってるので何となくバンドの辿ってきた過程が分かりますね。「C'mon Everybody」のスーパージャジーハードロックバージョンはHumble Pieの比じゃないくらいにやり尽くしてる感じあるもんな。歌がダサいが(笑)。



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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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kazz_asai  
轗軻不遇

そうそう、彼らもVertigoバンドなんですよね。
「Julia's Dream」は1970年代HRバンドが生み出した名バラード群の中に絶対名を連ねるべきだと思っていますし、タイトル曲のプログレッシヴな展開もこの時期としては驚異の完成度です。
しかし難解な部分は皆無ですし、この2曲は別格としても、アルバム全体を通してポップな感覚にもあふれているというのがさらに作品の美点を高めています。
世が世ならANGELなみの人気が出ていても当然だったのではと思えます。
スウェーデンという地ゆえの悲劇だったのでしょうか。
しかしこうして容易に聴けるようになったということ、同時にそれを共有できるということは全く喜ばしいことです。

2012/11/23 (Fri) 22:36 | EDIT | REPLY |   
クリタカ  
ようやく見つける事ができました!

 ROCKに目覚めた頃は、聴くものすべてに感激していましたが、年を重ねると徐々にその感覚が薄れて、そのうち何を聴いても「ハァ~」という感じで、そう簡単に感動を覚える事もホントに少なくなってしまいました。
 しかし、何でしょう?このバンドは。最初の30秒くらいで総毛立ち。最後まで通して聴いたらきっと死んじゃいます(笑)
1974年、しかも自主制作ならまだしもヴァーティゴですよ。この当時こんな作品どんな雑誌やライナーにも出てこなかったですね。現在の情報量の100分の1くらい...いや千分の1以下だったのかも...
 McOILは比較的安価なものが見つかり、即入手できましたが、このA Dream Of~はどの店にもなく、3時間くらいかけてようやく見つける事が出来ました!私、ダメなんです...ブツがないと(笑)

2012/11/24 (Sat) 02:20 | EDIT | REPLY |   
フレ  
Neon Rose

>kazz_asainさん
確かにSwedenじゃなきゃそれなりに…とは思いますね。
3枚もアルバム出してるんだから結構人気あったハズなんでせめて英国進出してくれていればねぇ。
Vertigoなんだからさ…とか思ったり。
しかしまぁ、情報過多過ぎて聴くのも集めるのも大変忙しいです、この時代(笑)。

>クリタカさん
そうそう、それなんですよ、感動を覚えることが減ってきちゃうんですよ。
ところが、全く同じくまだこんなにおもしろいのあるんじゃないかっ!と血沸き肉踊るって感じなんですよね、今(笑)。
まぁ、昔と違うのは多少カネあるから買えちゃうじゃないですか、その辺のCDとかレコードですら。
それがまたよろしくなくて、どんどん探しちゃう。DLしても結局欲しくなるものは欲しくなるので現物見つけたらゲット、ですからねぇ(笑)。キリがないです、ほんと。でも、そんな感動を今、味わえるのって嬉しかったりね、うん。
まだまだ続きますよ〜、そしてその間にもどんどんコレもアレも良いよ〜と悪魔の囁きも入ってきますので(笑)。

2012/11/24 (Sat) 21:25 | EDIT | REPLY |   

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