Muddy Waters - The Best of Muddy Waters

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 ロバート・ジョンソンが酒場でブルースを奏でている様子をエルモア・ジェームズと共に食い入るように見つめていたもうひとりの男、マディ・ウォーターズ。ハウリン・ウルフと共にロック界に於いてはよく語られるブルースの偉人として名高いが、この人も実は戦前ブルースマンの一人のハズなのだが、シーンに名を馳せてきたのは1948年の「I Can't Be Satisfied」という曲のヒットからということだ。以降デルタブルースがシーンを制覇する時代がしばらく続くのだった。

 …とは云えども更に有名人となったのはもちろんストーンズからのラブコールによるものというのは否めない。何処の名盤コレクションにもジャケットが登場する「The Best Of Muddy Waters」というアルバムは正にベスト・ブルースと呼ぶに相応しい曲がいっぱい入っていて、入門編の一枚という点では共感できるし、実際に自分でもこいつはよく聴いた。好き嫌いが判断できる前にとにかく聴いた。なんつうか、こういうのって子供の頃に聴くんだけど、これを理解できなきゃロックなんてわからねぇぜ、みたいなのがあって、とにかく理解できるようにいっぱい聴いたってのが真相なんだけど、その分吸収したなぁ(笑)。おかげで、ストーンズがカバーしている曲なんてのは下手したらコッチの方が先に聴いていたりして、まあ、当たり前と云えば当たり前なんだけど、年代からしたら普通ストーンズ聴いてから原曲聴くよな、って感じなんだけど…。しかしどの曲を取ってみても誰かが必ずカバーしているものばかりでその偉大さがよくわかる。

 結構淡々と歌っていたりサラリとギターを鳴らしていたりするだけなんだけど、深いんだな、これ。一生懸命コイツをコピーしてなりきろうとしているイギリス人はそのクササがいいんだけど、ホンモノはやっぱりサラリと軽くブルースをこなしてしまうのだよ。1980年頃にストーンズとマディが一緒のステージで共演するビデオとかあるんだけど、ここでのストーンズの面々は単なるファン(笑)。ミックも凄いんだけど、マディが一声唸るともうそれが全てみたいな感じでさ(笑)。ポール・ロジャースなんかも思い切りこの人をカバーしたアルバムをリリースしているし、やっぱその世代への影響力は凄いんだな。

 ちなみに個人的にはちょっとモダンすぎてしまって、戦前ブルースのアクの強さからするとやっぱり物足りなくて、結構ポップス気味に聴いてしまう部分もあるし、あまりこの人のを聴いてギターをコピーしようとは思わないってのも不思議。曲の骨格を掴むのはあるけどフレーズっていう意味ではあまりなくって、ま、どっちかっつうとブルース歌手って感じだからかもしれないね。最近ではこのアルバムもデジタルリマスター+8なんてのが出ていて驚いた。あとは、ライブ盤とか「I'm Ready」ってのとかが聴きやすいんかな。自分的にはやっぱり「Fathers & Sons」が大好きだけどね♪
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フレ
Posted byフレ

Comments 9

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papini  

アタシも1番右の「FATHERS & SONS」が大好き♪
「Long distance call」と「Baby please don't go」のライブが入ってるでしょ?これ、大好きですっごく聴いた。

これも今度ウチでやろうっと♪

2006/06/30 (Fri) 00:04 | EDIT | REPLY |   
リュウ  

ついにMuddy登場ですね!
>これを理解できなきゃロックなんてわからねぇぜ、みたいなのがあって

これ、すごい良くわかる・・。(笑)
色々そうやって背伸びして聴いた時期ありますね、というか今もそうです。
そうやって次から次へのスパイラル!
でも興味は尽きません。
自分もMuddyとStonesのVideo&ブート持ってますよ。(笑)
Stonesの面々がホント子供。(笑)
Muddy、Stonesから背伸びして聴きましたが、今となると深さが伝わってきました。

2006/06/30 (Fri) 00:24 | EDIT | REPLY |   
KOJY  

俺もYOUTUBEでそのライブ見ました!
格が違うって感じのする興味深いものですね。

2006/06/30 (Fri) 22:52 | EDIT | REPLY |   
フレ  
コメントありがと!

>papini嬢
そりゃ~「Fathers and Sons」はもうロックバリバリのアルバムだもんね。純粋なブルースだけよりも刺激があって楽しいのは当然♪papini嬢の切り口楽しみにしてるよん♪

>リュウさん
あ、あのビデオ見てます?狭いところで客席からストーンズの面々が上がってきてさ、あれでもストーンズ全盛期だったんだよな。やっぱマディってのは凄いんだろうね。

>KOJYさん
YouTubeにありましたか。便利ですねぇ、YouTube♪

2006/07/02 (Sun) 02:27 | EDIT | REPLY |   
ariken  
お久しぶりです!

先日のリニューアルしたarikenサイトのご訪問ありがとうございました。
久々にフレさんのサイトへ遊びに来ました。フレさんのアティースト記事の中身の濃さには相変わらず感心させられます。今回取り上げられたMaddy Waters本人の曲はあまり知らないんですが、紹介されてるポール・ロジャースのアルバムはよく聞いてます。
ミュージシャンに影響を与えてるといえば前のサイトの時トム・ジョーンズの記事で取り上げられた"Red,White,&Blues"のDVDにローリング・ストーンズとの共演を思い出しました。
ミック・ジャガーが子供のように見えるのはやはり偉大なミュージシャンであるということを認識させられました。
PS:またarikenサイトに遊びに来てください。フレさんのサイト、お気に入りに参加します!これからもよろしくお願いします。

2006/07/05 (Wed) 19:07 | EDIT | REPLY |   
波野井露楠  

おはようございます。
TBさせていただきました(^^)。
オリジナルとは随分感じの違うアレンジの曲もあるのですが、昨日はこんなアルバムを聴いていました。
UDOは行けませんが、野音にブルース・ソウル・カーニバルを観に行くので、そちらは楽しみです(^^)。でも、20年続いた、ブルース・カーニバルが、一つの区切りを迎えたのかなって寂しい思いがありますが。(もう、ブルースだけでは運営が無理なのかな?最近はアイク・ターナーやメイヴィス・ステイプルズなんかを呼んでましたからね。アイクはドタキャンでバックバンドだけが来日しましたが。苦笑)
それにしても、マディはロック畑のミュージシャンにもたくさん愛されていますね(^^)。

2006/07/09 (Sun) 07:56 | EDIT | REPLY |   
波野井露楠  

こんばんは!
マディをギタリストとしてだけでなく、歌手として観てしまうというフレさんの気持ち、凄く分かります!!
ギターものちろんなのですが、マディの歌声には迫力と凄みがありますよねえ!
うーん。基本中の基本!名盤ですね(^^)。

2007/04/20 (Fri) 19:34 | EDIT | REPLY |   
まり  

TBありがとうございます♪
マディはワタシャ分りませんでとうそうと思ったのですが
クリームを聴いたら俄然聴きたくなってしまった!
本物はさらりと歌っているのが実感ですね~
私が最初に聴いたブルースがビック・ジョー・ウィリアムスで全然おもしろくね~っていうのをいつまでもひきづっているからなんですよ。

2009/03/07 (Sat) 14:31 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>まりさん

マディもそんなに面白いか、って言われると難しいけどやっぱロックから入ると出てくるし、聞いてみると、おぉ~ってのありますしねぇ。ただ、Big Joe Willamsから入るってのはしんどいでしょう(笑)。ただブルースの面白さって飽きるのも早いからどうでしょうかね。

2009/03/08 (Sun) 17:27 | EDIT | REPLY |   

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  •  Muddy Waters!
  •  お早うさんです。今日は久々にBluesな気分。何かあったとかそういうことではなくて、ちゃんと聴いてみようモードになったと言う事!(笑) こういうとき必ず引っ張り出してくる1枚が、Muddy "Mississippi" Wate
  • 2006.06.30 (Fri) 00:15 | その日暮らしの音楽日記
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