McOil - All Our Hopes

いつもの如く、しれっと呟かれた一言を頼りに、こっそりとアルバムを探しまくる。これがまたあるようで、ない、とかで結構入手に手間取るのだが、今回もそんな類い。CD化されてたのが救いではあったが2000年に一度だけって感じで、それもプレス枚数少ないだろうからなかなか、ね。その分売れないから、ってのもあるが、このネット時代に日本語でのレビューが全く見当たらないってのも凄い。呟かれた一言だけ。それと某ニッチなお店の解説がひとつふたつ程度しか日本語では書かれていない。それは英米でも同じ事のようで、世界的にさほど多く書かれてはいないみたいで正体がなかなか掴めずにいて困る。Guru Guruのドラマーが云々ってバンドらしいが、Guru Guruな音じゃないからあまりアテにはならん。しかしそんな音、どうやって知ったんだろうか?とそのプロセスを知りたくなるものだ。
1979年作のドイツのバンド、マッコイル?McOilってバンドの「All Our Hopes」って作品だ。自主制作だったとか何とか…、来歴やら何やらよく分からんし、面倒だからとにかく音を聴いてれば良いかとひたすら流す。まぁね、冒頭からちょっと時代錯誤的なハードなギターの音とノスタルジックですらあるオルガンの音色が混ざり合って、更に変拍子チックなプログレ的音の絡み合い…、って強引な展開=あるフレーズやリズムを勝手に繋いでいった、みたいな気配すらするドタバタ劇の数々、ところが面白いことに聴いているとどこかWishbone Ash的な神々しい気品が見え隠れする…それこそPraying Mantisのアマチュアな時代ってこんなん?とかね、そんな印象。有り体に言えばNWOBHMの背景を映し出しているアルバム、作品、とも言える。明らかに異なるのは不格好さっつうか、イモ臭さっつうか、洗練されていないところ。1979年の音って言うよりも1975年頃な感じだもん。ところがリフや重さはしっかりとジャーマンハードロックの王道を行くステータスが感じられるのが面白い。
アルバム全7曲、大作とも言える曲が2曲を占め、他の曲だって5分程度、時代とは云え、ボリューム感ある内容でなかなか聴き応えのあるサウンドなので、B級路線好きな人にはオススメかも。ココのトコロ超メジャー路線聴いてたからこういう訳の分からんカッコ良さ、ひたすら熱く奏でるロック魂ってのを聴いてると安心する。しかし歌もダサいし全く素敵なバンドだ。ちょいとこれまでのと違うのはあと一捻りが無いが故に何度も何度も聴くのがクセになる音でもないが、聞き所は多数あるのがユニーク。「All Our Hopes」「This time Should Never End」の大作は聞き所満載です。アマチュアに毛が生えた程度の技量でしかないが、よくぞ作った、ここまで思い切りやった、ってくらいの曲が疾走感もあるし実験的でもあって面白い。この頃に英国に出てってライブやってたら結構ウケたんじゃないか?とも思うがどうだったんだろ?
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