Japan - Gentlemen Take Polaroids

自分的には若干リアルタイムで被っていたが全く興味を示すことのなかったテクノやニューウェイブの波、それよりもやっぱロックだよ、と息巻いていた若い時代があってだな、音楽よりもロックだったワケだ。もちろんロックが何かなんてまるでわかってないし、単に自分が思い描く不良ロックのスタイルこそがロックだったワケだが、それが故にそれ以外の音楽やポップスなんてのは眼中にもなかった。よってYMOだのジャパンだのはまるでシカト。極端で単純な思い入れって重要だよ(笑)。
ようやく登場、大英帝国からの使者、ジャパン。Japanですよジャパン、日本、Nippon。ところがバンド名を考えた時には響きだけで…って話だから面白い。バンド名なんてそんなもんだ(笑)。まぁ、8ビートギャグとかさ、デビちゃんなんてキャラで描かれちゃってたモンだからイメージがそれしかなくて、本来のデビッド・シルビアンってどんな人なのか全く知らなかったワケだ。徐々にロックを聴いていくとジャパンというバンドの影響力やYMOの世界に対する影響力なんてのも見えてきて、ロックを含めたポップス界を引いて見ていくことになるんだが、そういう意味でジャパンってのは割と早くから聞いたことのあるバンドではあった。その音楽性の深さや面白さを理解するのはもっと時間が経過してからだが…。
ただ、何故か一時期ジャパンにハマった時があって、アルバム5枚しかないから一気に聴けちゃって研究できるからさ、それで面白かったんだよね。映像を見せられたってのもあって、短期集中的にハマった。んで、結論は初期2枚はちょいと別として、その後3枚は実にデカダンで面白い、ってことだ。今回は多分ジャパンのアルバムの中で一番好きな作品「Gentlemen Take Polaroids」です。アマゾン見てて、あれ?って思ったのがジャケットに映るデビシルの顔の向きの違い。確か正面だったような…、それがちょいと斜め45度になってる。何か気になったのでググってみれば、再発盤系は斜め45度らしい。なるほど。ついでに紐解いていくと曲順も変わったりしててなかなか厄介なようだ。自分はもちろんアナログで制覇してたんでこの「Gentlemen Take Polaroids」のジャケットが一番好きだったし、音も一番しっくり来てた。湿っぽいんだよねぇ。それでいて初期ほどのファンクブリブリさは無かったから、正にユーロピアンモダンスタイルって感じで淡々とデビシルの暗さと緊張感が紡がれていって、盛り上がることがまったくないけど緊張感だけが漂うという珍しいスタイルで、凄いのはそれでいてポップだってこと。正に英国と言うかヨーロッパのサウンドでしかあり得ない音で、それをこのルックスの美貌の持ち主がやっていたってのは才能溢れてた証明です。そして紛れもなく脈々とこのデカダンな雰囲気のロックってのは現代に至るまで引き継がれているのだから。
こういうのは嫌いじゃない音なんだよなぁ…。自分でも境目が分からないのだが、似たような傾向のThe Smithsとか全然ダメだしねぇ…、似てないって(笑)?しかし言うほどアフリカンなスタイルってのが良くわからん。坂本龍一とのドッキングは判るね、これ。どっちが歩み寄っていってもおかしくない世界観が聴けるし。ただ、今の自分が「Gentlemen Take Polaroids」をじっくりと聞き惚れるか、と言われればもうそういう年でもないかな、って感じではあるか。
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