Europe - Wings Of Tomorrow

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Europe - Wings Of Tomorrow (1984)
明日への翼

 さてさて楽しくなって来ました地名/国名シリーズ♪ 今は大陸系シリーズになってるけど、まぁ、そんなに多くないし他には知らないから適当に…、これもリアルタイムで出てきた時に、大胆なバンド名付けるよな〜って思いましたね。もっとも自分が知ったのは大ヒット曲「The Final Countdown」の頃で、ちょいとハードなポップスバンド、みたいな感覚で聴いてた。その頃ギター雑誌も結構見てて、出てくるワケですよ、ジョン・ノーラムとかさ。そうすると、あれ?ギター雑誌で取り上げるほどの人なの?みたいに思って冷静に聴いてみれば思い切りハードロックなバンドで、ポップバンドじゃなかったというオチ。そんなのが最初の出会いだったね。

 超売れた「The Final Countdown」の前にリリースされた「明日への翼」というアルバム、2枚目、1984年。どことなく話題ではあったらしいが、それは後で知ったお話。「ザ・ファイナル・カウントダウン」が売れた後には当然以前の作品を聴く人も増えてそれなりに売れただろうし、好みのツボにハマった人も多かったんだろう。そのヘンから北欧メタルなる言葉が出始めて、イングヴェイ・マルムスティーンがソロになってスウェーデン出身で〜となってきて、ヨーロッパも、ってなことで一気に注目されてきた。それでもまだスウェーデンって国くらいしか注目されなかったが…。その辺りのシーンの動向は自分はほとんど追っかけてなかったから知らないけど、今の姿を見る限り、ヨーロッパの果たした役割は大きかったんだろう。日本という国のリスナーが北欧に注目できたのは多分ヨーロッパというバンドの功績なハズだ。歌メロやギターの旋律に気品があるじゃない?それと哀愁のメロディ的なトコロが日本の演歌に通じる部分あって日本人の琴線に触れるんだよ。これはもう歴史のある国なら必ずそうなるワケで、そのヘンがアメリカとは違う。英国は更にその域を完成させている感じがあったけど、もっと繊細な部分が聴けて未完成的な部分に愛着を覚えたのがヨーロッパ。

 さて、その「明日への翼」という作品、当時ちょいと後追いで聴いたが、やっぱりこの後の「ザ・ファイナル・カウントダウン」の軽快さ壮大さに比べるとHR/HMの美しい世界を体現しているというところにあって、一皮剥けてはいないかな。ただ、相当の完成形なんでアルバムとしては面白い、ってか妙に浮いた曲がないからアルバムとしてまとまってる。昔のスコーピオンズみたいに…ウリが弾きまくってるみたいにジョン・ノーラムが弾いているのもよろしくて、その音が結構粘っこい音でアルバムのど真ん中を陣取ってるね。「Treated Bad Again」のリズムとギターなんて正に弾きまくり〜だし。こういう作品を作れていたってのは売れても全然おかしくないし、売れても全然動じること無く進んでいれば良かったんだが、なかなかプレッシャーとの戦いは辛かったんだろうな〜と余計な事を想像してしまった。

 話を戻して…「明日への翼」でのジョン・ノーラムはホントに独壇場とも言えるばかりにギターを弾いてくれていて「Aphasia」なんつうギターインスト曲まで入れている始末、それもまた哀愁漂うメロディを奏でてくれているというさすがの技量、実力あるバンドの証明でもあるね。この辺のHR/HM好き、さらに今現在に至る北欧メタルシーン好きには金字塔なアルバムのひとつでもあるんじゃない?



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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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kazz_asai  
北欧の神秘

1st「幻想交響詩」は情報を知らず、発売日にレコード屋で見てジャケットの美しさに魅せられて買ったのですが、その狂おしくも美しいHMには思わず言葉を失うほどの衝撃を受けました。北欧というHM界にはまだあまりなじみのなかった出身も、ロマンティックな想像をかきたてるのに充分でした。
そして心待ちにしていた2nd。音質も演奏も(特にVo)、1stより格段に向上していることは私にもわかりましたがその印象は、カッチリとまとまった端正なHMというものでしかありませんでした。
1stでみられた、1歩誤れば崩れ去ってしまうような危うい均衡の上にかろうじて築き上げた、曙光にきらめく氷の結晶とも思える繊細さと引き換えに得たバンドとしての安定感は、続く「Final Countdown」というあまりにも高名な作品として大きく開花しますが、その失われたところは私にとっては大きかったのです。

2012/11/10 (Sat) 20:43 | EDIT | REPLY |   
クリタカ  
スウェーディッシュ・メタル

 当時、どれだけ有象無象のバンドが北欧の地から出てきた事か・・・パッと思いつくのはSilver Mountain,Talisman,220Volt,Mad Max,Trash,Torch等々・・・マネっ子もいましたが、北欧独特の・・・と言うのが希薄でみんな個性的なバンドが多かった。しかし、世界的成功を収めたのはこのEuropeくらいではないでしょうか。
 1stのチョッとか細い音から、太くコシのある音へと一変した印象でノーラムの伸び伸びとしたプレイも印象的な作品です。曲も良いのでかなり反復して聴いた覚えがありますね。ただ"Final~"表題曲はそれなりに好きでしたが、その他シングルが次々カットされ、その度PVが放映ているのをみるにつけ「産業ロック」の香りが漂い始めました。その頃になると興味も薄れてきましたね。売れてくるとダメなんですかねぇ・・・このひねくれ者!(笑)

2012/11/10 (Sat) 23:27 | EDIT | REPLY |   
フレ  
北欧メタル創成期

>kazz_asaiさん
デビューアルバムから追いかけていくと売れてしまった場合はいつも残念な結果になっていくのは数多し、ってとこでしょうか。早い時期から触手を伸ばしていたセンスに脱帽です…。
ってかさ、こういう音なんてすげぇ珍しかったから飛びついたんですよね、きっと。

>クリタカさん
北欧…Silver Mountainくらいしか当時知らなかったです。産業ロック路線はバンドの本位ではなかったにせよウリでしたからねぇ。しかし、やっぱリアルタイムで新鮮な音だったんだろうな〜と思います。

2012/11/12 (Mon) 22:12 | EDIT | REPLY |   

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