Praying Mantis - Nowhere To Hide

ゴツゴツのヘビメタって若い頃にはそんなに聴いてなかったんだよな、多分。年を取ってから聴いているような気がするんだが、何でだろな…、そんだけストレスを発散するのに丁度良い音とかしっくりくるサウンドだったりするからかもしれない。昔だったらそこそこ年取ったらロックなんて聴かないでジャズとか聴いてるんだろ、って思ってたんだが、何のことはない、年を取っても聴くものがあまり変わらないっつう人は多いし、それどころか聴くものが増えてるから幅も広がってしまっているという構図になっている。おかげで昔は聴けなかったバンドや聴いてなかったバンドも入手も容易な環境になってるから聴いちゃうしさ。そんなトコロからマニアックなバンドの金字塔でもあったPraying Mantisの最初のアルバム「Time Tells No Lies」は名盤の誉れ高く、確かに素晴らしいアルバムでさ、そのあと活動してなかったってのも何で?って思うくらいの作品だしさ、勿体無かったよなぁ。
そんなPraying Mantisも再結成後、メンバーを入れ替えつつも本質的なメロディアスなヘヴィメタルという路線にはこだわり続けて作品を出し続けてくれている。今回は2000年にリリースされたアルバム「ノーホェア・トゥ・ハイド」なんてのを取り上げてみるのだった…。前作「フォーエヴァー・イン・タイム」と同じメンバーで製作された、って事だけでも奇跡的で、常にメンバーが変わってたからそんな言われ方する。もうね、自分的にはその辺はどっちでも良くて、トロイ兄弟が作ってりゃPraying Mantisの音になるし、それで良いよ、みたいに思ってる。そういう意味でどのアルバムもさほどハズレはないが、やっぱり好みのクォリティってのはあるから「ノーホェア・トゥ・ハイド」はちょいと一番ってワケにはいかない。ただ、もちろんながらあのメロディアス加減は相変わらず健在だし、コーラスも含めてメロウに攻め立ててくる展開も変わらず、だ。
オープニングから数曲と「Future In the World」あたりはPraying Mantis節全開でやっぱりひと味も二味も違うな、っていう旋律が心地良くて、一連のメロハーと呼ばれるバンドのメロディセンスとは大きく異なる、大英帝国ならではの気品がある。ベタになりすぎない、っつうか成り切れない、独自のスタンスってのがきちんと出てきてて、そこが安っぽくならない面白いところ。ジャケットはどうにもアニメチックでいつからこんな風になっていったのかな、とも思うけど、ファースト「Time Tells No Lies」からしてそんなんだから、まぁ、アリか、と思えてしまうのもPraying Mantisの強み?古くはWishbone Ashしか奏でなかった美しき旋律とハードロックの融合、その進化系をしっかりとPraying Mantisが引き継いでいる。英国らしさとブレないメロディを持ったバンドは今後どこに行くのだろうか…。
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