しかしこの人が音を吹き込んだ、と云うのはそういった伝説とは別に結構時期が遅くて1950年代になってからとなり、最も全盛期であった1930-40年代あたりの音が残されていないので残念。…とは云えども50年代初期にはかなりの量の音源が吹き込まれており、そこではエルモア・ジェイムズのギターがクローズアップされているであろう曲もいくつか散見されるのも面白い。そういえばエルモア・ジェイムスの「Dust My Bloom」のトランペットレーベル時代の録音音源ではこのサニー・ボーイ・ウィリアムスンがハープを一緒に吹き込んでいるのも忘れてはいけない。で、この初期の音源の中に「Eyesight To The Blind」と云う曲があって、後にこいつを自身のコンセプトアルバム「Tommy」に唯一のカバー曲として流用することとなるThe Whoのピート・タウンジェンドという天才の目にかかったものがあるのだ。これはこれで凄いセンスなのだが、この初期の作品集の中でも「Eyesight To The Blind」という曲は確かに傑出した曲という気がしないでもないな。