Kin Ping Meh - No.2

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Kin Ping Meh - No.2 (1972)
Kin Ping Meh (Reis)

 最近の中国なんぞを見ているとなんで4000年の歴史を持つ国が?みたいに思ってしまうが、そこはそこで歴史が物語っているのだからしょうがないって話らしい。しかし中国と言えば三国志や水滸伝などなどが有名で、そのレベルのひとつに金瓶梅なるエロ本があるらしい。ま、源氏物語もエロ本だからそういうモンなんだろう、と全くそういうものに疎い自分は漠然としか解釈していないと云う…それすらも人の譲り受け、受け売りなだけですから大した事は言えない。ネット時代の今こそそういう恥さらしな事をしないためにも知識をこっそりと貪欲に吸収すべきだが、やはりなかなか手が出ない世界なんだなぁ。今の情勢だとより一層手を出さない可能性の方が高い、もしくは徹底して思考回路を探るために読み耽るって事もあるかもしれないが、ま、いいや。

 1971年にドイツからデビューしたKin Ping Mehというバンドがありまして、その名前の由来がそのエロ本からって事で、ロックの世界だからそういう流用なんてのはまぁ、キラーメイみたいなものか(全然違う)という解釈。単なるバンド名でしかないのだが、ココのところドイツのHRバンドを漁っているとよく出てきたんですよ、Kin Ping Mehって。んで、どんなのかな〜と思って聴いてみた次第です。

 今回はセカンド・アルバム「No.2」で、冒頭からしてエラく軽快でほんわかした雰囲気だな〜なんて思って、歌が入ってきてもそのまま…、ドラムが入って一気にハードロックか?と思えばそれほどでもない、インパクトのあるハードロックってんでもない。妙に乾いた…軽い、っつうか、乾燥した音が出てくるワケです。ドイツにこういう音無いよね?みたいな。英国風と言えば英国風だけど、もっとアメリカ的と言うかこんなに湿ってなくて軽いのって一体?その分クセが強くなくて普通に世界的に聴けるバンドの音ではあったりするからB級じゃないんだろう、こういうのは。「Come Together」のカバーだって、ロックミュージシャンがカバーすればこうなるだろ、って感じのブルースタッチに仕上げているし、しかもアルバム「No.2」の中でも浮いた感じがしないのは見事な馴染み具合。バンド名をもうちっと受けの良いのにしたら良かったんじゃないの?と思うくらいに洗練された音を出しているバンドで、このドイツハードロックバンドの一連で出すのは悪いなぁ…って思うくらいのレベルです。

 そうだなぁ、欠点って言えばさらりと聴けてしまうってのと、それなら英国の本物聴いちゃうしなぁみたいなトコロあって、曲によっては面白い!のもあるけど全体的にはB級臭さがないのもこれまた物足りない。そんだけセンスがあったってことで70年代後期くらいまで活動していたらしいし、アルバムもたくさん出ているみたい。ただ、聴いていくとどんどんとヘヴィーな側面が出てきてやっぱりだんだんハマっていった。大曲「Liveable ways」とか良いですねぇ〜、こういうどっちらけな曲。まだ「No.2」しか聴いてないから分からないけど、アメリカ寄りに進んだのかな?ま、それにしても面白いことやってたんだろうな。



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フレ
Posted byフレ

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コンス  
German Rockの深さを知りました

ここ何日かのGerman Hard Rockで、ドイツのロックに対する認識が劇的に変わりました。フレさんのおかげです。ありがとうございます。

思えば37、8年前のこと、NHKラジオ「若いこだま」で渋谷陽一氏が、「まず、これをお聴きください。」と言ってラジオから流れてきたのは、Scorpionsの「Speedy's Coming」でした。
あまりのカッコよさにショックを受け、渋谷氏が「実はこれは、ドイツのスコーピオンズというバンドです。」みたいなことを話しました。どうしても「Speedy's Coming」が収録されているLPが欲しくて、友人と探し回った結果、大阪のLPコーナーで「Fly To The Rainbow」を買いました。
A面の1曲目は、「Speedy's Coming」で興奮しました。しかし、2曲目、3曲目とテンションが下がっていき、「なんだかなあ。」と思ったことを覚えています。
しかし、その後「In Trance」、「Virgin Killer」で大ブレイクし、その後世界的なメジャーバンドとなって行きました。
それ以来、私にとってGerman Hard Rock は、ScorpionsとUriah Heep経由で知ったLucifer's Friendだけでした。
これから、これまでの空白を埋めていきたいと思います。
長々と申しわけありません。

2012/09/27 (Thu) 22:48 | EDIT | REPLY |   
kazz_asai  
優等生

1stのデブ中国人を囲む美女とか2ndの黒ブタのジャケット、そしてバンド名はインパクトあるのですが、70年代ドイツにしては実に洗練された作りで、逆に言えばちょっと個性を感じにくいところがありますよね。
私は1st〜3rdしか聴いていないのですが、それでも1st,2ndはオルガンの使い方なんかにHRらしさを感じますが、3rdになると完全にアメリカ向けの音に落着いてしまいます。
これはこれで好きな人も多いとは思いますが、私はどうしても尖った音を求めてしまうので、もう少しアグレッシヴな面がほしかったと感じます。

2012/09/29 (Sat) 07:02 | EDIT | REPLY |   
フレ  
キンピンメイ

>コンスさん
いや、自分でもネットとかブログとかなかったらホントこんなにヘンな方向とか聴かなかったと思いますから皆それぞれきっかけはどうあれ世界が広がって楽しんでいられれば良いかなと思います。

ラジオやテレビで見た時のロックの衝撃って凄いですもんね。とにかく何かのヒントから探して聴きたい!って欲望に突き動かされていきますから、例えそれがつまらなくても名盤なんです、本人にとっては。そういう気持ちよくわかります。自分もドイツのバンドなんてホントにLucifer's Friendくらいでしたから、ここ最近の発掘は実に面白いです。某氏に感謝です。

>kazz_asaiさん
まだ本作しか聴けてないですが、それでもカラッとしていて没個性的ではありますね。まぁ、こういうバンドもないと面白くないし、シーンには必要だったんじゃないかな〜なんて思いますね。

2012/09/29 (Sat) 20:30 | EDIT | REPLY |   

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