Jeronimo - Jeronimo

70年代初頭のドイツのハードロックバンドってのは概ね英国の同時代のロックをモチーフにして出来上がっていった感じ。それは後から追って聴いてみると分かる話で、果たして同時代に照らし合わせてみるとどのヘンのバンドまで影響を受けていたのかな〜とか考えてみたりする。単純に1971年前半のアルバムリリースであれば70年末頃にレコーディングしてただろうからその辺りのバンドの作品をモチーフにしていたということだろう。とするとLed Zeppelinなら三枚目あたり、Deep Purpleなら、サバスなら、Uriah Heepなら、となるワケだ。ドイツのバンドってどうもUriah Heepの影響が大きい感じもあるし、確かに後に名盤と呼ばれるアルバムが続々とリリースされた頃ではある。ただ、それらだけで一連のB級テイストたっぷりなハードロックが出来上がるのだろうか?多分答えはイエス、なんだろう。同時代の英国のB級バンド達もほぼ似たような音になっているしね。
さて、1971年にコレしか知られてないってくらいのセカンド・アルバム「Jeronimo」をリリースしたJeronimoというバンド、「G」から始まるのではなく「J」から始まるジェロニモだが、ジャケットからしてかっこ良い。コレしかないだろ、ってくらいのジャケット写真。いや、他のジェロニモ酋長の写真や絵ってあんまり見ないし、ガスタンクの「Geronimo」もコレだし…、いや、それはともかく、ジェロニモ酋長って何した人かよく分かってないけど…後でWiki見ておこう。
で、この「Jeronimo」だが、素晴らしいアルバムだ。ハードロックの名に恥じない徹底した70年代初頭にしか聴かれないB級サウンドの塊。ブラボー!コレだよコレ!みたいな構成やフレーズのオンパレード。複雑さはほとんど無くてギターとベースを中心にどんどんとリフが繋ぎ合わされて楽曲として成立する、みたいな感じ。バンド自体は3人編成で、アルバム的にはギターが2本入ってるから、まぁ4人編成みたいな感じで聴ける。とにかく強引な曲の繋ぎ方が印象的。音はねぇ、実際何のギター使ってるのかは知らないけどSGあたりの音で歪みすぎず心地良い肌触り。ベースはしっかりと太く重い音で割とランニングベースなのでこれもまたよろしい。ドラムだけは割とかっちりとしたビートを叩き出してて、手数が多いあの感じじゃないかな。そこに本当に上手いボーカリストがいればかなり面白かっただろうけど、トリオで歌っている兼任業ってのもあるのかさほどインパクトのあるボーカルではないのがこのバンドの世界進出を妨げたのかもしれない。いや、しかしどの曲聴いても無茶苦茶かっこ良い。どれもこれもベタノリっつう感じで、後のTankみたいな感じも多い。この時代で言えばそれはサバスとヒープの合体なんだろうな、ってのが多くて華麗なるハードロックなんてのはない。ギターソロにもブルースベースなんてのは無いから、ホントに金属的な無機質な…と言うのか何をモチーフにこういうソロって出来上がるのか分からない。何の影響も受けていない、曲に合わせたソロだったりして興味深い。ルーツなしハードロックってのはこうなるのか、みたいなね。
ドイツのハードロックって面白いな。今のところ70年代にしか興味は行かないけど、こんなに英国B級と共通項が多いなんて思わなかった。そこからドイツらしい進化ってのもあるだろうし、ちょっとまた新たな世界が広がってきてます。ロックはホントに深い…。
全曲一気に聴いてください♪
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