Murphy Blend - First Loss

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Murphy Blend - First Loss (1971)
First Loss

 やっぱ70年代ってのは面白い。混沌とした音の世界がロックと何かを分け隔てること無く全てがごちゃ〜っと一緒くたにされてサウンドとして出てくる。良く言えば楽器を使った音楽だからその可能性を色々と試してみようじゃないかっていう意気込みだろう。だからプログレもハードロックもクラシックもジャズもポップスも身近にある音楽と呼ばれるものを同じハコにぶち込んでブレンドして自分たちで出来る範囲として吐き出してくる、そんな感じ。そこで出てくる形態は自分の好みというフィルターを通ってくるのでそれぞれが個性的なバンドになる。どうしても最後の吐き出し口で好きなバンドのように、ってのが入っちゃうから最終的に似たバンドとして括られるのがその出口での話。それをちょいと自分流にすると個性豊かなバンドになるが、まぁ、皆若い内に出てくるからそんなこと考えないで好きな音を自信を持って自分の音として出すからしょうがない。結果何かみたいと言われるのだ。

 さて、1971年のドイツ産のMurphy Blendってなバンドの最初の作品「First Loss」だ。これも先日書いたエラく詳しい方からのご紹介の一品だ。自分の好みを知った方からの紹介なので疑うこともなく入手して聴けるのが良いね。まぁ、これはDLだけど。あんまりDLでも最近はこだわらなくなってきたので聴けるだけありがたい、って思う事にしてる。実物見つけたらまた買っちゃうのかもしれない。まぁレコードを入手するほどかってのは最近はなかなか無いけど、こうして聞けてハマるのはやっぱ欲しくなる。

 話を戻そう…。このMurphy Blend、初っ端から出てくる音はオルガンハードロック。マイナー的に言えばアードバーグみたいな感じで、あそこまでヘヴィじゃないにしても英国オルガンハードの延長を引き摺ったアルバムって感じかねぇ。ちょいと歌が単調になってて、そこに歌があるだけっていう感じにしか扱われていないのが時代を感じさせる。自分もバンドやってる時は歌も楽器として認識してたからなぁ。そしてこのMurphy Blendもドラマーが秀逸…ってか好みなドラムです。ギターなんて全然出てこないから目立たないし、オルガン一筋なバンドだからそういうロックだが、オルガンって単調な音に聴こえる事が多いので飽きるんだよ、そればかりだと。鍵盤だからもっと使い分ければ良いのにハモンドオルガンにこだわっちゃうとちょいと飽きる。1971年じゃしょうがないが…。でもムーグなりメロトロンなりピアノなり色々あったろうに…、ハードロックの世界だからかDeep Purpleに憧れてか、オルガン一筋なバンドです。その代わり好きな人は好きだろう、とは思う。

 プログレ度は結構低くてあくまでもハードロック。むさ苦しい感じは当たり前で、華麗なるハードロックではない。そこがこの時期のドイツの面白さ…ドイツに限らないが。英国の場合はこういうバンドもあって王道ってのもあるから良いけど、ドイツはこの頃王道ってのが無くて全部がこんな感じだからある意味救いようがない。それも含めて今のドイツのロックがあるんだから良いじゃないか。自分は今更ながらだがこの手の音は大好きでひたすら聴いてます。ただ、オルガン…出し過ぎっ!



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