Trettioåriga Kriget - Trettioåriga Kriget

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Trettioåriga Kriget - Trettioåriga Kriget (1974)
30年戦争(紙ジャケット仕様)

 スウェーデンのプログレ?の重鎮と云うか革命者とも云える1970年代から生き延びている…ってかまぁ、今でも演っている、という方が賢明なのだろうが、「30年戦争」をそのままバンド名にしているTrettioåriga Krigetと云うバンド。ユーロ系のバンドってのは覚えられないし書けないのが難点だが、Trettioåriga Krigetはかなり昔からその筋で有名なバンドのひとつで、ウチは取り上げてなかったなぁ…と。こんな時でもなければ取り上げることないか、って事で良かった。イタリアやフランスならまだしもスウェーデン産のプログレってのは70年代からあったのか…ってのが正直な所。なかなか辺境の地だったんじゃないだろうか?と勝手に想像してるけど90年代の音を聴いていると、そんなスウェーデンのロックの土壌もしっかりと形成されていたと言う事が分かる。

 1974年にリリースされたTrettioåriga Krigetの「30年戦争」というそのままのアルバムにして脅威の名盤と言わざるを得ない、正に自分的には好みの音、なんですよねぇ。専門の鍵盤奏者がいなくてプログレバンドっつうよりもハードロック的スタンスの強いバンドでして、それでもメロトロンはしっかりと鳴らしているから、それだけで70年代はプログレと呼ばれる時代。だから救われているというか、消え去らずに済んでいるっつうか…、いや、日本での取り上げられ方ってそんなもんだ。メロトロンが鳴っていればとにかく取り上げられる、みたいな風潮あったし。しかもそれが全面的、ではなくても、だ。

 Trettioåriga Krigetの「30年戦争」ではメロトロンなんて極々一部で聴ける程度で、基本はゴツゴツの音で奏でる変拍子しかない、っつうくらいの変拍子ハードロック。大体、このベースのゴリゴリ音は何なんだ?リッケンバッカーだろうか?クリス・スクワイアばりの音でブイブイと前に出てくるけど、音自体は軽いというベースで、曲の中心にで〜んと居座ってる。それを綺羅びやかに飾るのが音色豊かなギターで、やっぱイエス的な音かなぁ…。音の迫力はイエスの比じゃないとは思うが…、いや、やっぱ「Close to the Edge」や「Fragile」あたりの音か。ウェイクマンがいない分ハードロック的ではある。歌はコレ、スウェーデン語だろうから、語感がかなりヘンで面白い。歌っつうよりもこの手のユーロ・ロックによくある熱唱系の呟き、とでも言うべきか、ボーカルとしての器量を云々というレベルじゃないが、好きです、こういう暑苦しさ。よってこのTrettioåriga Krigetというバンド、来日公演はアルバム「30年戦争」を完全演奏するそうで、多分見ている人はもうノックアウトされまくるんじゃないだろうか?まぁ、もう60歳近くの面子が何処までこのパワー出せるかですが…。



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フレ
Posted byフレ

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kazz_asai  
70年代北欧HR

この前も書きましたが、北欧の70年代ハードロックでも特に好きな作品です。
しばしばプログレの文脈で語られますが、それはどちらかというと大作指向となった3rdあたりがそういうイメージを作り上げたためで、KEBNEKAJSEとかRAG I RYGGENみたいに元々はサイケがその出自だと思うのです。
でもこのソリッドな疾走感と破天荒なパワー…しかし通り一遍のハードロックではなく、変拍子を取り入れた複雑怪奇な音楽は、たとえばOSANNAなどのイタリア勢の影響を受けているのでしょうか。

2012/09/17 (Mon) 21:25 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>kazz_asaiさん

また得体の知れないバンド名が出てきて…北欧、ですね、これら?
まだまだ全然整理できていないなぁ、ユーロは。
面白そうなので今はドイツばかりですが(笑)。

2012/09/20 (Thu) 20:38 | EDIT | REPLY |   

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