Laughin' Nose - Laughin' Nose
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1980年代初頭から半ばにかけて日本でインディーズブームが巻き起こったが、多くがパンクというジャンルにカテゴライズされるバンドだったが、その中からパンクをポップなメロディに乗せてわかりやすく打ち出した、今でも活動しているのがラフィン・ノーズ。残念ながらメジャーシーンに躍り出た時の作品は今では入手不可能らしいが、ベスト盤
初期のインディーズバンドなんてのは大体がオムニバスへの楽曲提供って形が多くて、伝説の「ハードコア不法集会」っつうアルバムがあったりするんだけど、ラフィン・ノーズもいくつかのオムニバスにいくつか提供参加した後、インディーズでの大ヒットアルバムとも云える「Pussy For Sale」
で、一般的なメジャーデビュー作となったのが「Laughin' Nose」なんだけど、もちろんインディーズ時代のモロにハードコアなパンクのサウンドではなく明らかにメジャー路線を意識した売るために世に出てきましたという姿勢を全面に出したサウンドで、インディーズ時代から知っているファンはこのアルバムによって彼等を裏切り者呼ばわりする人もいたし、実際インディーズのサウンドを知っているとそう言いたくなる。魂売ったな、って。が、もう少し彼等は知恵が働いていたようで、アルバムセールスとライブとは切り離して新たなパンクシーンの象徴になろうとした節があり、ライブは相変わらずのパンクノリのままでレコードを聴いて飛びついたファンがそこに感化されるという構図となり、結果パンクが一般へと浸透していった事実が残された。
曲云々では「1999」と題された曲は元々は「戦争反対」という過激なアジテーションを持った歌詞だったのをメジャー向けに歌詞変更したもので、ライブでは「戦争反対」のまま叫んでいた。「Paradise」では印象的なギターのイントロと所詮スリーコードという組み合わせが爆発的なノリを出していて、後年にも引き継がれる傑作になっているし、当時のハードコアパンク魂を見せつけた「Get The Glory」はいわばアンセム的な曲になっている。パンク好きが何人か集まって最後にセッションする曲はコレ、みたいなもんだ。その後すぐにリリースされたミニアルバム「SOS」も結構よく聴いたな。「聖者が街にやってくる」…、そうあの曲のパンク版なんだけどこれがまたかっこよくてね、良かったんだよ。何かのイベントでライブを見たんだけど異様なノリで完全にひとつのブームを作っていた。チャーミーのファッションセンスも結構かっこよかったってのも受け入れやすかったんだろうな。
しかしどのバンドもメジャーに躍り出るとそこから先に良いことはあまりなく、いつしか大きな路線からは外れていくことになり、聴かなくなってしまったんだけどね。今でも、と言うか今になっても再度インディーズとメジャーの中間で活動をしていて、そのパワーを発揮しているみたい。嬉しいよね、そういうの聞くとさ。自分もまだまだ頑張ろう、なんて気になるもんな。
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