SION - S.I.O.N

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 一気に時代を超えて1985年、日本のインディーズシーンが絶頂期だった頃、数多くの際立ったミュージシャンが圧倒的にメジャーシーンよりもマイナーシーンの方に浮上してきた。商業ベースで考えれば全く採算が合わないバンドやアーティストが続々と活躍しており、今考えればこれもバブル経済のおかげかと思える節も多々あるのだが、それでもこういったシーンがロックの風穴をどんどん広げていったのも事実で、この時期あたりまではまだ日本のロックがマイナーシーンとして捉えられていたのもよかった。そんな中、一際異彩を放っていた人がシオンと呼ばれる人だ。

 周りが派手に気合いだ根性だっていうロックをインディーズで叫んでいた中、彼一人だけフォークギター一本でしゃがれた哀しい声で一日を生きる辛さを歌にして現実をそのままナマで素のままにつぶやいていた作品で世に出てきた。元々はインディーズでリリースしたファーストアルバムだったがテイチクから1986年にメジャーリリースされている。とにかく当時の日本のロックシーンでここまで赤裸々にナマの声で心の中を吐露したアーティストは思い切りメジャーなシーンでは尾崎豊という希有な人がいたが、全く異なる角度から訴えかけてきたシオンの叫びはピュアなロック少年少女には大層響いたものだ。日常を生きる苦しさ、そこまでしないと生きていけないロックの人生。一般人がロックンローラーを見るときってのはステージの上だったりするので煌びやかな世界のスターだと信じているが、実際にはこんなことこんな生活を一生懸命一日一日暮らしている、みたいなのを聴けた…。気合い入れ直す作品だったね。

 ファーストアルバムからは「新宿の片隅から」と「街は今日も雨さ」が特に痺れたなぁ。セカンドアルバム「春夏秋冬」はもちろん泉谷しげるのあの名曲なんだけど、コッチの方がはるかに切羽詰まっていて真実味がある(笑)。いや、「今日で全てが終わりさ…」っていうフレーズひとつ取っても単なる歌詞じゃなくてホントに終わりそうな歌い方と声なんだよな。ま、でもやっぱファーストのインパクトが強烈で当時はあまり聴かないようにしていた。落ち込むから(笑)。もちろん今でも滅多に聴かないけどグサリと心に刺し込む刺激が必要な時には聴くかな。最近でも活動しているし今じゃweb上で本人のエッセイやらメモやら書いているのでより一層身近に感じられる人になっているみたいだけど、どっちかっつうと別世界の人みたいに見えるなぁ。不思議だね。
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フレ
Posted byフレ

Comments 4

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Shinyan  
わおーーー

ええやん、ええやん
“SION”俺も大好き!!!でもって最高!!!
ハートを感じるアーティストの一人ですよね

2006/06/20 (Tue) 23:10 | EDIT | REPLY |   
波野井露楠  

シオン、全部持ってます(^^)!
初期もいいですが、「夜しか泳げない」以降が特に好きです。
デビュー当時からのファンに、「丸くなった」と責められたのが、その頃なのですが、「蛍」なんて最高です!
全ての曲の一言一言が胸にしみこみます。
ライブでの元気のいいシオンも最高ですが!とにかく素敵な人ですね!

2006/06/21 (Wed) 00:16 | EDIT | REPLY |   
shintan  
はじめまして。

はじめまして。
このファーストは衝撃的でしたね。当時は高校生だったんですけど、何度も繰り返し聴いてました。世の中の現実や厳しさを吐露したかのような詞に「俺もがんばんなきゃ!」と勇気づけられましたね。全曲いいですが「コンクリートリバー」と「街は今日も雨さ」が大好きです。

2006/06/21 (Wed) 14:37 | EDIT | REPLY |   
た~ぴっと  
はじめまして

私1stは「今日もまんざらじゃなかった」が好きですね 1stでて新潟のライブハウスに来た時シオンが「その辺にこのギター捨てられていたんだよまだ使えるのにね」とか言ってぼろぼろのギターに弦張って何曲か弾いたのをよく覚えてます 正直最近はもう聴いていないんですが(最後に聴いたのはロバートクワインがギター弾いてたアルバムかな)初期のはたまに聴きます 昔は良く悲しくなるとエアチェックしたシオン&Psysの「冬の街は」を聴いたものです あれCD化されませんでしたよね 仕方ないからMP3に起こしてたまに聴いてます

2006/06/21 (Wed) 20:55 | EDIT | REPLY |   

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