Budgie - Bandolier


偉大なるB級ハードロックバンドって言えばやっぱり自分的にはBudgieが出てくるワケで、それはもう世界中で認められているというか、それならB級じゃないだろ、ってな話だが、かと言ってやっぱり売れてたワケじゃないし、マニア向けであることに変わりはないからねぇ。後は、やっぱ曲調もともかくながらエッジの立った音とかワンパターンでの強引なリフでの曲の進め方ってのも特徴的。正直言って歌はそれほど重要視されていなくって、リフの合間に歌が入っているような感じとも言える。その割にモーターヘッド的に結構エグい歌声で攻めてくるのだが…。
1975年、多分皆が認めるBudgie最後のアルバムとも言える「Bandolier」で、自分もココらへんが最後かなぁ〜。いや、以降も聴いたんだけどやっぱりちょっとね、失速してるのがわかってしまうんでやっぱ「Bandolier」まで。初っ端の「Breaking All the House Rules」のリフからして圧巻。やっぱBudgieはこうじゃなきゃいかん(笑)。エッジの立ったギターのリフで攻め立てる、正にそんなイメージを裏切ることのない作品。8分弱もありながら全然長さを感じない畳み掛け、見事。ところが続いて出てくるのは「Slipaway」と言う、ちょっとプリンスみたいな裏声ソウルなバラードみたいに入ってくる曲で、まぁ、Budgieらしいけどさ、ここでいきなりテンション落としますか?って感じ。続く「Who Do You Want For Your Lover」もちょっとスカすなぁ…、まぁ、バリエーションが広がったと言えばそうなんだろうが、どこに向いてるんだ?みたいな印象でやや残念。そこでA面終了してB面へ…、やっぱりオープニング「 I Can't See My Feelings」はそれらしい曲を持ってきてくれているね。カウベルが懐かしい感じあるけど、ちょっと歌メロ考えてしまった?みたいな。ベースもかっこ良いし、うん、いいよ。その勢いから少々キャッチーな「I Ain't No Mountain」へ…、ヤバイかも、こういうの。なんかこの後の活動を彷彿とさせるかのようなヤバさがあるなぁ。ハードロックだけどAOR的っつうかさ。そんな中味を払拭させてくれるのが最後の「 Napoleon Bona-Parts 1 & 2」でね、アルバムジャケットにも絡めたドラマティックな名曲で最後を飾ってくれます。何となくアルバム一枚持たなかった感じがあったけど、この最後でやや報われるっつうか、うん、良かったんじゃないか、みたいな感触を味わえるアルバム。
70年代を生き抜くって大変だったんだと思う。過度にロックに期待がかかってたし、産業そのものも未知の世界だったしライブも運営も全て巨大化していく中でバンドは疲れ果て、色々なシーンが現れては消え、面白いと言えば面白いけどやっぱり70年代って凝縮されていた時代だと思うしさ。90年代とか00年代とかとは大きく違うよ。そんな中、一瞬でも光輝いてくれたBudgieの勢いを楽しみたいトコだ。
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