上田正樹と有山淳司 - ぼちぼちいこか

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 きっかけは何だったか全く覚えていないのだが、聴いた途端にハマり込みまくった日本の誇るユニットによる何とも気の抜ける最高の一枚が上田正樹と有山淳司による「ぼちぼちいこか」だ。アルバムリリースは1975年、当時サウス・トゥ・サウスというバンドで一緒だった二人による作品だが、当時のサウス・トゥ・サウスのライブはもちろんライブハウスだったのだが、第一部と二部と分かれていたらしく、第一部ではこのアルバムで聴かれるようなリラックスしたラグタイムブルースを大阪弁で気楽に歌っていたもので、第二部ではバンドでファンキーな演奏をしていたとのことだ。まあ、そういった背景を知らなくてもこの作品はそれだけでしっかりと楽しめるので是非聴いてみることをオススメしたいね。

 音楽的には別にロックじゃないよ。なんつぅのか、ラグタイム、だよね。大阪ブルースってのもあるけどやっぱラグタイムが基本。そこに面白おかしい歌詞が乗っかってきて日本でしか味わえない、演歌じゃなくって日本的…というか大阪的ラグタイムブルースの出来上がり。エレキ楽器はほとんど使われていないので凄くリラックスして聴きやすいし、のどかな情景が目に浮かぶそんな作品なんだよね。「とったらあかん」とか笑わないでは聴けないし(笑)。でもね、音楽的素地がしっかりした人達だからギタリスト的に聴けば、一体どうやったらこういうギターを弾けるんだろう?なんてマジメに考えたりするし、歌だってやっぱ凄い感情表現が上手くて、何と云っても歌詞が素晴らしいし、ナマナマしいのも良い。ミュージシャンってこういう生活なんだよな、っていう、素直な内容が心に染みるし、わびさびの世界だよね。

 この作品を聴いてからこういうラグタイム系のものを洋楽邦楽問わずに探したんだけどなかなか出会えない。元ネタとなるのは多分アメリカの方のヴォードヴィルミュージックと呼ばれるものだと思うんだけど、ここまでリラックスしたものはなくって、どっちかと言うともっと音楽的になってしまう…、それよりもくつろげる音に出会いたいんだけどないねぇ。そういう見地から見るとこのアルバムは今のところこの分野ではダントツの愛聴盤ということになり、かなり最高の作品なわけだ。残念ながら今はCD廃盤らしいんだけどちょっと前には1500円シリーズで発売されていたので中古品でも見られるはずなので万人にオススメするよ、こいつは。ちょっと歌詞が古いので懐かしい言葉が聴けるのも面白いかな。

 有山淳司はここから20年後くらいに憂歌団の木村氏とユニットで同じようにリラックスしたサウンドの作品を作ってるけど、やっぱコッチの方が面白いよ。まぁ、それでもやっぱり似たような連中ってのは集まるもんなんだねぇ←憂歌団のことね(笑)。どんなに落ち込んでいても絶対に笑えて元気の出る作品♪
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フレ
Posted byフレ

Comments 10

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V.J.  

どもども
フレ氏がこんなのを聴いていたのがどうしてもイメージつきません(笑)
僕ですか?
いまだに、大阪=このアルバムです(爆)
大好きです!

雨の降る夜に
とったらあかん
梅田から難波まで
あたりがとっても好きですねぇ~

ちなみに、大阪人にとっては、梅田から難波までは、最早アンセムと化している。と聞いたことがあります♪

そうそう、この前、元憂歌団の木村のLiveに行ってきました♪
解散しようがなにしようが、彼の世界は全く変わりませんでしたよ!

2006/06/18 (Sun) 01:07 | EDIT | REPLY |   
崩壊の二日後  

この所私の及ばぬ世界が続いておりましたので、ROMさせていただくのみでしたが、また、意表をつくアルバムですね。私は全部聞いたことはないのですが、上田正樹がラジオだかTVだかでやっていたライブは覚えています。「武蔵野タンポポ団」も確かラグタイム風でやっていたと思います。このバンドは「武蔵野タンポポ団」よりあとの世代ですが、その流れかなぁ。

2006/06/19 (Mon) 00:42 | EDIT | REPLY |   
フレ  
コメント感謝!

>V.J.さん
お~、よかった、ウチのサイトでのこのアルバムにコメント有りってのは嬉しいね。大阪人にとってはアンセムと化しているってのは良いですねぇ、こういう文化こそ大事にしたいものです。いつの時代に誰が聴いても楽しめる歌、音楽ってこういうものかもしれない。もちろん老若男女問わずに、って意味でもね。木村さんは変わらないでしょうねぇ、多分まだまだパチンコで楽しんでる人でしょう(笑)。

> 崩壊の二日後さん
いやぁ、もう趣味丸出しで思い付くまま書き連ねているのでつまらない時期もあると思いますが、まあ、ご愛敬♪ 上田正樹って結構多様な歌い手だったりして、ブルースやソウルって感じが強いんですが、ここでの歌は正に大阪人、大阪歌い手っていう以外何者でもないです。逆に武蔵野タンポポ団って知らなかったりします…。

2006/06/20 (Tue) 00:02 | EDIT | REPLY |   
Shinyan  
ビックリ!!!

ココまで懐が深いとは・・・
このラインは未だに、このままの感じで
たまに、テレビで流れるライブも良い感じですよね・・・
歳を重ねて更に、泥臭さが増した感じがするのは俺だけかな・・・??
マーヴェラス!!!

2006/06/21 (Wed) 18:49 | EDIT | REPLY |   
ezee  

このアルバム最高ですね~
コレとよく似たのを探しても
殆ど無い何事にも替え難い
「関西弁&ラグタイム」の何ともオリジナルなスタイル!
何回か再結成時のライブにいきましたがマジで至福の時が過ごせました!

2006/06/24 (Sat) 02:20 | EDIT | REPLY |   
melenge40  

10年以上前ですが、地元のライブハウスのオープニングイベントに上田さんがやってきて、スペシャルゲストで有山さんが登場。二人でサウス時代の曲をやってくれました。その時に上田さんが「ぼちぼちいこか、の印税がほんのわずかだけど毎年入ってくる。金額は少ないけど妙に嬉しい」と言ってました。今や大御所となった二人にとっても特別な一枚のようです。今は廃盤なんですね。

僕も高校時代に先輩に聴かせてもらって、かなり影響を受けました。フレさんが言うように落ち込んだ時に聴くと絶対元気になれます。って言うか「どうでもイイや~」って気分になれてストレス解消にはもってこいかな?

2006/06/24 (Sat) 08:22 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>コメント感謝!

>Shinyan
いやぁ、こういうのって集めて聴くものじゃなくて何となく仲間内とかで聴いて気に入ったって感じのものあので、趣味中の趣味だね(笑)。良いんだよ、ほんと。

>ezeeさん
ほんと、これと同じような曲調や雰囲気って一枚もないんですよ。唯一無二。再結成のライブってやってたんですねぇ、見たかった!酒が気持ちよさそうで羨ましい!

>melenge40さん
やっぱ苦労してた時の作品なので思い入れ深いでしょうね。それが20年30年経っても売れているってのはやっぱやってて良かったな、ってなるでしょうしねぇ。やっぱ日本の音楽の最高峰に位置する万人に受けるアルバムですもん。うん。

2006/06/24 (Sat) 09:43 | EDIT | REPLY |   
Okada  
TBありがとうございました。

はじめまして。
といっても、いくつか覗かせてもらっているブログにフレさんのブログがリンクされており、こちらも覗かせてもらったことが何度もありました。
『ぼちぼちいこか』はいいアルバムですよね。たまに思い出した時に聴いているアルバムのひとつです。

2006/06/24 (Sat) 22:03 | EDIT | REPLY |   
jettman  
嬉しい!

久しぶりにこちらのブログを見させていただいてます。
しばらく実を話した好きに強烈に俺好みモノにおよび至っていたので驚きです!!
ここまで読み下がってきましたが、コメントせずにいられません!
サウス・トゥー・サウスとこアルバム、学生時代に出会って愛聴版です。汗臭く、青臭い日々が思い出されます。
俺の借金全部でなんぼや!大好きっす。

2006/07/16 (Sun) 21:40 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>jettmanさん

なんでコレってこんなにハマるんでしょうね(笑)。やっぱ日本人だからなんでしょうけど…、根深いところが共感するんだろうなぁ、と。良いっす、ほんとに。今の時期なら正に「おなごの寝乱れ姿」って感じっすね(笑)。

2006/07/16 (Sun) 23:11 | EDIT | REPLY |   

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  •  ぼちぼちいこか / 上田正樹と有山じゅんじ * 1975 徳間音工
  •  なにやら怪しい大阪の街中でのオッサンの叩き売り商売の光景のSEから始まる歴史的傑作。今もウルフルズ等が大阪弁を売りにした曲を出したりしてますが、何やら違和感を感じずにはいられません。ここではラグタイムやブ
  • 2006.06.24 (Sat) 02:22 | 音系戯言
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  • 2006.06.24 (Sat) 21:55 | 空から墜ちてきたブルース