Mike Bloomfield - Don't Say That I Ain't Your Man: Essential Blues

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Mike Bloomfield - Don't Say That I Ain't Your Man: Essential Blues (1994)
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 1964年頃、一方のアメリカでもブルースを追求する白人が数人いて、顕著なのはマイク・ブルームフィールドとポール・バターフィールドだ。こちらはもう本場のブルースを生でそのまま吸収してセッションしていたというツワモノ達なので、英国のブルース好きなロック小僧達とは全くアプローチの異なるブルースの世界。もう自分がマイク・ブルームフィールドというギタリストを初めて聴いてから30年近く経過するが、今でもやっぱり凄いなって思う瞬間が多くて、聴く度に発見のある人。そのくせ、飽きるのでハマり切れない人という側面も持つが、今回は編集盤ながらも実に貴重なセッションを中心としているのでほぼオリジナル盤としての位置付けで聴いている「Don't Say That I Ain't Your Man: Essential Blues」という作品。

 1964〜65年頃にジョン・ハモンドが気に入っていたマイク・ブルームフィールドにちょいとセッションレコーディングしないか?ってな感じで声掛けされたようだ。その場にいたのは有名なブルースメン達だったと言うから如何に期待され、また仕組まれたセッションだったことか。そりゃもちろんこれだけ自分の曲を歌詞付きで作り上げて録音しているのだから本人はきちんと作っていただろうが…。デビューするためのデモレコーディングみたいな位置付けだったのかも。そんなのが冒頭5曲に入っていて、どこが?ってくらい伸び伸びとギター弾いて歌ってて、それも本場のアメリカン・ブルースそのままからややオリジナリティを打ち出したホワイトブルースな世界観も出ている見事な楽曲ばかり。ギターにしてもとにかく本物を血肉にして、白人というフィルターを通して出しているギタープレイで、当時じゃ唯一無二の存在だったはず。クラプトンとはまるで異なるアプローチとプレイで、明らかに本物志向。歌もギターも王道です、これは。そんな曲ばかりで、とにかくリリースされた時に聴いて驚いた。これで64年、65年の録音なの?って。完全なステレオレコーディングで音もまるでジャズのアルバムみたいに凄く良いし。当時の英国ではモノラルや音悪い2トラ音源による録音が当たり前だったのに、同じ時代にこれほどに完全なステレオレコーディングの見事なバランスの音で録音されてるとは、そこからしてもう何かが違う。しかも、これがデモ録音って…、もう明らかに何かが違う。

 こんなギター弾きたいなぁ…どうやったら弾けるんだ?まず音をコピーするところからだけど、それすらもままならないし、そこからこういう味付けのフレーズでのプレイを学ばないと出来ないし、なかなかこんなの出せないし、30年近く聴いてても手の届かないギタリストのひとりです。ブルースとロックの架け橋からギタリストとしての在り方まで駆け抜けた天才マイク・ブルームフィールド。この「Don't Say That I Ain't Your Man: Essential Blues」は手始めのベスト盤としちゃかなりクォリティ高い作品。



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フレ
Posted byフレ

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デューク中島  
好きな演奏は

スタジオなら スーパーセッションのアルバートのシャッフル、ライブならIt takes timeですね。甘い 伸びのあるトーンが 独特で好きでした。ねちょっとしたボーカルも。

2012/07/10 (Tue) 23:54 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>デューク中島さん

そりゃもちろんそのヘンが一番でしょ♪
ピック落としてもう一回、ってなもんで…。
ホント飽きないんですよねぇ、この人のギターは。

2012/07/12 (Thu) 21:42 | EDIT | REPLY |   

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