Robert Johnson - The Centennial Collection


戦前ブルースって元々19世紀の終わり頃から出てきたラグタイム・ギターから始まっているとかいないとか…。昔はなんとなくそのヘンのルーツってのはカントリーギターから来ているみたいなことを読んだ気がするんだけど、まぁ、ラグタイム・ギターもカントリーの一種だからそれで良いのか。その辺から黒人が綿畑で労働させられるウチに辛さを歌にしていったってのがブルースの始まりみたいな話を耳にしたことがある。まぁ、音楽ってのは流れ流れて変形していくから進化の過程での発祥って何だ?ってのは難しいだろうし、しかも100年以上前の話だからねぇ。ネットの普及のお陰で調べる気になればかなり調べられるのは嬉しいけど、そこまでキチンと調べ直してないな…。いや、ラグタイム・ギターって…とか思ったけど、結局戦前ブルースになるのかぁ…と言うお話で、戦前ブルースと一括りに言っても1890年頃から1940年頃まであるんだからそりゃ幅広いし進化もしている。そして一方ではレコーディングがきちんと残されているのは1920年頃から?なのかな?伝承音楽だからねぇ。ってことで戦前ブルースの音源は1920年頃から40年頃までになってきて、特に1930年以降が商売として成立し始めた頃のようだ。
伝説のブルースメン、ロバート・ジョンソン。何かにつけて再発されていて、自分が聴いたのはまだアナログ時代に2枚のアルバムがバラバラで出ていた時で、写真の一枚も発掘されていない頃。そこから写真が発掘されて、CD時代になって「The Complete Recordings」が出てきて、ここでの写真は実に驚いた代物で、こんな正装できたのか、この人、って。カネなくて女にたかりまくってた人って印象だからこんな格好することがあったのかねぇ…なんて。まぁ、しかし、アナログの時はまだLPのA面B面ってのもあって聴けたんだけど、CD時代の「The Complete Recordings」はとてもじゃないが全部を聴き通すことは不可能だったな。辛いんだもん。同じようなギター一本と歌の同じ曲がいくつも並んでて、資料的には整理されていて良かったんだけどね。ま、人間わがままです。
そんな不満を解消すべく昨年リリースされた新たなるコンプリートセッション盤「Centennial Collection」です。音も相当クリアーにマイルドにリマスターされていると評判。サンアントニオ録音とダラス録音でCD二枚に分けているようで、聴きやすいのは聴きやすいけど、やっぱりこの手の音はよほどハマり込まない限り自分のものにはできないなと。今回実は相当久々にロバジョン聴いたんだけど、確かにかなりマイルドで生々しい音だな〜と思うものの、やっぱり何曲も聴いているとそれぞれの凄さは感じる。でも、なんかお勉強的に聴いている感じがしてしまって…。素直にロバジョンの歌とかギターとか凄いなぁと感心してれば良いんだけど、そうもいかなくてついつい弾いている姿とか想像しちゃうとどうやってるんだろ?とかどんな風に弾いてるんだ?とかギター抱えて試してみちゃって…もちろん太刀打ち出来ません(笑)。かと言って気軽にBGMになるはずもなくて、何ともしんどい人です、ロバジョンは。ただ、先日のBlind Blakeからしてみるとわかるように明らかにラグタイムブルースからの進化がわかるブルースで、そういう意味でロバジョンが最初だったかどうかわかんないけど、音楽的スタイルの違いとか変化ってのはなるほどな、と比較論で思う次第ですな。
「Centennial Collection」2CDで1300円、昔の音なら2CDで800円〜ってもう凄い世界。そりゃまぁ、そりゃまぁ、80年も前の代物だけどさ…。
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