Ten Years After - Stonedhenge


そういえば、なんで「これから聴くフォルダー」の中にTen Years Afterが入っていたのかようやく思い出した。スレイドの記事を書いている時にスレイドがTen Years Afterのカバーをしてて珍しいな〜ってことでオリジナルを聴いてみたくて聴いたんだった。それでまだウチのブログで書かれてないアルバムを探してて「これから聴くフォルダー」に入れてあったんだ。普通に考えればスレイドとテン・イヤーズ・アフターって繋がらないから、なんとなく不思議だった。それで折角ここにテン・イヤーズ・アフターがあるから何か繋げていきたいな〜と思ってハンブル・パイを入れたけど、そんなことしなくても普通にスレイドからテン・イヤーズ・アフターに繋がったのか。なかなか覚え切れないロックの系譜だ。このブログってたまにパタンと切り替わるけど概ねロックの系譜やファミリトゥリーだったり関連性のある人で繋がっていたり、同系統だったり何かしらの接点から次の記事に繋がるようにしているんだよ。特に英国ロックの奥深さってこれだけあるんだ〜みたいなのを自分で知りたいからさ。そこまで気にしてブログを読んでる人も多くはないだろうからその場その場で楽しんでくれれば良いけどね。ちょっとだけ拘ってみました。
てなことでテン・イヤーズ・アフターの三枚目のアルバム「Stonedhenge」はロック動乱の年、1969年にリリースされた爆発前夜のアルバムでもある渋い作品、とでも云うべきか。ファーストはまぁ、それなりの英国ロック路線だったけどセカンド「Undead」で一気にジャズ路線を強化してフリーインプロビゼーションの魅力をたっぷりと放ち、ウッドストックでの功績もあって自信を付けた三枚目という位置付けの「Stonedhenge」は、驚くことにジャズやブルース路線のバンドではなくサイケ路線とジャズの融合のようなサウンドで、各楽器それぞれが自己主張するパートを持ったアルバムとも言えるか。アルヴィン・リーって才能ある作曲家ではなく、才能あるミュージシャンだったから曲の良さは期待してはいけない。演奏の面白さや楽器の応酬が面白いバンドなのだ。個性的な発想での曲は多いけど、ギターと連動するんだよ、この人の曲は。だからあまり練られていないのが多い…と言っては失礼だが、自分はこういう才能の方が好きです。一本調子でできることをひたすらやり続ける、みたいな感じで、更にその煽りをバンドメンバーも受けていて皆が皆一心不乱に演奏する姿の狂気さ加減は映画「ウッドストック」でも証明済みだろう(笑)。
しかし「Stonedhenge」って昔聴いた時には凄い名盤!と思ってよく聴いてたけど、今聴くと何でそんなにハマったんだろ?って思うくらいのアルバムだな。いや、悪い意味じゃなくて、これくらいなら自分でも出来るんじゃない?とか思っちゃうんだよ。もちろん自分で出来るわけじゃないですが、言い方としてはですね、多分若い頃にこのアルバムやテン・イヤーズ・アフターってのが好きだったから結構コピーしてスタイルとしてのエッセンスを吸収していたワケですね。んで、そんな吸収力の成果か、こういうスタイルの音は自分のバンドもギターも十八番になっちゃって、見事に血肉になってしまったんです。だから今聴くと、自分でも出来るんじゃね?って思えるワケで、意外性は特になくて素直にこうだよな、自分でもそうだもん、みたいに聞けるからかな。大上段に言えば自分にはもうテン・イヤーズ・アフターは吸収済みってことか。
なんて偉そうに聴いてたら、やっぱりとんでもなく面白くてやりたい音をそのまま出してくれているアルバムで、聴き入っちゃった。やっぱり時代性とテクニックとバンドが違う。熱くなるねぇ〜、こういうのは。あ、曲が、じゃなくて演奏が、です。ま、自分にはこういう雰囲気は出せるけどこういうプレイは出来ないからさ。一般的には以降のアルバム「Ssssh」と「Cricklewood Green」が評判良いけど、自分は結構「Stonedhenge」が好きだな。
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