The Sweet - Off the Record




キッチュな楽曲と歌メロで当時のリスナーを惹き付けて止まなかったグラム・ロック勢と呼ばれた部類のバンド群。まぁ、まとめてグラム・ロックと呼ばれていたし、今でもそういう括りで語られる事も多いけど、その拾グラム・ロックって音楽的な意味でのカテゴライズじゃないから総じて音楽を語るには結構無理がある(笑)。ファッション的にギラギラでラメラメで派手なスタイルっつうグラマラスロックの意だからもちろんオンゲくとは無縁なワケだ。パンク・ロックっつうのも実はファッションが先にありきだったんだけど、まぁ、イメージが強烈だから音も攻撃性を持つものとして認知されているけど、やっぱりそこはレゲエやスカが入ってきたりしてやや強引な部分あるもんね。メッセージがパンクだから、とかアジテーションが、とか言ってひとつにまとめてるけど(笑)。グラム・ロックはもう無理だ、まとめるの。明らかに異なるスタイルだし、それぞれ皆が低迷しているのは共通項ではあるが。
元々普通のビートバンドとしてスタートしていたThe Sweetは試行錯誤の上自身達の作詞作曲を行うスタイルで奮起して頑張って売れたという努力の賜物のバンド。そして売るためにはスタイルも人気のグラム・ロックにしていこうとファッション感覚からの入り方なワケで、明らかに音楽的背景の共通項は見当たらない。しかし実力がちゃんとあったんだろう、一旦ブレイクしてからはしばらく人気が続いていたのだから今でもそれなりにファンがいる、はず。それが多分1977年リリースの5作目のアルバム「Off the Record」まであたりかな、と。
自分的にはThe Sweetって欲しい時に手に入らないバンドで、あってもベスト盤くらいって状況でこれもまた聴くタイミングを逸していたバンドのひとつ。ベスト盤買って聴いてたけど、どうにもポップでキャッチーでう〜ん、っつう感じ。アルバム単位での聞き込みは結構後になったなぁ…。どれもこれもアルバムジャケットで聴きたいと思わせるものが無くて…、センス良くないんだよな、ジャケット面は。そこ、もっと力入れておいてほしかった。てなことで、どちらかと言うとアメリカ盤のボロボロのジャケットをいつも見かけていて、惹かれなかったんだが、「Off the Record」も含めて中味はかなり進化していってるのは面白かった。最初にThe Sweetの「Off the Record」を耳にすると思うのは明らかにQueenなんだな。ギターもコーラスも曲構成も。何か「あれ?」ってくらいクイーンな音で、それにしては弾け具合がイマイチでやっぱりB級センスに甘んじる部分はあるんだが、かなり面白いと感じるのはある。特に「Off the Record」では時代も1977年だし、普通にやったってウケない時代だし、それなりに〜ってバンドの力量ないとしんどい頃だからさ。
歌がアグレッシブで音がクイーン的でバンドの見た目はかなり軽薄…っつうか軽くてアルバムジャケットには何の捻りもないというままで出してきた「Off the Record」。キャッチーなメロディは健在で、音的にはややハードな側面や重さみたいなのがあるんだけど歌メロがポップだからそのアンバランスさ加減が面白い。明らかに英国B級の路線なんだけど売れた。見事。更に加えればThe Sweetの影響を受けたバンドの多いこと多いこと…。ハードロック系だけじゃなくてポップ嗜好なバンドにも好まれたしもちろんメタルバンドにも好まれた。そんだけキャッチーだったんだろうというのは「」でも明らかに出ていて、聴けば結構病みつきになる。自分?実はかなり好きな部類に入るバンドなんだよね。それでいて実験精神も旺盛だし、ヘンな中毒性はあります(笑)。
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