Wig Wam - Wall Street

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Wig Wam - Wall Street (2012)
ウォール・ストリート WALL STREET

 時が経つのも早いモノで、あれ?もうこの人達新しいアルバム出すの?ってこともあったりする。レビューを読んでみれば3年ぶり何枚目のアルバム、とか5年ぶりのリリースとか、それなりに年月が経過している旨が書かれているワケで、って事は自分の時間感覚がそれだけ鈍っているって事か?大人になってから回りの環境の変化がないワケではないから、その節目で何年くらい経過したってのは意識していると思うが、日々ではほとんど意識していないから一年が早く感じるのかもしれない。ただ、一年が早かったかと訊かれると、そんな事もなくて、それなりに長い年月だったな、とは思う。アルバムをリリースするアーティストやバンドからしても多分同じで、アレコレやって環境の変化もあってそろそろアルバム作るかっていうペースになっていると既に前作から3年経ってたみたいな事だと思うし、そりゃまぁ、色々とあるだろうしね。そんなことで、へ?もう出すの?と思ったけど実は2年ぶりの新作ってことでWig Wam。

 ノルウェーからの新星ってことで勢い良く出てきたバンド。前作「ノン・ストップ・ロックンロール」でちょいと、そして今作「ウォール・ストリート」で更に大人になってしまった感が強くて音楽レベル的には上がっているけど、楽しさやバカらしさみたいなトコロがちょっと減ってしまって普通にシーンで勝負するのかい?的なところにやや疑問。バンド背景としては80年代ロックのオマージュに楽しさや明るさ、そして子供にも分かりやすいハードロックを志していたワケで、セカンドアルバム「ウィグ・ワマニア」あたりまでは正に絶頂期だったが、3枚目の「ノン・ストップ・ロックンロール」でなんとなく落ち着いた感があって、そして4枚目の今作「ウォール・ストリート」。通して聴いている感覚では、かなり落ち着いた。アホみたいに脳天気に騒げる曲はほぼ皆無で、冒頭のタイトルトラック「ウォール・ストリート」からしてやや重めなハードロック調。まぁ、言い方を変えればアメリカンハードロックからちょっとヨーロッパに軸が移った感じか?音そのものはWig Wam風なフレーズや音色なのでバンドの個性は失われていないし、作風もテクニックも上がっているのでかなり充実しているとは思う。

 まぁ、そのヘンがヨーロッパ人なんだろうなぁ。単に脳天気なだけでは飽き足らないと言うか、ここまで表現できるテクニックなり技量なりがあったりするとどうしたってヨーロッパ風味が出てきてしまう。すると単純なものから離れていくという構図でやや悩ましい時期なんだろう。Wig Wamって今は知らないけど、リズム隊は副業でのミュージシャンなんだよ。本業では食っていけないらしくてまだ副業だとか。ノルウェーのシーンでは間違いなくその規模で、こんだけ、極東の日本に来るようになってすらもその状態って事で、なかなかしんどいんだなぁとある意味賢いとも思いながらミュージシャンという職業がシビアなものだというのを知る次第。そしてこんだけCDが売れないと言われている時代だから職業としてのミュージシャンというモデルの在り方ってきちんと確立して行かないと秀逸な音楽家が育たない。

 話は逸れたが…、もちろん脳天気に楽しめるメタルサウンドも健在ではある、数曲だけど。でもね、やっぱ陰があるから、今までとは違う感じだ。さて、これからどんな方向に向かっていくのだろうか、Wig Wamは。そんな悩みが出てしまった作品な気がするけど、悪くはないし途中過程としては貴重なアルバムでしょ、と思うことにしよう(笑)。



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フレ
Posted byフレ

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